vladさん、無口の人さん、NTTTさん、takatakaさん、たろすけさん、感想あり がとうございました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 『フジヒロの女』 今日も今日とて、矢島は口説く。 「あ、あかりさん・・・」 学校を取り囲む塀の金網際まであかりを追いつめる。 「オレ、あかりさんが・・・」 「だめっ!!」 (ドップラー効果希望) その横を向いたあかりの首筋に「藤田浩之」とプリントされた文字が。 「!?」 「御免なさい・・・駄目なの・・・」 呆然と立ち尽くす矢島を余所に、あかりは去っていく。 「お、お、おのれ・・・藤田浩之っ!!」 その場で絶叫する矢島。 だが、彼は知らない。 去り際にあかりの口元が歪んだことを。 クスッ・・・。 ・ ・ ・ その頃、 「ねぇ、ヒロ。それ、耳無し法一?」 「ほっとけ・・・」 教室では身体中の隅々まで、赤の油性ペンで「あかり」と書かれた浩之が机にうっ 伏していた。 <おしまい> 『脇役達の放課後』 坂下と矢島がいた。 「なぁ、坂下」 「何、矢島?」 「最近、オレ達、苛められてないか?」 「そうよね」 「ここは復讐するしかないと思うんだが?」 「どうやって?」 「主人公やヒロインを一切排除したTHにするんだ」 「え?」 「そうすればもう、藤田の野郎なんか目じゃないぜっ!!」 「そうかしら?」 「ああ。これならオレが主人公、お前だってヒロインになれるぜっ!!」 ・ ・ ・ 数年後。 「なぁ、あかり」 「何、浩之ちゃん?」 「葉書届いたんだけど・・・ほら・・・『結婚しました 矢島』って」 「本当だ・・・でも、隣の人・・・」 「ああ、こいつ確か葵ちゃんの先輩の・・・」 ・・・これでいいのか? <おしまい> 『強い女』 「誰か強い相手いないかしら・・・」 トレーニングを終えた綾香が愚痴る。 「――ひとり、いらっしゃいます」 「あ、セリオ。誰?」 「――名前、シンディ宮内。年齢、28歳。職業、・・・」 「いいから、どう強いの?」 「――空手8段、合気道6段、柔道7段に加え、護身術や、シュートボクシングなど 、幅広い趣味を持っていて・・・」 「へ〜え・・・どれどれ・・・」 ・ ・ ・ その夜。 仕事帰りのシンディが夜道を歩いている。 「!?」 シンディが気配を感じて、足を止める。 「勝負っ!!」 ドキューンッ!! シンディの勝ち。 <おしまい>