ポーカー −口は災いの元− 投稿者:megane 投稿日:3月30日(木)23時47分
参照作品:To Heart
ジャンル:コメディ

  ポーカー  −口は災いの元−

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  最近、ゲームの名がいわれとなっているポーカーフェイスもでき
ないのにこの界隈では最強といわれて久しい。
  志保に言わせれば、単に顔がいつもいい加減だとういうことでこ
ちらの手が読めないというのもあるらしいが、度胸と根性と強運、
そしてなにより実力で勝ってきたのだ。

  もちろんこの俺が何も賭けずにこんなことをやるほど暇じゃない。
  負けたら脱ぐ。
  これは基本であり当然だろう。(ぉぃ
  一応ルールとしてはチップは10枚。
  着る服も10枚。(靴下、アクセサリー等含む)
  チップを1枚取られた時点で1枚脱ぐ。
  全部服を脱がすとお楽しみタイムなのも基本だ。(ぉぃぉぃ
  他は普通のポーカーのルールと同じだ。

   

  さすがの俺でもそこまで鬼畜道を極めたわけじゃない  −全員と
Hしてる時点で十分鬼畜だという輩もいるが−  ので、いきなり俺
がそんなことを始めた訳じゃない。
  始めるきっかけとなった初めの相手は、幼なじみから彼女となっ
たあかりが言いだしたことだ。
  マンネリと化した日常に狂気の扉を開き掛けていたのだろうか?
  それとも、俺が他の娘に夢中であかりにかまってやらなかったか
らだろうか?
  理由はあかりにしかわからないだろうが、確かに最近刺激のなか
った俺達は、早速はじめた。
  10分もしないうちに圧勝。
  俺より顔にでやすいあかりに負けるようなことはない。
  更に言うなら、『神岸あかり研究家』だし。
  あかりもわざと負けたのかもしれないし。
  その日の夜はあかりと久しぶりに燃えた。


  そして翌朝、登校中にあかりが昨日の出来事を頬を赤く染めなが
ら詳細に志保に語った為、その日の内に、学校中にこの『脱衣ポー
カー』のことが広がったのは言うまでもないだろう。

  それからの俺は止まることはなかった。
  日常(To Heart)では味わえないほどのスリルと快感を
ポーカー中&お楽しみタイムで得た俺はエルクゥが血を、女を、欲
するがごときに獲物を求めたし、志保からこの事実を聞いた面々が
挑戦してくるのも早かった。
  上は先輩から下は志保まで。(俺的萌え順位)
  時にはお互いパンツ一枚で真剣勝負という、端から見たら滑稽に
映るだろう苦戦もあったが今のところは無敗できている。
  雅史がしきりに勝負をしようと挑んでくるのが恐かったが・・・。

  1ヶ月で綾香&理緒ちゃんのオマケキャラも制覇し、そろそろTo
 Heartではチョイ役ではあるが、ロリーな俺としては外せない
『痕』に出演している初音ちゃんに触手をのばそうとしていたそんな
ある日・・・

「だ〜ぁれがオマケですってぇぇ・・・?」
  つい先日俺に負けてぶるまー姿で(おたのしみタイム時に)息を荒
げていた綾香が、今日は拳を突き出し息を荒げていた。
  それにしても人の思考を読むとは、さすがエクストリーム女王。
「あ、危ないなぁ〜、綾香ぁ」
  この前の綾香の痴態を思い出し、今の状況にそぐわない緩みきっ
た声と顔で答える。
  家宅不法侵入であるのも気にしないでおこう。
「きぃぃっ・・・ムカツクムカツク、ちょ〜ムカツク〜」
  俺のそんな態度を見てどこぞの同人誌の女王のようにむかついて
る綾香。
  うぃやつよのぉ〜。
 「で、今度はネコミミになりにきたのか?」
  そんな綾香を冷静、かつ、邪まな視線で見ながら、俺の家に来る
女はみんな勝負をしにくると思っている俺は次のコスプレの注文を
言う。
 「ね、ネコミミ・・・あんたってそういう趣味があったのね」
 「もちろん。で、どうなんだ、勝負するのか?」
  即答する俺に戸惑いを隠せないながらも自分の隣に視線を移した。
「もちろん。リベンジよ。来栖川が誇る彼女がね」
  さっきから気づいてはいたが、綾香のセリフを聞いて無表情の中
にもどこか迷惑そうな顔のセリオをがいた。
  
