「ごめんね、綾香」
「もう、こんな時間にやって来て・・・いいんだってば、もう」
「・・・葵から、全部聞いたわ。あのパーティー、私のためだったのね」
「ああ、気にしないで。私も退屈してたとこだったし、大体、私だって、途中まで知らなかったんだから」
「でも、会場メチャメチャにしちゃって」
「いいんだって。あの壁紙とか、結構気に入らなかったから、模様替えしようと思ってたのよ」
「それに服も」
「・・・その話は、止めましょう・・・」
「そ、そうね・・・ねぇ、ケガとか、大丈夫?」
「ああ、毎度の事なんだし、大丈夫よ。ねぇ、あの裏拳のコンビネーション、どうしたのよ?」
「綾香用に、練習してたの」
「あれはトリッキーな上に早いから、まず初見じゃ避けられないわよ。また強くなったわね、好恵」
「綾香こそ、関節なんて、どこで覚えたの」
「独学。エクストリームだと、そういうのも必要な時があるのよ」
「ねぇ、ホント、傷とかいってない?」
「大丈夫だって、ほら、青アザになっただけでしょ。すぐ治るわ、こんなの」
「ごめんね」
「だから、謝る必要、ないんだって。あんたこそ、腕、どうなのよ?」
「大丈夫。ほら、この通り」
「よかった。ねぇ、これからどうしようか?」
「何を?」
「だから、あんたと佐藤君の事」
「もう、いいのよ」
「よかないわよ。乗りかかった船なんだし、何でもしたげるわよ。どーんと、大船に、そう、タイタニックに
でも・・・」
「綾香」
「ん、何」
「今回の事で思ったんだけど・・・」
「ダメよ、弱気になっちゃ。絶対、何とかしたげるから」
「私には、やっぱり・・・」
「もう!何を目をウルウルさせてんのよ。弱気になっちゃダメだって・・・」
「あなたしか・・・」
「え!?え!?ちょっと、どこ触ってんのよ!ちょ、ちょ、やめて、やややや、やめ、やめ、よ、よよ、寄
ら、寄ら、寄ら」
「可愛いわ、綾香。今夜は、たっぷり、苛めてあげる・・・」
「だ、だだだだ、誰、誰、誰かあああぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以下、『S・・(エス・・)』に続く
「続けないでよおおおぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
・・・・・・わかった。勘弁してやる。でも、面白いから、お前、もうちょっと、このままな・・・・・・
「うふふ、綾香、私たち、これからもずっとお友達よ。もう離さないから」
「イヤああああああぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
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