「今のギャルゲーは何だ! ギャルの顔色を窺いながら何とか相手に気に入られようとする主人 公ばかりではないか! それでも男か! 誇りはないのか! 男なら『俺についてこい』くら い言うべきではないか! もっと男らしさを貫き、堂々とすることはできないのか! そう、 例えばデ○ラー総統が主人公のギャルゲーだ! 各星系を支配していき、それを宇宙一のいい 女ことイスカン○ルの女王スターシ○に捧げる! 遊星爆弾をぶっ放しながら『君のために、 星系を一つ占領したよ』と言って相手を口説く! デス○ー総統くらいになれば、そう言った 『男の生き様』を見せるゲームになるではないか! それこそ、今求められているギャルゲー ではなかろうか!」 ――某誌からうろ覚えで引用した内容のかなり偏った要約 (注:以下では版権に配慮している姿勢を見せるため、固有名詞の使用を回避しております) 男の生き様:東鳩編 今、また一つの星系が浩之総統の手に陥ちた。 「ふっ。たわいもない」 豪勢な私室で戦況をモニターしていた浩之総統は徐に机に手を伸ばすと、隣星へのホットライ ンを繋いだ。呼び出し音が鳴り、隣星のあかり女王の姿がディスプレイに現れる。 「あ、浩之ちゃん」 浩之総統の腰が砕ける。 「……ちょっと待てっ。ちゃん付けは止めろと言っただろ、ちゃん付けはっ」 「え、で、でも、浩之ちゃんはずっと昔から浩之ちゃんだし、わたしにとっては今でも浩之ちゃ んであって、浩之ちゃんと言わないと浩之ちゃんに話し掛けている気がしないし、やっぱり…」 「頼むから止めてくれえっ。俺は今は総統なんだよ、総統。分かるだろ、おいっ」 「う、うん」 「ならっ、『ちゃん』はないだろ『ちゃん』はっ。せっかく『君のために星系を一つ占領した。 つまらないものだけど受け取ってくれないか』なんて格好つけようと思っていたのに……」 「……総統だけに、相当気にしているようだ、なんちゃって……」 「…………」 「……えーっと、今のがあかりちゃんギャグ、なんだけど……」 「…………」 「…………」 「…………」 浩之総統は人目を憚らず号泣した。男泣きである。 男の生き様:痕編 今、また一つの星系が梓総統の手に陥ちた。 「ふっ。たわいもない」 豪勢な私室で戦況をモニターしていた梓総統は徐に机に手を伸ばすと、隣星へのホットライン を繋いだ。呼び出し音が鳴り、隣星のかおり女王の姿が……。 「……おい」 「ふっふっふ。『君のためにまた星系を一つ占領したよ、かおり』っと」 「……おい、耕一」 「おっ、これはかなりいい反応ぢゃねぇかっ。よーしよーし、どうやらうまく行っているな」 「……こ・う・い・ちっ」 「さーて、次はどの星を占領すっかな。できるだけ『かおりちゃん』の好意を上げられるような 星を選ばないと……」 「……返事をせんかあああああああっ」 「うわあっ。な、何だ何だどうした何が起こったっ」 「……これはいったい何だ?」 「あ、梓か。吃驚させるなよ」 「……何をしてるかと聞いている」 「え、ああ、見て分からんか? ギャルゲーだよギャルゲー。新しいコンセプトで作られたこれ までにないタイプの……」 「んなこた聞いとらんっ。この名前は何なんだっ」 「名前?」 「主人公の名前だっ。何故あたしの名前なんだよっ」 「え? だって、当然だろ」 「な、なにぃっ」 「だってこれ、『男の生き様』を見せるゲームだぜ。となれば、乱暴なまでに気風が良くて、が さつなほど腕っ節の強い、竹を割ったような単純な性格の、これぞまさに『漢の中の漢』とも言 うべき梓を主人公にするのは……」 「……ふ、ふふふふふ。耕一っ、避けなきゃ死ぬよっ!」 耕一はしばらくゲームができない身体になった。 男の生き様:雫編 今、また一つの星系が祐介総統の手に…… 「……くっくっく。滅んでしまえ。みんな、みんな滅んでしまえぇぇぇぇぇぇっ」 ………… 隣星の沙織女王は、何時までたってもかかってこないホットラインをひたすら待ち続けること になった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− うーむ、久しぶりだとうまくいかん。 まさたさん、何か版権がらみで問題が出たら速攻で削除してくださいね。 以下、すんげー昔のレスです。遅れてごめんなさい。これもすべてあの『魍魎の匣』が悪い。 そう、都会を離れる帰省の列車で何時の間にか前の座席に座っていた男が持っていた匣。『パッ ○ード・ベル』と書かれたその匣に向かって愛おしそうに話しかけていた男は「誰にも云わない でくださいまし」と言って匣の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。匣の中ではハードデ ィスクがぶっ飛び、マザーボードが鈴でも転がすような声で「ほう」と笑った。何だか酷く男が 羨ましく……なる訳ないだろおおおおおおおおっ。 ギャラさん > 格好よいかどうかは人それぞれでしょうが、私には「ダイ・ハード」のような「格好悪い >格好よさ」があるような気がします。 過分なお褒めの言葉をいただきありがとうございます。苦手なダークにしてしまったよう で申し訳ありません(苦笑)。 アルルさん >あと、ぼそりと一言。食前食中に読まなくてよかった(笑) うーむ。個人的にはよくあるホラー特撮映画のような生理的嫌悪感だけに訴える作品は嫌 いなんですが……。自分の作品がそうなっていたとは……。 R/D、一生の不覚っ(笑)。 久々野 彰さん > 貴方様の書きたかったものが私にはとうとう最後まで見えませんでしたので、感 >想はパスします。特に『痕』という未完成の話の二次作品という形での結論が。 すみません、痕の二次作品を書いているという自覚はありませんでした(笑)。 本当に単に趣味に走っただけの作品です。 『君、死に給うことなかれ』 一途なままでいて欲しい、ということでしょうか。例えそれが苦痛でしかなくても。「永 遠」とか「何時までも」とか「変わることなく」ということが、何をもたらすのか。そん なことを考えました。 それと、個人的な趣味ですが、わたしはアトラクよりアンビの方が好きです。 AEさん いつも長めの感想、ありがとうございます。 最近は「ふきふき」イメージの払拭をはかっているようですが、成果はいかがですか? ちなみに、わたしにとってはやっぱりAEさん=「機械婦警」ですけどね。 ちょっと長めのブランクでしたが、これから追々復活していきたいと思っています。またよろ しくお願いします。 R/D