  

  俺の部屋に二人 −正確には一人と1ロボットだが− を招きトラ
ンプを机の中から出す。
  普通なら勝負する人に脱いでもらうのだが無表情なセリオを脱が
しても面白くないので、負けた場合は綾香が脱ぐということで話を
つけた。
  ディーラーは俺。
  綾香とは違い顔にでないため最初から本気をだすことにする。

  本気とは・・・
  いいんちょ〜との対戦時に、彼女の気合に押され劣勢を強いられ
た時に『ぢょぢょに綺麗な宝剣』ででたあるイカサマを思い出した
のである。
  素人では難しい技ではあったが、いいんちょ〜の胸を凝視するこ
とにより注意をそらせ、つたないイカサマで辛くも勝利した。
  それからはこの技を磨いて、ここぞ!!と言う時に使い勝利を収
めていた。
  あまりこの技を多用するとスリルを感じれないし、なにより何度
もするとバレる可能性大なので一人一回が限界なのだ。
  これが、最初に述べた実力というやつである。
  先輩の表情さえも読める俺がセリオからは何も感じれなかった。
  それが、最初から本気を出さざるを得ない相手だと認識した。

  トランプをゆっくりとシャッフルし、セリオ、俺の順番で一枚ず
つ配る。
  よし、この調子だな。
  いつもよりも慎重にカードを配っていく。
 「イカサマは有りなんですか?」 
  3枚目をセリオに渡そうとした時に、セリオが俺の指をぎゅっ、
とつかみつぶやくように俺の不正を指摘する。
 「い、イカサマだなんて。そんなこと俺がするわけな・・・」
  内心の動揺をその場しのぎの嘘で誤魔化そうとしたところで握っ
ている俺の手に凄まじい圧力がかかる。
 「わ、わかった、わかったから離してぇ」
 「イカサマって・・・浩之・・・」
  情けない声を上げる俺を冷ややかにみるセリオと激昂する綾香。
 「イカサマはばれなきゃイカサマじゃないのさ」   
  情けなさをカバーするように強がりを言ってみせた。



  −数十分後−

 「浩之さ〜ん、お久しぶりですぅぅ〜」

  さっきのセリフで火に油を注いだ俺は綾香にたこ殴りにされたあと
ディーラーを誰にするかでもめたが、共通の知り合いであるマルチに
やってもらうことで話しがついた。
  家にはやはり一人ではたどりつけず、セリオに迎えに行ってもらっ
たのは言うまでもないだろう。

  なでなでも、抱擁も、ふきふきも(笑)することなく、俺の部屋に
いくまでに詳しい事情を説明した後、マルチにカードを配らせる。
  
 「じゃぁ、よろしくね。マルチ」
 「お願いします、マルチさん」
 「頼むぜ、マルチ」
  二人と同じようなセリフを吐きながら、俺はマルチに目で合図した。
 (わかっているだろうな。セリオにはストレートフラッシュ崩れの
手を渡すのだぞ)
 (了解ですぅ〜、あとで、なでなで&ふきふきのオンパレードをよ
ろしくお願いしますぅ〜)
  芹香先輩の次にマルチを攻略&調教済みであった。
  さっきも言ったが、イカサマはばれなきゃイカサマじゃないのさ。


