ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろ 「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう」 ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろ 「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう」 家に帰ると、マルチが畳の上を、転がっていた。 「遊んでるのか?」 「ご主人さまぁ〜〜〜〜〜背中がカユいんですぅ〜〜〜〜〜〜〜!!!」 よっぽど痒いらしい。しかし、「痒さ」を感じる事が出来るとは、知らなかった。 とりあえず、背中に手を突っ込み、掻く、掻く、掻く。 「どうだ、落ち着いたか?」 「ふっ、ふえええぇぇ〜〜〜〜〜ん!だめですぅ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 駄目だったようだ。マルチはまた、畳の上を転がり始めた。 ちょっと、鬱陶しい。 転がるマルチを無理矢理止めた。 背中に再び手を突っ込み、掻く掻く掻く、掻く掻く掻く、掻く掻く掻く・・・・・ん? 不思議な感触がした。 背中に耳を当ててみる。 はっきりと、聞こえた。 「カサカサカサ、カサカサカサ、カサカサカサカサカサ・・・・」 「やっほー!志保ちゃんよー!!って、ヒロ、いないのね・・・マルチ、額に紙なんか貼って、どしたの?なん か、キョンシーみたい・・・なになに・・・『バルサン注意』・・・ちょ、ちょっと、煙吐かないでよ、げほ、げほ、げ ほ、げほげほげほがはごほほ・・・た、助けげほがほごほ・・・」 __________________________