機械人間(「競作シリーズその弐NTTTVSその他大勢」「お題:会話文のみ」) 投稿者:N.T. 投稿日:5月18日(木)13時01分
「ねぇ、セリオぉ」
「はい、なんでしょうか、綾香様」
「最近、あなたいろんな表情を見せるようになったわねぇ」
「――そう、でしょうか?」
「なんとなくだけどね。そう感じる。自分では気づいてないの?」
「特には……」
「つまりは自然に出ているって事よね。いいことじゃない」
「ですが、もしそうだとしても、それはこれまでの動作時間ないに得られたデータの集
積に過ぎません。言うなれば人間の物まねに過ぎません」
「いいじゃない、人間だって物まねから始まるのよ。そういう意味ではどんどん人
間に近づいているのかもしれないわね」
「人間に近く……ですか?」
「少なくとも前よりは随分柔らかくなったような気がする。楽に話しが出来るよう
な感じなのよ」
「ですが……私はただのロボットです。マシンなのです」
「人間になりたくはない?」
「そう思ったことはありません。ただ、人間に近くなることで綾香様や他の方々と
のコミュニケーションが円滑になるのでしたら、それは望ましい変化だと思います」
「その辺りはまだカタいのねえ」
「申し訳ございません。ですが、やはり私は機械である以上完全に人間の様に振る
舞い、人間と対等に付き合うというのは不可能であると思われます」
「少なくともわたしはそうは思わないわ。あなたはわたしの大切なお友達ですもの」
「綾香様……」
「機械だとか人間だとか関係なくなる日が来るのかもしれない。あなたを見ている
と、それも不思議じゃないと思うんだけどなぁ」
「――そんな日が来るのでしょうか。私の妹たちはそうなるのでしょうか」
「今はまだ、機械と人間の間にはすき間があるけどね。でもあなたたちがそのすき
間を埋めていくのかもしれないわね」
「マシンとマンそのすき間を埋めるのですか……?」

「ドルフィーーーン!」
「せ、セリオ!? 何? この大野雄二ライクなサウンドは? あ、『すごいマシン』
が飛んでくる! しかも、あの胸に輝くMマークは!」
「星雲仮面マシ……」
「みなまで言うなー!」
「そんな事をいってはいけません、とても説明口調なマキさん」
「誰がマキさんじゃ!」
「くっ、そういう暴力的な人間には『カタルシス・ウェイブ』!」
「あんたのは手からじゃなくて人工衛星からでしょ!」
「仕方ありません、レーザーサーベル!」
「やめい!」
「ま、まだマシンサンダーが……」
「しつこい!」


---------------------------------------------

はじめまして。N.T.と申します。
某サイトでちひろさんや久々野さんにお世話になっております。
で、ちひろさんに影響されて競作に投稿してみました。
これ自体は前にそのサイトに投稿したものの焼き直しなんですが。

……ごめんなさい。こんなんで。っていうかこんなんが私の初投稿かい。

 お目汚しですがよろしくお願いします。

タイトル 『機械人間』
コメント 競作2への投稿
ジャンル ギャグ/TH/綾香、セリオ