注射(「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」) 投稿者:NTTT 投稿日:5月15日(月)19時27分
「今日は、姫川部屋の琴ケ関親方に解説をお願いします。琴関、はじめまして」
「…はじめまして」
「さて、今場所は、なかなか波乱の多い場所になりそうです。横綱の熊ノ井が昨日の試合で取りこ
ぼして、これで星6つが三人並んでいる状況ですからね。この先の展開が、なかなか予測つかなく
なってきました」
「予知…できますよ…」
「さすが現役時代に無敗を誇った琴関。言うことが違います。さて、琴関の優勝予想は、番組の最
後でお送りしますので、皆様、チャンネルはそのままで。では、今日の取り組みをダイジェストでご
覧ください。あとのない熊ノ井は、果たして今日は勝ったのでしょうか」

「西前頭3枚目、カリフォルニア出身の宮乃内、今日は宿敵、東前頭4枚目の、保科との一戦で
す。琴関、保科と宮乃内は、どうしてああも仲が悪いのでしょうね?」
「…二人とも、似ていますから…」
「そうですか?あまり似ているようには感じませんが?」
「…あの…胸が」
「ああ、ある意味カブったキャラですからね」
「…はい」
「今までの所、対戦成績は5分と5分。ただし、宮乃内は前場所、弓取り式の弓でトキを射って謹
慎処分を受け、欠場しております。琴関、宮乃内は、時々凶暴になるようですね。やはり毛唐には
伝統ある日本の国技は向いてないということでしょうか?」
「…注射の、せいです…」
「なるほど。さて、制限時間いっぱい、待ったなしの状態から、ハッケヨイ!宮乃内、低い態勢で頭
を保科の胸に付け、渾身の力で押しております」
「…潰す、つもりです」
「対する保科、両の手でまわしを取って、こらえた、と、ここから投げに変化します。このあたり、保
科、なかなか頭を使ってますね」
「…でも、ここで眼鏡が、ズレてます…」
「はい、ズレた眼鏡を直そうとした隙に、片手を取られて、送り出されてしまいました。決まり手は、
送り出し。これで保科、痛い黒星です」
「…土俵に上がるのに、眼鏡、しない方がいいですね」
「いや、全く」


「さて、次は小結、松ガ原と、関脇、綾栖川です。琴関、最近、綾栖川は調子が上がっているようで
すね」
「…変に、人気ありますから」
「そうですね。対する松ガ原は、最近、伸び悩んでいるようです。どうも松ガ原は、格上の相手に対
して、極端に弱気になることがありますから、思いきってぶつかっていく姿勢が欲しいところですね」
「…注射の、せいです…」
「そうですか。その松ガ原、自分の頬を思いきり張ってから、土俵に上っていきました。これは期待
できそうです。時間いっぱい、待ったなし、ハッキョイ!強引に張っていきます、松ガ原。張った、張
った、一直線に攻めます、松ガ原。と、綾栖川、土俵際で体をかわして、決まり手は、引き倒しで、
綾栖川。琴関、松ガ原、惜しかったですね。直線的すぎましたか?」
「…綾栖川が、強かったんでしょう」
「いや、全く。今場所の綾栖川、絶好調ですね。やっぱり、姉の芹栖川が引退したことで、何か、心
に思うところが、あるのでしょうか」
「…仲、悪いですよ、あの姉妹…」
「そうですか」


「さて、今日、幕下では、珍しい決まり手が出ています。丸地と志保の取り組みで、『拭き落とし』、
ですか。前回出たのは、楓山と梓川の伝説の一番でしたから、実に30年ぶりの大技ですね。VT
R、出ますか?ああ、ないんですか。残念です」
「…残念です」


「さて、大関、坂ノ下と、関脇、芹緒の取り組みは、坂ノ下にセックスチェックで男性の疑いが出まし
たので、芹緒の不先勝になっています。坂ノ下、そういえば、顔付きといい、体つきといい、どう見
ても男でしたね」
「…注射の、せいです…」
「そうですね」
「芹緒も、難しい星を一つ取ったことで、優勝の目が出てきましたが、どう予想されますか、琴関」
「注射次第です…」


「さて、結びの一番、熊ノ井と雛乃山の取り組みは、CMの後で、お送りします。負けられない熊ノ
井と、小兵の雛乃山、さてどちらに軍配があがるのか。いやしかし、雛乃山、小さいですよね」
「…栄養失調です…」
「そうですね。今日はCMの後に、結びの一番と、それに続いて琴関親方の、『琴関の今夜は大
胆!爆裂優勝予想』を、お送りします」
「…今夜は、大胆です…」
「では、CMを」


___________________________

会話パターン7:アナウンサーと解説者