色彩 投稿者:R/D
 祐介 「ねぇ、沙織ちゃん」
 沙織 「え? なに?」
 祐介 「実は、前から気になっているんだけど……」
 沙織 「ウン」
 祐介 「沙織ちゃん、髪の毛を赤く染めてるのに、よく何も言われないね」
 沙織 「はい?」
 祐介 「だってウチの学校の女子バレー部って全国大会を目指すくらいの強豪なんだろ? そ
    ういうところって、普通は外見にうるさいんじゃないの」
 沙織 「そ、それは……」
 祐介 「体育会って保守的だし、いくら校内に茶髪が増えたからって赤はそんなにいないし」
 沙織 「つ、つまり……」
 祐介 「冷静に考えれば無茶苦茶だよな。大会に出た日にゃスラムダ○クの主人公並みに目立
    つと思うけどなぁ」
 沙織 「ちょ、ちょっと……」
 祐介 「はっきり言えば『不良』の髪じゃないかと……」
 沙織 「あ、あのねっ、わたしが不良なら瑠璃子さんは何よっ。青よ青っ」
 祐介 「そう言えば」
 沙織 「白髪隠しの有閑マダムくらいよっ、髪の毛青く染めるのはっ」
 瑠璃子「……よく分かったね」
 沙織 「うひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ」
 祐介 「瑠璃子さん、もしかしたら沙織ちゃんの言う通りなの?」
 瑠璃子「うん。そうだよ」
 沙織 「うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ」
 祐介 「どれが本当なの? 白髪隠し? それとも有閑マダム?」
 瑠璃子「くすくすくすくす。長瀬ちゃんの思っている通りだよ」
 沙織 「お、思っている通りって……」
 瑠璃子「長瀬ちゃんも、おんなじだよね」
 沙織 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」


 耕一 「今回のお題は髪の色か。とはいえ千鶴さんは普通の黒髪だし。ま、あれが鴉の濡羽色
    ってヤツかな。つややかで長い髪といえば源氏物語のころからの男の憧れだしな。そう
    いえば楓ちゃんも黒髪だな。これもやはりおかっぱに似合う髪ということで黒になった
    んだろうな。日本人形みたいにまっすぐ伸びた黒い髪。うむ、これぞ大和撫子ってか。
    外国人が見たら『ふぁんたすてぃーっく』とか言って喜びそうな髪だよな。あれ? そ
    ういや初音ちゃんは金髪だよな。うーむ、これは間違いなく、キノコで反転している間
    に染めたな。あれはやっぱ不良の髪だしな(偏見)。きっと床屋を急襲して無理やり染
    めさせたんだろうな。床屋の親父が『しょ、小学生が髪を染めるだとぉっ。なんてこと
    だ。日本の社会はここまで堕落してしまったのかぁっ』とわめくのを、『うるせぇっ。
    ごたごた言わずにとっとと染めねぇかっ』といってパチキかまして言うこと聞かせたん
    だな。んで、染め終わった後で親父がショックのあまり臨時休業にして部屋にこもって
    酒を飲んでると女房が来て『あんたはまた昼間っから酒を飲んで』と言って怒ると親父
    が『黙れっ。俺は悔しくて飲んでるんじゃねぇ、痛くて飲んでるんじゃねぇ。俺はこの
    国の将来を憂えてだなぁ』と答えて……」
 梓  「……おい、耕一」
 耕一 「声涙下る演説を……って、何の用だよ、いいところなのに」
 梓  「あ、あのさ、あたしの髪の話は?」
 耕一 「お前の髪? 鹿毛」
 梓  「はぁ?」
 耕一 「いや、栗毛かな」
 梓  「ちょっと待てえぇぇぇぇぇぇぇぇっ。あたしは馬かあぁぁぁぁぁぁぁぁっ」


 浩之 「赤に青に紫に黄色に……。この辺の理髪店は品揃え豊富だな」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 このおはなしのポイント

 同じネタの焼き直しに走るあたり、作者がネタ切れで(しつこいって)



 みなさん、感想ありがとうございます。


 久々野 彰さん

  >って言うかどうしてたわしであそこまで引っ張ったのだ?。

   1作目 とにかく作ってみたかった
   2作目 縦書きをやってみたかった
   3作目 "丁半"を試してみたかった

    > 確かに会社は倒産しました。でも、まだ営業は続いています。給料も沢山貰ってい
    >ます。「ボーナスなんて雀の涙程度で・・・」どうやらボーナスまで出ているようで
    >す。勿論、年収もウチの父より多く貰っています。私など比べものになりません。

   ゼネコンの給料は元は我々の税金だと思えばいいでしょう。彼らが生き残るために我々の
   税金が使われています。そして、残るものは誰も利用しない公共設備だったりする訳です
   ね。政治家はそういう何の役にも立たない道路や建物や工業団地や干拓地を作るのを仕事
   にしており、彼らにぶら下がっているのが建設省や農水省や郵政省や通産省といった利権
   官庁です。んで、こういう連中がいい暮らしをするために、若い連中(まだ選挙権を獲得
   していない者も含む)の将来を食い潰す。それが今の「この国のかたち」です。


 AEさん

  >人間の行動は遺伝子という存在の保存本能に起因する、でしたっ
    >け? ミーム、という概念は初めて聞きました。「想い方」なんでしょうか?

