「あかり、初詣の時、何をあんなに熱心に、お願いしてたんだ?」 「・・・えへへ・・・な・い・・・・」 ぺしぺしぺし 「ぐ、ぐすっ・・・あ、あのね・・・アニメ化したら、大ヒットしますようにって・・・」 「・・・・」 「ね、ねえ、どうしたの、浩之ちゃん!!顔、真っ青だよ!!」 「・・・あ、あかり・・・」 「何?」 ぺしぺしぺしぺし 「オメーはなんてことを神様にお願いしちまったんだあああああああああああっ!!!」 「だ、ダメなの?」 「ダメに決まっとろうがああああああああああああああああっ!!!!」 「どうして?どうしてなの!!浩之ちゃん!!」 「・・・もしも、アニメが大ヒットしたら、どうなると思う?」 「え、ええと・・・あたし、やっぱり主役だし・・・人気・・・出ちゃったりなんかして・・・」 ぺしぺしぺしぺしぺし 「ホワルバな展開がしたいのかああああああああっ!!!!今度はシミュレーションかあああああ あっ!!!!昔ながらのVNファンをどうするつもりだあああああああああっ!!!!」 「そ、そんなつもりじゃ・・・」 「・・・いいか、ヒットぐらいならいいんだ。だが、もしも大ヒット、大ブレイクしちまったら・・・」 「大・・・ブレイク・・・したら?」 「劇場版が、作られる」 「それは、いいことじゃ・・・」 ぺしぺしぺしぺしぺしぺし 「同時上映が東○まんがまつりだったらどうするつもりだあああああああああっ!!!!クレ○ンし○ちゃ んと同時上映して欲しいのかあああああああああああっ!!!!」 「そ、それは・・・」 「まだ、それはいい。ヘタに実写版でもできた日にゃ・・・」 「それなら、別にいいんじゃ・・・」 ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺし 「とき○きメ○リアルの二の足を踏みたいのかあああああああああああああああっ!!!!」 「い・・・イヤあああああああああああああっ!!!!!」 「まだある。もしも、大手出版社に版権が移ったら・・・」 「・・・移ったら?」 ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺし 「小学○年生で連載して欲しいのかあああああああああああああっ!!!!セー○ームー○みたいに 親子で見に行くミュージカルになったらどうするんだあああああああああああっ!!!!」 「イヤ、イヤ、それだけはイヤああああああああああああっ!!!!!」 「・・・そんな事にでもなったら、次世代コンピューターの名前が・・・公募で・・・」 「・・・そ、その先は・・・もう・・・」 ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺし 「マルチと命名されたらどうするんだあああああああああああああっ!!!!現代用語の基礎知識に由来 付きで載せたいのかああああああああああっ!!!!」 「やめてえええええええええええええええっ!!!!!」 「同人誌業界も、黙ってはいまい」 「今でも、同人誌なら、たくさん出てるんじゃ・・・」 「女性ファン向きのが、爆発的に、増えたら・・・」 「ま、まさか・・・」 ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺし 「俺と雅史や雅史と橋本や雅史と矢島や雅史と良太の本がやたら出たらどうするんだあああああああああ あっ!!!!」 「嘘、嘘、嘘よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」 「浩之、呼んだ?」 げしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげし ぺこぺこぺこぺこぺこぺこぺこぺこぺこぺこぺこ 「う、ううっ・・・あかりちゃん・・・おたまのカドは、反則だよ・・・」 頼むから、こそこそ始まって、密かにヒットして、いつのまにか終わってくれ、東鳩!!!! _______________________________ −付録その1:素顔の君が好きだよ− 「へぇ、委員長って、一人っ子なんだ」 「ああ、それがどないしたん?」 「いや、俺も一人っ子だからさ、なんか、共通点というか、その・・・」 「アホクサ。今は少子化の時代やで。一人っ子なんか、掃いて捨てるほどおるがな」 「ま、まあな・・・あっ、委員長って、ゲーム好きだろ?この前、駅の辺で見たぜ」 「あ、あんた、見とったん!?」 「おお、でもな、筐体蹴るのは、感心しねえな」 「あ、あん時は、ちょっと、ムカついとったから・・・」 「委員長って、いつもムカムカしてるみたいだもんな」 「どういう意味や!!」 