 「俺はこれでいい」
  カードがお互いに5枚ずつ配られた後、俺はカードを見ずにどこ
かで聞いたようなセリフを言った。
  マルチに俺の方にはロイヤルストレートフラッシュが来るように
指示しているのだから見る必要がないのだ。
 何を考えてるの、このお馬鹿は?という綾香の視線を受ける俺。
  そんな俺達には全く関心なさそうに一枚だけカードをチェンジする
セリオ。
  とりあえずチップを1枚出しカードを伏せる俺。
  同じくチップを出しカードを伏せるセリオ。
  端から一枚めくる度に1枚ずつチップを上乗せて3枚目を開いた
状態だ。
  俺はハートの1、K、Q。
  セリオはダイヤの2、3、4だ。
  セリオがブラフなのはわかっている。
  一気に3枚上乗せした。
  セリオもこれに応じる。
  同時に、4枚目をめくった。
  ハートJ、ダイヤの5がそれぞれ表に向けられる。
「い、イカサマよ、マルチにイカサマをやらせたのね」
  あまりに常識外なこの状況にまた綾香が叫ぶ。
「おいおい・・・マルチがそんなことしてもしょうがないだろう?」 
  しょうがないことないんだけどね。
 「綾香様、大丈夫です。私の勝ちですから」
  ウォーズマンもびっくりの微笑をこちらに向け、さらに4枚のチッ
プを出しこちらを伺うセリオ。
  こ、こわいぞ、セリオ・・・。
  心配になった俺はマルチにもう一度確認の目線を送る。
  (本当にセリオにはデタラメなカードを配ったんだろうな?)
  (も、もちろんですぅぅ、そんな恐い顔で見ないでくださいぃぃ)
  むぅ。
  すると、あのセリオの自信に満ちた態度はなんだ?
  すり替えたのか?
  いや、そんな素振りは全く見せなかった・・・
  ここで、勝負を下りてみすみす全チップの半分以上を持っていかれ
るのはわりに合わない。なにより、ここで下りたらマルチを信用して
いないことになる。  
  勝負だ。

 「今回はおまえら二人の絡みでも見せてもらうことにするぜ。勝負」
  思い立った妄想を口にし、残り4枚のチップを出し勝負に応ずる。

  くすっ、愚かな人・・・
  そんなセリオの声が聞こえたような聞こえなかったような・・・

 「ではわたくしの方からめくらせていただきますね」
  言うとほぼ同時に、白く細い指が最後のカードをひっくり返す。
  そのカードは・・・
  スペードの2だった。
  よっしゃぁぁぁああ!!
  勝ったぜぇぇぇぇえ!!
  マルチを信用して良かった。
  これで綾香とセリオの鼻血ものの絡みが見れる。
  くんずほぐれず・・・
  ウハウハワールド全開だぁ・・・
  おっと、それじゃぁマルチへのお礼はまた別の日にしなくちゃな。
  あ、それともレズ3Pってのも・・・

 「藤田様もカードをめくられてはいかがですか?」
  卑猥な妄想に突っぱしっていた俺に、セリオが自分で自分の死刑宣
告とも言える言葉をかけた。
 「あ、あぁ、そうだな」
  妄想の世界にまだ半分つかったまま俺はカードをめくった。 
  ん?
  黒いマークが見える。
  もう一度よくカードを見る。
  そのカードはどこからどう見てもハートの10には見えなかった。
  クローバーの4。
  それが俺の最後の手札だった。
 「な、な、なにぃぃぃ!!」

