ピンポ〜ン！


「浩之ちゃ〜ん、早くしないと遅れちゃうよ〜！！」
「あかりっ！」
「あ、ご、ゴメン。『ちゃん』付けしちゃいけないんだよね・・・でも、わたしにとって、浩之ちゃんは、やっぱり、
浩之ちゃんだし・・・」
「そんな事を言ってんじゃねえ！！」
「えっ？」
「あかり、お前には、主役の自覚があるのか？どうなんだっ！！」
「えっ・・・しゅ、主役なの？あたし」
「そうだ。来年の春からは、お前が主役になるんだぞ。解ってんのかっ！！」
「・・・そっかあ・・・あたし、主役になるんだよね。うん、浩之ちゃん。あたし、頑張るっ！」
「うむ、その意気や良し！だが、あかりっ！一体、主役になってどうするつもりだっ！！」
「えっ・・・や、やっぱり、毎朝、浩之ちゃんを起こして・・・お弁当も、作って・・・」
「馬鹿者おおおおおおおおおおおおおおっ！！！！」
「え、えっ、だ、ダメなの？」
「ダメに決まっとろうがあああああっ！！！！お前は東鳩をなんだと思っとるんだああああああ
あっ！！！！」
「え、ええと・・・」
「仮にも恋愛系ゲームを原作にしたアニメの主人公がそんな最初からベタベタなノリでどうするっ！！！！
山がなくては盛り上がらんだろうがああああああっ！！！」
「え、ええと、山場なら・・・浩之ちゃんと・・・その、最初に・・・しようとした時とか・・・」

ぺしぺしぺしぺしっ

「１８禁にするつもりかあああああああああああああああっ！！！ワンダフルで流したいのかあああああ
あああああああっ！！！！」
「あうっ・・・ひ、額が熱いよ、浩之ちゃん・・・」

「・・・そこでだ、お前にコーチをつけることにした」
「コーチ！？」
「そうだ、葵ちゃん、坂下、さあ」
「あ、葵ちゃん！？それに、坂下さん！？ど、どうして浩之ちゃんの家に・・・」

ぺしぺしぺしぺしぺしっ

「細かい事を気にするなあああああああっ！！！！そう、これからはアニメの女主人公は、格闘アクション
の一つもこなさねばならんっ！！ぶつかる拳！飛び散る汗！真っ赤なブルマー！友情！ 努力！勝利！
さあ、葵ちゃん、坂下、あかりを血ヘド吐くほどに鍛えてやってくれ！！！」
「ひ・・・浩之ちゃん・・・」
「だが、格闘アクションだけで良いものであろうか？いや、良くない（反語表現）！やはりこれからの主人公は
未知なる力が必要ナリイイイイイイイイッ！！！！さあ、芹香先輩は魔法の特訓を、琴音ちゃんはスプーン
曲げの教授を・・・」
「な・・・なんで二人とも浩之ちゃんの家・・・」

ぺしぺしぺしぺしぺしぺしっ

「だから細かい事は（以下略）！！！！！そう、そして盛り上げるためにはライバルの存在が不可欠！！！
さあ、成績優秀な委員長、あかりを見下し続けるのだっ！そして、お金持ちの令嬢たる綾香、お高くとまる
のだあああああああっ！！！！そして俺を誘惑してあかりをヤキモキさせるののだあああああああ
あっ！！！！」
「あ、あの、ですから・・・なんで・・・二人とも・・・」

ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしっ

「何度も言うが細かい（以下略）！！！！！そして、雅史よ、お前と俺は今日から天敵同士だ！二人であか
りを奪い合おうぞっ！！ああ、昨日まで肩組み合った親友と、今日からは戦い続けなければならんとは・・・
おお、神よ！！私はあなたをお恨み致しますううううううううううっ！！！！」
「ひ、浩之、僕、別に、あかりちゃんとは・・・」

ごすごすごすごすごすごすごすっ！！

「馬鹿者おおおおおおおっ！！！他にフルネームで登場する美形男性キャラがいるのかあああああ
あっ！！！！矢島や橋本の気持ちを考えたことがあるのかああああああっ！！！！いつからお前はそん
な冷たい奴になっちまったんだああああああああっ！！！！！」
「う、ううっ・・・ひ、浩之・・・ア、アバラが・・・」

「・・・・なんで、雅史ちゃんまで・・・」

ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしっ

「だから（以下略）！！！！さあ、まだまだキャラは残っておるのだっ！！！ドンドン行くとこまで行くぞおお
おおおおおっ！！！！！レミィとの料理対決により幻の厨具を手に入れ、マルチに乗り込みセリオと変形
合体し、志保にスキャンダル写真を撮られ、理緒ちゃんと・・・」
「・・・理緒ちゃん、出るの？」
「・・・さあ？」


果たして、理緒は登場するのか！？

そして、あかりの運命は！？

なにより、なんで朝から皆が浩之の家にいるのか！？



ＴＶ版東鳩、刮目して待て！！！


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