雨の朝の「おはよう!」
はっ、はっ、はっ、はっ……
規則正しい息づかいが、冷たく澄んだ雨粒と同化する。
足下では飛沫が上がり、その表情もそれに劣らず、水浸しだった。
「おはようございます!」
毎朝すれ違うお爺さんは、さすがに傘を差しながら走っている。
お爺さんはまたか、という顔をして……というよりは、傘も差さず、
びしょぬれで走っているのを訝っているのだろう。
「合羽くらい着なさい!」
と(どうやら心配しているらしい)、一言だけ忠告を返す。
晴れやかな気持ちはそのままに、体は冷えきり、心だけが温まる。
そのまま町内を5周して、自宅の前で足を止めた。
「んんっ!」
ぐいっ、と頭上に両手を組んだ状態で伸びをし、ぐっ、ぐっと横に倒す。
そのまま前に上半身を倒して、もう一度上に伸び上がる。
「ん〜っ!」
ぱ、と手を離し、今度は上半身を左右にひねる。 くっ、くっ。
続いて屈伸運動。ぐっ、ぐっ、ぐいっ、ぐいっ。
そうして整理体操を終えると、けほっ、と席をする。
「へくしっ!」
そして、震えながら家の中に入る。わき上がる寒気に抗いながら。
「はくしょん、ふぇーっくしょん!」
水枕を頭に、寝床の中で寝込んでいる。
早朝から冷たい雨粒をその身に浴びたのだ。無理もない。
げほげほげほっ、と辛そうに咳に悩まされながら寝込み続ける。
会いたくても、この体では動くことができないのを後悔しつつ。
「雨の日にまで走るんじゃなかった……」
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えーと、私はこういう奴です。いきなり自己パロに走ってます。
T-star-reverseと言う者を、かさねて、お見知り置きください。
……葵ちゃんSSです。それ以前にも、以後にもなさそうです。
……初めての書き込みで、いきなり自己パロに走ったことで、ちょっと
ばかり怖がってます。ええ。たぶん。
……こんなまとも(じゃないです。ぜったいまとも)じゃない
SSも、そう何度も続くとは思いませんが……よろしくお願いします。