「……や」 「…………」 「……」 「…………」 「……どうしたの?」 「…………あ」 「あ?」 「あ、あ、あ……あなたはっ! どうしてここにッ?!」 「テニスしに」 「そうじゃなくて! テニスやめたんじゃなかったの?」 「おたがいさまだよ」 「お互い様って……確かに、私も大学で部活とかやめたけど……」 「夏こみ」 「ぐ」 「売り子」 「ぐぐ」 「やってたよね」 「ぐぅ……」 「今ではすっかりオタク様だね」 「嫌! 言わないで! 何であなたがあそこに来るのよ!?」 「由綺や冬弥と遊びに行ってたんだよ」 「うう……一生の不覚」 「お褒めにあずかり恐悦至極」 「ほめてないー!」 「テニスの相手してくれる?」 「……大概に唐突ね……昔はもうちょっと、こう……素直じゃなかった?」 「今も素直だよ」 「素直って言うか……天然入ってない?」 「よく言われる」 「そうでしょうね……」 「それじゃ、1ゲームくらいやろうか?」 「そうね、それじゃ……じゃなくて! あの時、いきなりやめといて……」 「カードマスターピーチの衣装、似合ってたね」 「てっ、てっ、てっ……そ、そこまでぇーっ!?」 「見たよー」 「はぁう……よりにもよってぇ……」 「可愛かったよー」 「へぇへぇ……ありがとうございますぅー」 「嬉しくないの?」 「……乙女心は複雑なの」 「うーん。それは難しいね」 「そう。難しいのよ」 「それで、3ゲーム先取ってことでわりとゆっくり」 「だから勝負する前にテニスやめた理由話しなさいって言ってるでしょー!」 「話さないと……ダメ?」 「ダメよ」 「……本当に?」 「ダメったらダーメ」 「……どうしても?」 「どうしてもっ!!」 「……なんで目をそらすの?」 「うっ、うるさいわねっ! そんな目でこっち見ないでよぉっ!!」 「…………」 「だっ、だからぁ……」 「…………」 「学生時代の好敵手としては……その……」 「…………」 「あの、えと……あーもうっ!!」 「言わなきゃ、ダメ?」 「いいわよもうっ! 誰にでも言いたくないことの一つや二つあるでしょ!」 「ありがと」 「どういたしましてっ!」 「なんで怒るの?」 「怒ってないっ!」 「売り子してた時に後ろにいたの、彼氏?」 「ぃぃぃぃーーっ!?」 「眼鏡かけてない、スケッチブックに埋もれてた方」 「…………」 「あ、なんか金魚みたい」 「…………」 「おーい」 「そ、それはともかく、ゲームやるんでしょ? さっさと始めるわよ!」 「久々だから、じっくり5ゲーム先取ね」 「わかったわよ、わかったからさっさとコートに入りなさい!」 「わかった。それじゃ、サーブ……えい」 「だーっ! もうっ! こっちの準備がまだでしょーっ!!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− クロスオーバー、好きなんです(ちょっと違うかも知れない:笑) この勝負、どっちが勝ったかは言わずもがな。 ……とゆーわけで、おもむろに参加なT-star-reverseでした。 この企画を立てたNTTTさん&AIAUSさん、有り難うございました。 自分としては十二分に楽しませてもらいましたです。