Young Forever(「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」) 投稿者:NTTT 投稿日:5月14日(日)23時50分
「おや、佐藤様ではございませんか?」
「あ、せ、いや、長瀬さん」
「いやいや、セバスチャンでよろしいですぞ。今日はお買い物ですかな?」
「はい、新しいシューズを買った帰りなんですけど。長瀬さんは?」
「ああ、私は、今日は休日でございましてな。いわゆる、『オフ』というやつですわい」
「ああ、やっぱり、休みがあるんですね」
「それはそうでございますとも。旦那様は、労使条件には気を使う方でございますからな」
「いや、この前、浩之とも話してたんですよ。一体、いつ休んでるんだろうって」
「ちゃんと休日は頂いておりますが、何もせずにおると、どうも手持ち無沙汰でしてな。つい、お嬢
様方の護衛に就いてしまうので、休みがないと思われても、しょうがありませんなあ、はっはっ」
「あ、でもわかりますよ。僕もやることがないと、結構イライラしますし」
「ほほう。しかし、若いうちからそれでは、年をとってから、大変ですぞ」
「そうですか?」
「はい、気ばかり急いてしまいましてな、体がおっつかんのに、腹がたってくるのですわ」
「そうなんですか?長瀬さん、すごく元気で、かくしゃくとしてるように見えますよ」
「まあ、日頃から、鍛えておりますしな。それでも、年には勝てませんわい」
「そういえば、綾香さんから聞いたことがありますよ」
「ほう、何をでございます?」
「すごく、鍛えてて、今でも充分、格闘家として通用するって」
「ほう…そのようなことを」
「僕も、同感です。長瀬さん、さっきから全然隙がないように見えました」
「ふむ…少し、照れますな。まあ、そういう経験が長かったので、習い性になってしまったのでござ
いましょう」
「ストリート・ファイターだったんですよね」
「まあ、そんな格好のよいものではなかったのですがな。しかし、佐藤様も、なかなか鍛えた体つき
に見えますが、なにか、スポーツでも、おやりに?」
「中学の頃から、サッカーやってるんです」
「ほう、最近、人気ありますなあ、Jリーグとか」
「あ、サッカー、見るんですか?」
「スポーツ番組は、結構見ますぞ。なにせ、私の若い頃は、スポーツくらいしか、娯楽がございませ
んでしたからな」
「じゃあ、長嶋監督の現役時代とか、知ってるんですか?」
「勿論でございます。サインボールは、今でも持っておりますぞ」
「へえ…」
「あの頃の巨人は、強うございました。正に鬼神が行くが如く、快進撃を続けておりました」
「今でも、巨人ファンなんですか?」
「どうも、年をとったのでございましょうか、今ひとつ、一方に肩入れできなくなりましてな。等分に、
試合を楽しんでおります」
「そうなんですか」
「昔は、スタンドから声が嗄れるほど声援を送ったものでございましたが」
「あ、声、すごく大きいですよね、長瀬さん」
「いやいや、あのころは窓が割れるほどの声量が出せたものです」
「オペラの歌手みたいですね」
「おお、オペラをご存じか」
「い、いえ、テレビでそういうエピソードを、聞いたことがあるだけです」
「そうでございますか」
「長瀬さん、オペラとか、聞くんですか?」
「旦那様は、幅広い趣味の方でしてな。若いうちは、よくお供に連れて行かれたものです。で、私も
多少は、詳しくなったと、まあ、そういうわけですな、はっはっ」
「長瀬さんも、趣味が広そうですね」
「いや、いや、下手の横好きというか、門前の小僧というか、深く極めた物など、何一つございませ
んわい」
「いや、そんなことないと思いますよ」
「ま、最近は、長唄など習ったりもしておりましてな。なかなか粋でよろしいですぞ。ひとつ、お目に
かけましょうかの」
「あ、あの、長瀬さん、ここで歌うのは、ちょっと」
「お、おお、うっかりしておりました。では、またの機会ということで」
「じゃあ、いつまでもこうしているのも、なんですし、僕」
「あ、私めも、カウンターまで、ご一緒しましょう」
「長瀬さん?」
「何でございますか?」
「アダルトアニメばっかり5本も借りるんですか?」
「…サービスで、安うございますので」
「趣味、ホント広いですよね」
「まあ…その…」


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会話パターン3:本編にはないカップリングでの会話