Pia Leafへようこそ!? 投稿者: Rune
 さーさー、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
 柳川祐也、初のギャグ主演!(か?)
 今回もあなたを、ノーサツしちゃうわよんっ!
 では、めくるめく陶酔の世界へGOっ!(途中から語り口調が変わってるのは内緒!)

「遅い。遅いぞ、耕一の奴」
 柳川祐也はアルバイトをしようと考えて、駅の前で親友の柏木耕一と待ち合わせをして
いました。
「遅い」
 いらいら。
「遅いな……」
 いらいらいらいら。
 仕方がないのでその辺の罪もない一般市民を男女の別なく虐殺せんと変身を始めた時。
「おーい。待ってくれよぉぉー」
「遅い。遅いぞ柏木耕一」
「へへ……悪い悪い。待ったか?」
「遅いと言われて理解らんのか?」
「いやー。だってLF’97で『先生、今夜一杯お付き合いいたしますからチェンジよろ
しく』とか言われるとねぇ」
「……………………」
「人気者は辛いね。誰かと違って」
「柏木耕一……」
「何?」
「貴様を、狩る!!」(血涙)
「ひええええー」(逃走)
「待て! 逃げると殺す! そこへ直っておとなしく死ね!」
 走り始めたその時。
『どっしーん!』
 慌てていたためか、誰かにぶつかってしまいました。
「う、くっ、……何者だ? むっ、この感触は――」
「ちょ、ちょっとぉ! どこをさわってるのよぉ!」
 画面一杯のCG。
 ワンピース姿のセバスチャンが尻餅をついています。
 勿論、お約束のパンチラです。
 ……ブリーフだけどね。
「あ、いや、その、これは――」
「いやっ、変態っ、近寄らないでっ!」(ばちいん!)
 戦後日本を震撼させた痴漢撃退の平手!
 ……とても効果的です。
「俺のクールなイメージがぁぁぁ……」
 そう末期の悲鳴をあげながら、彼は倒れ込んでいくのでした。
 しかし、彼は知りません。
 この後に待つ、真の恐怖を……

テロップ「作戦1」(2があるのか?)
テロップ「あなただけに……」

「よお、どうにか間に合ったみたいだな」
 息も絶え絶えといった状態で面接の控え室に走りこんできた祐也に、耕一がにやにやと
笑顔を向けた。
「駅前で変な男に捕まってな……」
「そうか。まあ、どうでもいいんだけどさ……へへへ……」
「どうした、柏木耕一。そんなだらしない顔をして」
 祐也はそこまで不審げに言ってから、よく考えれば耕一はもともといつもだらしない顔
をしていることに思い至るのだが。
 それはさておき、耕一は隣に腰掛けた祐也の脇腹を、こっそりと肘でつついた。
「何だ、柏木耕一」
「へっへっへ……お前は誰が出迎えてくれたんだ?」
「む? いや、確か松原葵とかいう酔っぱらいの女だったが」
「酔っぱらい?」
「ああ。ビールを片手に酔拳とか言ってじゃれついてきたのでとりあえず狩っておいたが」
「うーん。よく理解らないが、楓ちゃんと初音ちゃんじゃないんだな?」
「楓と初音……? ああ、猫耳したのと犬耳したのか。遠くから見たが」
「そうそう! 彼女たち、結構良くないか?」
「いい? 何の話だ?」
「へっへっへ……そりゃあ決まってるじゃないか柳川……アレだよ。アレ」
 下品な手つきをする耕一に、祐也は哀れっぽい視線を向ける。
「貴様……ロリコンだったのか」
「高1と高2はロリじゃないだろ」
「設定に無理があるとは思わんのか?」
「無理があろうとなかろうといいんだよ! 宿命を一度背負った者は、合法でさえあれば、
たとえ犬猫であろうと目につく者全てをゲットしなくちゃいけないという世界法則がある
んだからよぉっ!」
 大丈夫か、耕一?
「まあ……貴様の趣味にケチをつける気はないが……『獣の力』を無意識に発動するのは
やめておけ。既にズボンが半ズボンになっているぞ」
「お? ほんとだ。サンキュ」
 礼を言って、耕一はいつの間にか浮かせていた腰を椅子に沈めた。
 ついでにぼそりと呟く。
「……まあ、はみ出すのは後でもいいよな」
 何をだ?
 祐也が突っ込むかどうかを真剣に躊躇っていると、
「えーと、次の方ー。柳川さんー。それと、柏木さんー」
 面接の順番が回ってきた旨を伝える声が、二人に届いた。
「よし。では、いくか」
「おう」
 立ち上がる祐也に、耕一は力強く頷くのだった。

