千鶴さん料理体験 〜納豆マヨネーズ〜 投稿者: SOUSHI
千鶴さん料理体験

其の壱 恐怖。納豆マヨネーズ(笑)

ドックン、ドックン、ドックン、ドックン。
いやな感じだ。まるであのキノコリゾットを食べたときのような、いやぁな感じ。
エルクゥの血が叫んでいる。………これは、危険だ、と。
俺は、おなじ過ちを繰り返すわけにはいかない。
勇気を出して言葉を発した。
「ち、千鶴さん。これって納豆ですよねぇ」
食卓には、梓を除く全員が揃っていた。千鶴さんが料理を作ってるのを見ればわかるように梓はいない………
梓さえいれば、千鶴さんに料理を作らせるようなまねは、決して許さなかっただろう。だが、昨日から合宿とかいうもので行ってしまった。
もちろん、楓ちゃんと初音ちゃんに千鶴さんには料理を作らせるなと言い含めていったのだが、千鶴さんの押しの強さにこの二人では対抗できなかった。
「あっ、耕一さん納豆お嫌いですか」
おひつからご飯をよそっていた千鶴さんがちょっと不安顔で振り返った。
そして、その視線を食卓におろす。
「あの子から「千鶴姉はめしつくるな」ていわれちゃったんで、簡単なものにした
んですけど」
確かに食卓の上に、怪しげなものはない。ただ一つを除いては。
「い、いやー、納豆は好きなんですけど………」
ふと、楓ちゃんの方を見てみるとその視線は納豆の上に注がれている。
初音ちゃんはというと。千鶴さんを止められなかったことを後悔しているのか、うなだれている。
「ちょっとこれは違うかなって」
「………違う?」
首を傾げながら千鶴さんが納豆を凝視した。
「でも、ただの納豆………………ねぇ、あなたたちはどう」
千鶴さんは楓ちゃんと初音ちゃんに話を振った。
「………姉さん」
納豆を凝視していた楓ちゃんが千鶴さんを見つめた。
「な、なによ楓。そのいかにもあきれましたって顔は………たしかに、前回は手を加えすぎて失敗したけど今回はシンプルイズベスト! たまはまだ生きてるわ」
そのたまはといえば、部屋の隅で餌を食べている。しかし、その中に疑惑の納豆はない。生きてて当然だ。
「姉さん………私、食べたくない」
「か、楓………あなた」
あからさまに断られて、さしもの千鶴さんもショックを隠しきれないようだ。
ちなみに、初音ちゃんはすっかり自分の世界に入ってるようで、千鶴さんの呼びかけには反応しなかった。
「………耕一さん! 耕一さんは食べてくれますよね。私の愛情をたっぷり込めたお食事」
………愛情込めないでレトルトにでもしてくれれば良かったのに。
ため息を一つついて、俺は納豆を見た。
白いパックに入った納豆、それはいい。問題は、その上にとぐろを巻いているマヨネーズだ。
私は、マヨネーズです。と、主張するかのようにのっかっている。納豆の姿は見えない………千鶴さんの意図は明白で、これを混ぜて食べろということだろう。
………出来ない。人として出来ることと出来ないことがある。俺は人間だぁ!(エルクゥだという話もあるが………)
だが、状況は俺を見逃してくれないらしい。

ひゅーーーーう

千鶴さんの周りで、なぜか風の吹く音が(笑)

その後、俺達がどうなったかはここでは語らない。ただ、合宿から帰ってきた梓が家に入った瞬間、鼻をつまんで絶叫したことのみを付け加えておこう。

終わり

   ○○○○○○○○○○  あとがき  ○○○○○○○○○○○○
ふぅ、疲れた。一人称とかがよくわからなかったんで苦労しました。痕やったのってかなり前だからなぁ。
ちなみに、納豆にマヨネーズうまいです。俺の友人はみんな気持ち悪いというので、ネタにしてみました。

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SOUSHI


つづく

と、いうわけで続きます。