 「わたくしの勝ちですね。2のワンペアーですから」
  驚愕の表情でマルチの方を睨み付けていた俺の耳にセリオの冷静な
声が無情にも届く。
 「マ、マルチ!!なんでこんな大事な場面で・・・」
 「ずびばぜ〜ん〜びろゆぎざ〜ん」
 「確認しなかったあなたのミスです。藤田様。あと、わたくしと違
いHM−12型は学習型なので、現時点では完璧なメイドロボではあ
りませんから。しかも試作機であるマルチさんにあんな高等かつ繊細
さ、更に長時間の訓練を要するイカサマをさせるなんて無茶です」
 「くそっ。しかしわからない。なぜ2のワンペアーで勝負しようなん
て思ったんだ?もしかしたらKのワンペアーとかがこちらにもできる
可能性は0ではなかったはずなのに?」
 「その可能性はないです。マルチさんがシャッフルしている時にト
ランプの順番を見ましたから」
 「はいぃっ?な、なんだって?」
 「ですから、シャッフルの時にすべてのカードが見えたと申し上げ
たのですが」
 「シャフルの時に見えただとぉぉ?」
 「はい。来栖川のCCDカメラの性能はそんじょそこらのものじゃ
ないですから」
 「そ、そんなのイカサマじゃねーか」
 「はい。そうですけど。数分前に『イカサマはばれなきゃイカサ
マじゃない』というデータを藤田様からご教授願いましたから早速
実行に移したたのですがお気にめさなかったでしょうか?」
  しらっと言うセリオにふてぶてしさをとてつもなく感じるが、自
分で言っただけに否定できない。 
  イカサマを見抜けなかった俺の完敗であった・・・
 
						END

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おまけ

 「ふっふーん、さて、罰ゲームはどんなのにしようかなぁ♪」
  俺とセリオのやり取りを端で見ていた綾香の目つきは舐めるよう
で、少しゾクゾクっとした。
  しかし、まぁ、負けたとはいえ綾香に何かされるなら、たまには
こういうのもいいだろう。
  結構美人だしな。
  先輩とは違った魅力があるし。
  勝っても負けてもウハウハ状態なのがいい。
 
  ちょっと被虐の期待に満ちた瞳を二人に向けると綾香に耳打ちを
するセリオがいた。
 「藤田様の・・・言葉・・・よ・・さと・・・・との宴・・・」 
 「あぁ、それいいわねぇ」
  セリオの提案に納得すると携帯電話を取り出しどこかにかける綾香。
  すぐに通話を終え、俺の方を再び妖しい目つきで見る。
 「決まったわ、あなたをどうするか。とりあえず腕を後ろに回し
て。縛るから」
  おいおい。
  緊縛プレーか?
  綾香も結構好き者だなぁ・・・
  なんて、考えてるうちに目隠しまでされてしまった。
  さらに目隠しプレー・・・
  ディープな趣味してるなぁ・・・
  ドキドキドキドキ・・・  
  これからされるであろうことに心臓が高鳴る。  
  が、なにもされないまま時間が過ぎる。
  数分後・・・

 「さて、ヒロユキくんはどうされたいのかなぁ?」
  どこか人を小馬鹿にするようなものいいで、Tシャツごしに俺の
胸に手を這わせる綾香。
  その途中、部屋のドアが開いたような気がしたがセリオが出てい
ったのだろうというくらいにしか考えなかったし、考える余裕もな
かった。
  胸を愛撫することに飽きたのか徐々にその手が下へと下がっていく。
  だが、肝心なところは避けて太股、脹脛の順に手が動く。
  まだ服ごしだというのに、それだけで俺は我慢できそうになかった。
  
 「ふふ〜ん。ちゃんとしてほしい?」
  綾香のサドの気に俺の被虐心が目覚めたのか、俺は恥も外聞も捨て
何度も肯いた。
 
 「くすっ・・・じゃぁ、してあげる。私じゃないけどね。」
  セリオが相手なのか?
  誰でもいいから早くして欲しかった。
 「見せてもらうわ。薔薇の宴をね」
 「ヒロユキぃぃ・・・やっと僕たち、結ばれるんだね♪」 




  俺は新しい世界の扉を開くことになった。

					BAD END?

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後書き・・・というより宣伝
私のつたない文章が収められているサイトがやっと形になったので
宣伝させていただきます。
ここには投稿できないような、ちょ〜短いSSや、タクティクスがMix
されたSS等を置いております。お暇であれば来て下さい。

http://sapporo.cool.ne.jp/meganelove/hp.htm