「い、いや、だから、他意は無くて・・・そ、そう、眼鏡、その眼鏡が、なんか、キツいかんじなんだよ」 「しゃあないやん。これ無かったら、なんも見えへんのやから」 「あ、あのさ・・・」 「なんや?」 「委員長、眼鏡、外してみたら?俺、委員長の眼鏡の無い顔、見たい」 「あ、あかん!」 「いいじゃねえか、見せて減るもんじゃねえだろ」 「あかんて、ちょっと、手、伸ばさんといて」 「ちょっとだけだって、ほら」 「な、なあ、やめてて、お願いやから」 「へっへっへっ、お嬢さん、助けを呼んでも無駄だぜ、観念しな」 「ほ、ホンマ、堪忍して、藤田君。後生やから・・・」 「・・・委員長、どうしてなんだよ。風呂とか、寝る時とか、外すだろ?」 「・・・うち・・・」 「ん?」 「・・・ブサイクやから・・・」 「なーに言ってんだか。委員長って、可愛いと思うぜ。美人だって!」 「そ、そないな事・・・」 「ま、まあ、俺の言葉じゃ、信用できないのかも、知れないけどさ、俺、委員長の事、マジに可愛いって思うぜ」 「ホンマに?」 「ホントだって。だから一度、眼鏡取った顔、見たかったんだ。眼鏡掛けてて、こんなに可愛いんだから、眼 鏡外したら、どんなだろうって・・・」 「じゃ、じゃあ、ちょっとだけやで」 「え、見せてくれるのか!?」 「・・・うん・・・」 じゃ、じゃあ、外すぜ・・・」 「委員長」 「何?」 「眼鏡外した、委員長の目って・・・委員長の事、これから、「のび太」って、呼んでいい?」 「ええことあるかああああああああああああああああああああっ!!!!」 −付録その2:動物園にて− 「わあー、首の長い犬さんですー」 「キリンって言うんだ、マルチ」 「キリンさんですかー、いいお名前ですねー」 「マルチ、あっち見てみな」 「わあー、耳が大きくて鼻が長い犬さんですー」 「マルチ、ほら、これは?」 「わあー、手も足も無くて、しっぽが長くて、ぬめぬめ光る犬さんですー」 「・・・マルチ、こっち見てみろ」 「わあー、目つきの悪・・・ご、ご主人様ですー」 「・・・今日はもう帰るぞ、マルチ」 「はいー」 「・・・帰ったら、いっぱい・・・」 「なでなでしてくれるんですかー」 「・・・まあな(ニヤリ)・・・」 −付録その3:シンデレラ− ・・・今日は楽しいコミケの日。でも、二人の怖いお姉様達から「あんたは修行してなさい!」と言われた葵ちゃ んは、一人寂しく神社でサンドバッグに蹴り食らわしておりました。 「コミケ、行きたかったなあ・・・えい、とう」 ・・・そんな葵ちゃんの様子を樹の陰から見ていた人がいたのです。その人は、葵ちゃんがサンドバッグに 綾香の写真を貼り始めた頃、葵ちゃんの前に現われました。 「せ、芹香さん!?」 「・・・・」 「は、はい、コミケ、行きたいです」 「・・・・」 「え、で、でもダメです。会場で綾香さん達に見つかったら、血ヘド吐くまで殴られちゃいます」 「・・・・」 「えっ!見つからずに行ける方法が、あるんですか!?」 「・・・・」 「で、でも、コスプレなんて、私、衣装持ってないし・・・」 「・・・・」 「貸してくれるんですか!ありがとうございます!!」 「・・・・」 「セバスチャンさんに送迎してもらえるなんて、なにからなにまで、ホント、ありがとうございます!!」 「・・・・」 「はい、そうですね。綾香さん達よりも早く帰らないとバレちゃいますね。気をつけます」 「・・・・」 「あ、もう持ってきてるんですか、手回しいいですね。それじゃ、この緑色のカツラをつけて・・・」 ・・・こうして、葵ちゃんはコミケに向かったのでした。葵ちゃんのコスプレは大評判。たちまちカメラ小僧が押 し寄せてきて、身動き取れないほどでした。 「ダメですー、ローアングルはやめてくださいですー」 パシャパシャパシャパシャ 「助けてくださいですー、りぃ○のブースに行かせてくださいですー」 ・・・葵ちゃんがキレて手当たり次第に崩拳を食らわそうとした時、救いの手は現われました。 「待ちなさあああああああああああああああぃ!!!!」 「あっ、あれはっ!!!」 「遊星仮面、技の1号、見参!!」 「同じく、力の2号、見残!!」 ・・・でも、カメラ小僧さん達は、イマイチ知名度の低いマイナーなコスプレには興味が無かったので、無視し て葵ちゃんを撮り続けたのでした。 「「きーーーーーーーーーーっ!!!くやしーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」」 教訓:なるべく、皆が一目で分かるコスプレをしましょう _______________________________