「えーと。私がこの店のマネージャーを務めている相田響子です」
「あ、どうも。柏木耕一です」
「……柳川祐也です」
 面接室は、意外に簡素なものだった。
 簡素と言うよりはむしろ、殺風景である。デスク一つに、椅子が5つ。
 デスクには勿論、響子が座を占める形だ。祐也と耕一はコンクリート床の血痕越しに、
彼女と向かい合う形で――
 ……………………
(血痕?)
 胸中で小さく呟いてみたりする。
 何にせよ、隣の耕一は特に気にも留めていないらしかった。
「俺はこいつと同じ高校3年生で……」
 既に血走った目でまくし立てている。
 とんとん、とデスクの上のまな板で肩を叩きながら、響子がふう、と溜め息をついた。
 そして、口を開く。
「面接の方法は簡単です」
「ちなみにチャームポイントは26センチの……はい?」
「これから、幾つかうちに関する基本的な質問をします。これに全て正解すれば、明日の
新聞に行方不明の記事が載らずに済みます」
(行方不明?)
 やはり声には出さない祐也のことはお構いなしに、耕一はぶんぶん首を縦に振っていた。
「いいですか? では第一問。
『さおりんといっしょ』の雫部門キャラクター人気投票で1位を獲ったのは?」
 響子の問いに、二人の声がハモった。
『新城沙織』
「正解。では、次の問題……というか、アンケートですね。
『ふきふきは正当ヒロインの証である』、これについてあなたはどう思いますか?」
「はっはっは。当たり前じゃないですか。さおりん然り、楓ちゃん然り、マルチ然り!
 Leafのメインヒロインにのみ許された行為ですよ――」
 ごりっ。ぼとっ。
 妙な効果音に眉を顰めて、祐也は隣の耕一を見やった。
 否。耕一はそこにいなかった。
 首の切断面が、きれいに見えている。
 一瞬遅れて、耕一だったものが、ぴゅーぴゅー赤いものを吹き上げた。
 その液体の向こうには、液体の色と同じ色の髪を黄色いリボンで結んだ少女が、包丁の
血糊と脂をぺろりと、さして旨くもなさそうに舌を這わせている。
 おもむろに、響子が祐也の方に視線を向けた。
 あなたも死ぬ? と言わんばかりに。
「ふっ。面白い……受けてたってやろうではないか!」
 彼はこーゆー奴だった。

 結局、決着は着かず、その根性が認められて採用決定になったことのみ記しておく。

 次の日。祐也はウェイターの服を着て、一応先輩格(?)の松原葵に、メニューの内容
について、教えを乞うていた。
「ええと、サイコロステーキはこの機械の、この赤ボタンを押して下さい。で、かき氷は
こちらのボタンです」
「かき氷……シロップの注文はどこに記憶させるんですか?」
「シロップ?」
「かき氷ならいちごシロップとかメロンシロップとか種類があると思うんですが」
「さあ? ここは一種類しかないみたいですけど……私、どっちかっていうとバーボン党
だから、よく理解んないんです」
「全然関係ないだろうが、その理由はっ! しかもまた飲んでいるな!? 公務員の前で
いい度胸をしているなっ! 未成年だろうが、貴様はっ!!」
 だからお前は高校生なんだよ。柳川。
「私酔ってなんかいませんよ〜。ちょっとウォッカを3瓶ほど空けただけです〜」
「酔わん筈があるかぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」
「それはさておきシロップですけど」
「話を戻すなっ!」
「厨房に行って訊いてこられたらどうですか?」
「厨房、だと?」
「ええ、今頃はシェフの方がいらしてると思います」
「ほう」
 フロアから厨房のある方を見る。こちらからは死角になっていて見えない。
「ふむ。そちらの方が早いかも知れんな」
「早いですよ、その方が」

