坂・・ 投稿者: NTTT  投稿日: 11月2日(月)11時10分 削除


「遅かったじゃないの、葵」
「すいません、綾香さん。先輩、いえ、藤田さんが途中で・・」
「よお、綾香、お招きに預かったぜ。ほいで、これ、花」
「気がきくじゃない」
「いや、雅史が、何か持ってった方がいいって言うんで、途中で買ってきたんだ。案外、高いのな。花っ
て」
「別にいいのに。で、その、雅史君は?」
「おお、早く入れよ、雅史。何、つっ立ってるんだ」
「いや、こんな大きなお屋敷なんて初めてだから、ちょっと緊張して」
「大きくったって、中に住んでるのが、これじゃあな」
「・・・あんただけ、帰ってもいいのよ」
「・・・(ひそひそ)あ、綾香さん、坂下先輩は?」
「・・・(ひそひそ)とっくにお待ちかねよ。何をトチ狂ったのか、昼から来て、風呂に4回は入ってるわ」
「・・・(ひそひそ)4回!何か、あったんですか?」
「・・・何にも、ないわよ・・・ニブニブね・・・ほら、早く来なさい、あんた達」






「へぇ、坂下、馬子にも衣装だな」
「ぐ・・・あ、ありがとう。あの、そ、そちらの方は」
「気取んなよ。『そいつは?』っていつもみたいにすればいいだろ。こいつは、雅史。ほれ、雅史、こい
つが坂下」
「はじめまして。葵ちゃんから、聞いてます」
「なななな、何を?」
「とっても優しい先輩だって、聞いてますよ」
「そ、そう・・・ちょっと、葵、筋トレ、ちゃんとやってる?いい器具買ったから、今度、貸したげる」
「ありがとうございます!坂下先輩」
「格闘技は、僕、やった事ないんだけど、大変なんでしょうね」
「い、いえ、そんな事、なくて・・・まあ、ちょっとした、趣味、そう、趣味みたいなもので、大した事は・・・」
「この前、葵ちゃんに負けて悔しがってたじゃねえか」
「あれはっ!い、いえ、そんなに、大した事なくて、ちょっと、油断した、というか・・・」
「すごく強いって、葵ちゃんが言ってましたよ」
「そ、そんなには、強くなくて・・・」
「まあ、そうだよな。葵ちゃんにも、綾香にも、負けてんだもんな」
「あ、綾香に負けたのは、事実だけど・・・」
「あんとき、泣いてたもんね、好恵」
「えっ、坂下、泣いたのか!そりゃ見てみたかったぜ。鬼の目にも何とかって奴だな」


「・・・今なら、勝てるわよ・・・」


「・・・・・・・・・あら、何か言った?泣き虫好恵ちゃん」
「・・・最近じゃ、綾香、トレーニングをサボってばっかりで、お腹の肉がタプタプよ。ほら、あの首の太い
こと、太いこと・・・」
「・・・あんたね、一度くらい勝ってから言わないと、負け犬の遠吠えよ。鍛えてばっかで成果がないっ
て、その、ぶっとい二の腕が、デコボコな背中が泣いてるわよ」



「先輩!逃げましょう」
「そうだな」
「ちょっと、あの二人をほっとくの?浩之」
「・・・お前、止める自信、あるのか?」
「・・・ま、まあ、二人が、逃げろって、言うんなら、僕も・・・」





「はっ、毎日鍛える事の強さを教えてあげるわよ・・・・」
「何かおっしゃいましたか、万年2位さん・・・」


「「殺おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおおおぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉおおおぉス」」



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