ツメアト(「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」) 投稿者:NTTT 投稿日:5月16日(火)18時49分
「へえ、ギター、うまいっスねえ」
「…昔、軽音やってたからな」
「なんか、想像つきますよ。柳川さん、カッコいいっスから」
「よせよ。昔の話だ」
「いや、今でもサマになってますって」
「…他に聴きたいの、あるか?」
「あ、最初の奴、もう一回。いい曲でしたし」
「その前に、何か飲むか?ビールしかないけど」
「あ、俺、部屋からウィスキー、取ってきますよ」
「…やめとけ、また殴られるぞ」
「いいんですよ、あんな奴。それに、耄碌してるから、ウィスキーの一本くらい、気づきませんって」
「…いいから、やめておけ」
「は、はい…柳川さん、時々、そういう顔しますね」
「顔?」
「なんか、すっげえ迫力あるから…」
「そうか…」
「ゾッとする時、ありますよ」
「…すまん」
「いや、別にいいんですって。やっぱり、刑事さんは違うなって、そう思いますし」
「そうか…」
「でもね…」
「でも?」
「あ、柳川さん、こっち向いて、もうちょっと顔上げてもらえますか?」
「こうか?」
「そう、そんな感じで…」
「お、おい、何を…!!」

「………」

「………」

「………」

「………」

「…どうです?」
「……」
「男に、キスされるとは、思ってませんでしたか?」
「……」
「案外、慣れてませんよね、柳川さん」
「…こ、この…」
「殴りますか?殴ればいいっスよ、あいつみたいに」
「……」
「俺が、あの野郎に何されてるか、薄々感づいてるんじゃないんスか?お偉い刑事さんですしね」
「……」
「同情だけはね、して欲しくないんスよ。こんなキスくらいで、オタオタするような人には、特にね」
「……」
「ウィスキー、取って来ますから。覚悟が決まってないんなら、鍵閉めといて下さい」
「…貴之…」
「じゃ、取って来ます。あ、さっきの、続きですけど、でもね、あんたみたいな人をね、とことん地獄に
落としてみたいんですよ、俺は。どっちが先に、地獄に落ちるか、見当がつかなくて、ゾクゾクしてる
んですよ、今」
「…た…」
「すぐ帰って来ますよ、俺は。それじゃ」



「…貴、之…」


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会話パターン8:やお系