葵ちゃんは、いつも判創膏を貼っている。 「葵ちゃん、どうしていつも貼ってるの?判創膏」 「えっ!!あ、あの、それは・・・」 「ねぇ、剥がしてもいい?判創膏」 「だ、ダメですっ!!」 「いいじゃないか、俺は、葵ちゃんの、全てを、知りたいな」 「せ、先輩・・・」 「いいだろ?」 「・・・はい・・・そこまで・・・おっしゃるなら・・・」 「剥がすよ」 爪の先で、端っこを少しまくり上げる。葵ちゃんは、目をつぶって、緊張しているようだ。 まくり上げた端をつまみ、ゆっくりと剥がしていく。カサブタになっていたのだろうか、少し、赤い線が覗く。 「痛い?」 「いえ、大丈夫です」 半分まで剥がしていく。赤い線は、もう、「線」ではなかった。5ミリほどの幅を持つ、今出来たばかりのような、 ピンク色に光る、傷痕だった。驚く俺の目の前で、傷痕はゆっくりと蠕動して、左右に広がり始めている。開 いた傷口の奥から、何かがゆっくりとせり上がって来た。 ・・・これはなんだ ・・・これはナンダ ・・・ナンダナンダナンダナンダナンダ・・・・・・・・ せり上がってきたその「何か」が、一瞬で俺の顔に張り付いた時、俺の意識は消し飛んでいた。 −次の日− 「浩之ちゃん、どうしたの?その判創膏」 「さあ、気がついたら、貼ってあったんだ。剥がしちまうか」 「だめだよ。傷口に貼ってあるんだったら、とらない方がいいよ」 「そうだな、やめとくか」 _______________________________ ども、お久しぶり。久々野さんが復活したこったし、気合入れて頑張りますか。