 適当に松原葵を血祭りに上げた後、祐也はコンクリートの床に足を踏み入れた。ここは
内装が手抜きしてあるようだ。全く飾り気のない灰色の床と壁には赤茶色の染みが点々と
――
 ……………………
(何の染みだ?)
 知らない方が幸せになれると思うぞ。
「まあいい。それよりもシェフさんはいらっしゃいますか?」
 ドライな柳川の呼びかけに――
「はーい」
 そう答えて奥から現れたのは――
 実に愛らしいメイドさん風ウェイトレスコスチュームを纏ったセバスチャンだった。
 見つめ合う二人。
「貴様……まあ、こういう展開は予測がついていたがな」
 呟く祐也に、セバスチャンは頬を染めた。
「運命的ね、あ・な・た」
 その言葉に、祐也も頬を赤らめ――
「ているわけないだろうがっっっ!!」
 ざしゅうううううううっっっ!
 振り返りざまに作者を一薙ぎすると、びしり、と祐也はセバスチャンに人差し指を突き
つけた。
「ここで遭ったが百年目だなっ!」
「百年の濃いが今成就するのねっ」
 恋じゃないんかい。
「というわけで即座に死ねぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!」
 躍りかかる祐也に、セバスチャンはがばっと両腕を拡げた。
 もともとサイズの合っていなかったコスチュームが、胸からびりっと破れ飛ぶ!
「遭いの包容よーーーーーっっっっ!!!」
 愛じゃないんかい。
 今二人が組んず解れつの肉弾戦(いやん)を開始せんとしたまさにその時!
「駄目よっ!」
 一喝が、二人を弾き飛ばした!
「なっ!?」
「あ、あんたは!?」
 二人が同時に叫ぶ。
『柏木千鶴!』
「そのとーりっ!」
 ぐい、と親指立てて斜め45度のポーズで肩を突き出すような感じで千鶴は応えると、
「ずるいじゃない、セバスちゃん!」
 と糾弾した。
「何が?」
 と、こちらはよく理解らないといった面持ちでセバスチャン。
「決まってるじゃない!」
 憤然と千鶴はセバスチャンにくってかかった。
「厨房で私よりも先に男の子をたらし込むなんてっ!」
「だって私、あなたよりバストあるから」
「関係ないでしょっ!?」
 それ以前にバストってそういうものか?
「関係あるわよ。オンナとしての魅力ですもの」
「何よ! ウェストなんか私よりもぶっといくせに!」
「あー、ひどーい! 私の気にしていることをー!」
 ぷう、と頬を膨らませるセバスチャンに、千鶴はすらりと包丁を抜きはなった。
「決着を着けましょう、セバスちゃん」
 その言葉に、にい、と凄惨に恥じらいを浮かべるセバスチャンが応える。
「あなたの死をもってね!」
 対峙する二人。
 そこへ、更に制止の声が入った。
「駄目よっ! 二人ともっ!」
 そして、別の包丁がコンクリートの床に突き立つ!
 もとい!
 ぶしゅううううううううっっっっ!!!
「うおおおおおおお!!!???」
 傍観を決め込んでいた祐也の足を貫通して床に縫い止めた!
「今は仲間同士で争っている場合じゃないわ!」
 そう言って現れたのは赤毛のエプロン少女――
『神岸あかり!?』
 その声にあかりはふぁさりっとエプロンをなびかせて縦に一回転してVサイン。
 そして、続ける。
「かき氷の注文が来たわよ!」
 ぱあっ、と二人の顔が輝く。
『よっしゃあああああああ!!』
 叫んで、二人は同時に祐也の顔に裏拳を入れる。
「じゃあ、私は氷を切り刻んでくるわ!」
 駆け出していく千鶴に、セバスチャンは応えて、
「じゃあ、私、シロップを作るための用意をしておくね!」
 そーいえば、かき氷のシロップのことを聞きに来たんだっけ。
 朦朧とした頭で、祐也は考えた。
 まあ、もう、どうでも、いい……

 どうでもよくなかったことに気づくのは、それから数秒後のこと。
 シロップはホットミルクの一種類しかないことを悟ってからである。

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 やってしまいました(笑)。本当は男盛りとか人肉パフェとか、色々盛り込んでいたの
ですが、長すぎると友人に指摘されたのでこの形態に留まっています。
 描写は色々リアルなものを盛り込んでいたのですが、想像に任せるのも一興と思って、
必要最低限なものだけになるよう削ってしまいました(笑)。
 あんまり自信作じゃないです。詰まらなかったらすみません、です。今、ちっと自分の
面白さを感じる感性が麻痺っていますんで、駄作の場合は厳しい意見を是非頂きたいです。
 実は、身辺もネット上も立て込みまくっていたりして……
 この伝言板をかつていらん風に騒がせた「Lメモ」のHPを制作中です。そっちと並行
して、今はセバスチャンのSSを書いていたりします。
 ああ、でも! でも! ネクストキングものを書きてえぇぇぇぇ!
健やか「配役は?」
 全てセバスチャン!
健「あのなー」
 2も出るって話だし! くそー! 絶対かっこいいぜネクストキングっ!!
健「まだOPしか見てないくせに」
 しくしくしくしく……

http://www.asahi-net.or.jp/~iz7m-ymd/leaf/masata.htm