   人間の、というより、生命の行動は遺伝子が最も効率よく自己複製できるようになってい
   る事例が多い、という考え方ですね。
   遺伝子の場合、自己複製するのはDNA分子ですが、「ミーム」の場合は自己複製する思
   想、概念、価値観などを指し示しています。例えばある人が「神は存在する」と思っても
   それだけではミームにはなりません。その人が自分の考え(神は存在する)を他人に伝え
   て、他人がその考えを共有した時、つまり「なるほど神は存在する」という人が新たに現
   れた時に、その考えが初めて複製されたことになります。それがミームです。

    >しかし、深いですね。もしかして神林長平先生の作品、読んでませんか・・・?

   「戦闘妖精・雪風」(でしたっけ?)以外は読んでいません。

    >彼らは肉体栄養と精神栄養を巧みに選別し、種が絶えないように連鎖の上位に気を使っ
    >て生き延びてきたのです・・・・・・。人類最大のライバル、ネコ。

   確かに、まともに考えると不思議な関係ですね。イヌと人間なら、まあ相互に利益がもた
   らされる関係として定着したのだろうと想像できますが、ネコはねぇ。鼠を捕る代わりに
   人間から食糧を得る、という関係なのかもしれませんが、我が家で昔飼っていたネコは全
   く鼠を捕らなかったしねぇ。眠っているだけでメシを貰うネコもいますしねぇ。

   わたしはネコになりたい。


 Tagoさん

    >某蛇使い?やっぱ、獣の様にヨダレ垂らしてるんでしょうか?(ポッ)

   蛇使い、というと、「レッドスネーク、カモン!」でしょうか(笑)


 アルルさん

    >モノをつくる技術を身につけても、それを応用できないと、発展はありません。
    >同じモノばかり創っても、仕方ありませんからね。

   流石は技術屋さんですね。モノと向き合う仕事をしていないので、モノの手触りから浮か
   ぶ発想みたいなものが、わたしにはありません。だから、こういう表現もなかなか思いつ
   きません。

    >他人の話を聞かないと糧にならない。でも摂りすぎは毒になる。
    >その狭間で、私達は、会話しているんでしょうね・・・

   何事も腹八分目、といった感じですか。頭から否定したり、逆にすべて鵜呑みにするので
   はなく、中庸を求めて。
   難しいですけどね。


 vladさん

    > R/Dさんの「長瀬刑事シリーズ」(勝手に命名)
    >無茶苦茶面白かったです。

   ありがとうございます。久しぶりのSCRの感想なんでびっくりしました(笑)。


 ギャラさん

    >二階級制覇・・・って、反則じゃあ(笑)
    >あ、小錦だからいーんですね(謎)

   小錦八十吉氏自身もアメフトと相撲で活躍しましたし(苦笑)。


 UMAさん

    >「コラ政府。公共事業に金払う金があるなら被災者に義援金くらい出せ!!」

   不可抗力で損害を被った人を助けるのは「思いやり」です。自分の責任で損害を被った人
   間が助けを求めるのは「甘え」です。思いやりを持って人を助けることと、単に甘えてい
   るだけの人を助けることと、どちらが大切なのかは子供でも分かります。現在のこの国の
   「エリート」「選良」「経済人」はどうやら普通の市民より遥かにバカで、常識をわきま
   えない無能無責任な連中であることがはっきりしてきました。
   まぁ、お上を当てにするのは間違いであるということを国民にわからせたのが、彼らの唯
   一の善行でしょう。


 八塚崇乃さん

    >今の食物連鎖の頂点である俺たち人間も、
    >  いつかは滅んでしまうかもしれませんね。

   言葉通り「永遠」のものなどありはしないのでしょう。
   あえて言えば四十億年もの間、断絶することなく生き続けてきた生命そのものが、実は永
   遠の存在なのかもしれません。


 アクシズさん

    >バイクはカーブで見ている方向に向かっていくものなんです

   「病は気から」じゃないですけど、景気も「気」からという部分はありますからねぇ。
   もっとも、現状は気分だけ明るくなってもどうにかなる状況ではないと思いますが。


 紫炎さん

    >うわあああああ痕買ってないよおおおおおおおお
    >SS読むとますます痕が欲しくなる…お金ないのにねぇ

   わたしの作品を読み、その後で痕をプレイをしたら「全然違うじゃないかっ」と怒りたく
   なるかもしれません。その時は寛大な心で許してね(笑)。



 それではまた。

                                    R/D