「おーい、せ・ん・ぱ・い」 俺は校門の前でぼーっと立ち尽くす先輩に声をかけた。 黒髪をなびかせ、先輩は振り返った。 「今日さ、俺の家にこないか? この前約束した一般人の料理を喰わせてやるよ」 こくこく 「え、是非お願いしますって? よしきた! 腕によりをかけて作るぜ、、、」 ピクッ 「はぁっっっ!! 」 殺気を感じ、俺は空高く舞い上がった。 足下を黒のリムジンが駆け抜けてい く。 俺は、リムジンの屋根、道路の順番で降り立った。 「むぅ、、、なかなかやるな、小僧 」 「へへ、俺をなめるなよ、じじい」 決まった、、、。 「ささ、お嬢様、こんな馬鹿は放っておいて、早くお車に」 、、、。 「な、、、なんですと!! 今からこの小僧の家に行くですと!! な、なりませぬ !! こんな下賤のやからの家にいくなどと!! なにをされるかわかったものではあ りませぬ!! 」 言わせておけば、、、じじい、、、。 「え、なんですと? 食事に招待された? なおさらいけませぬ!! 食事のなかに 何か妙なものでもまぜられでもしたら!! どうなさるおつもりですか!! 」 「おい、じじい」 「かぁっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」 「なんだ小僧!! 口をはさむな!! 」 「なんだったらあんたもこいよ、御馳走してやるぜ(はあと)」 俺は耳栓を抜きながら云った。 「な、、、なにをいうか!! 小僧!! さてはわしの食事に毒を盛って殺した上に 保険金を奪うつもりだな!! 」 くいくい。 先輩がじじいの袖をひっぱる。 「な、なんですか? お嬢様。え? そうさせてもらいなさいですと!? 」 じじいはそれから数秒間動かなくなった。 ゼンマイがきれたか? 俺が背中のゼンマイを巻いてやろうと、近付いた時、、、。 「わ、、、わかりました。 それではお乗り下さい、、、 」 急に喋りだした。 しかも気落ちしてやんの。 「なにをしておる!! さっさと乗らんか!! 小僧!! 」 「へいへい」 家についた。 俺はドアの鍵を開け、玄関に先輩を招きいれた。 「さ、あがってよ、先輩。 」 こく 先輩はゆっくりと靴を脱ぎはじめる。 「お嬢様! こんな汚い所で靴をぬいでしまってはお足が汚れてしまいます」 先輩はどうしようかといった感じで俺を見た。 「で、できれば脱いでほしいな、、、これでも一応掃除はしてるし、、、」 こく 先輩は靴を脱ぎ、それを几帳面にそろえた。 じじいはブツブツと何か云っている。 「あ、そうそう、じじい、あんたも脱げよ」 「わかっとるわぃ!! 」 じじいは乱暴に靴を脱ぎ捨てた。 「そんじゃこれから作るから、できるまでまっててよ」 こく 俺は普段着なれないエプロンを身につけ、腕まくりをしながらいった。 もちろん先輩に。 「それじゃさ、そこのソファにでもすわってテレビでもみててよ。 え? なに かお手伝いしますって? いいよ、俺が招待したんだから」 「そうですぞ、お嬢様。 そのような下賤の輩の下賤な料理を手伝うことなど ありません」 仏頂面でつったっていたじじいが云った。 つれてくるんじゃなかったかな、、、。 くいくい 「え、ああ、是非手伝いたいって? そっだな、手伝ってもらおうかな」 こくこく 「それじゃ先輩、このエプロンつかってよ」 こく 俺はお袋がいつもつかっているピンク色のエプロンを手渡した。 「を、いいじゃん、かわいいぜ、先輩」 先輩はうつむいて頬を赤らめた。 後ろでじじいが何か云っているようだが、飄々と聞き流すことにした。 「そんじゃ、始めようぜ」 こく 俺は先輩と一緒に料理をはじめた。 なんか、夫婦みたいでいいな、、、。 俺がそういうと先輩は頬を赤らめた。 しばらくすると、先輩は懐から茶色い小瓶をとりだした。 「せ、先輩、、、それってまさか、、、」 こく。 「え? あのじじいが最近疲れてるみたいだからのませてあげるって? 」 こく。 死ぬぞ。 先輩は瓶の蓋を開けると中身をドバドバと鍋に流し込んだ。 、、、しーらね、、、。 なんだかんだで料理ができあがった。 メニューは 『ごはん』 『みそしる』 『とろろ』 『おろしなめたけ』 そんでもって時期的にははずれてしまうが 『湯豆腐』 まぁまぁの出来だ。 あかりに習っといてよかったぜ。 「よっしゃ、喰うか」 こく 食卓に並べられた、料理の数々。 うまそうな匂い。 美しいまでの見栄え。 とても俺がつくったとは思えない。 ま、先輩に手伝ってもらったわけだが。 「さ、喰おうぜ」 こく。 「変なものは混ぜておらぬだろうな? 小僧。 」 「混ぜてねーよ」 混ざってるけどね。 「ね、せんぱい(はあと) 」 こく。 それから先輩はかしこまって。 「ん? いただきますって? おぅ!! たっぷり喰ってくれぃ」 こく。 と、先輩が料理に手をつけようとしたとき、、、。 「お嬢様!! なりませぬ!! まずは私めが毒味を致します」 そういうと、味噌汁を注意深気にひとくちすする。 数秒後、、、。 「かぁっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」 絶叫をあげた。 「こ、、、小僧!! はかったなぁっっ!」 じじいはそれだけ云うとその場につっぷした 俺は先輩をみる。 「え? また配合を間違えたって? 」 こく。 -おしまい- −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− いかかだったでしょうか? はじめて投稿させていただきました。 NAOKIと申します。 なんとも、勢いだけで書いてしまったものですので、みな さんの反応が不安でゴザイマス。 これからもまたコリずに投稿させていただきたいとおもっ ていまので、どぞ、よろしくおねがいします。http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/8074