「先輩、4時ですからね」 「ああ、4時に雅史と来ればいいんだな。了解」 「葵、こんなとこに呼び出して、何の用?」 「坂下先輩、この前はすいませんでした」 「な、何のこと?」 「あのあと、綾香さんから聞きました」 「・・・・・・(綾香、殺ス)・・・・」 「あ、あの、それでですね・・・」 「それで・・・何?」 「先輩に、あの、男の方を、ですね・・・」 「・・・・・・・・・・・」 「ああっ、帰らないでくださいっ!もうすぐ来るんですっ!!」 「・・・・・・・・・・・・」 「ああっ、お願いですから、佐藤先輩に、一目だけでも」 「佐藤!?」 「はい、私、あまり男の方に知り合いがいなくて・・」 「佐藤って、佐藤、雅史、君?・・・・」 「はい」 「サッカー部の次期主将と言われてる?」 「それは知りませんが、サッカー部の方です」 「ペットにハムスターを飼ってる?」 「さあ、よくは知らないんです」 「成績優秀な?」 「さあ・・・」 「学内外にファンクラブがあって、この前会員番号が200を超えた佐藤雅史さま、いや、佐藤、雅史 君?」 「先輩、よく御存知ですね。お知り合いなんですか?」 「あ、あ、あ、あんたこそ、どうして佐藤君と知り合いなのよ!」 「・・・先輩、目が恐いです・・・」 「ねえ、どーして、佐藤君と、知り合いなのかにゃー(はぁと)」 「は、はい、あの、藤田先輩のお知り合いで・・・小学生以来の親友なんです・・・」 「あのバカ、いや、藤田君の親友なの・・・」 「はい、それで、もうすぐ来るんです。だから、お願いします。帰らないでください」 「・・・・やっぱりね、あんたの頼みなんだし、無下には断るのも・・・それに、佐藤君にも失礼だし ね・・・」 「先輩、ありがとうございます!」 「まあ、後輩の頼みだし・・・そうだ、葵、あんたがこの前使ったあの技ね、タイミングが危なすぎるわ。 今度、役に立つフェイントを教えてあげる」 「先輩・・・」 「なに涙ぐんでるのよ!人に見られたら恥ずかしいでしょ」 「あ、すいません、先輩。感激しちゃって・・あ、来ました、来ましたよ、先輩」 「よお、葵ちゃん。って、坂下もいるのかよ」 「ふ、藤田先輩、どうして、綾香さんもいるんですか!」 「ああ、途中でばったり出会ってさ、ちょうど葵ちゃんも会いたいだろうと思って」 「それに、佐藤先輩は・・・」 「いや、あいつ、ハムスターが今朝から調子悪いみたいで、どうしても家に帰りたいって、帰っちゃった んだ。でも、雅史に何の用だったんだ?」 「い、いえ、それは・・・あっ、坂下先輩、落ち着いて!」 「綾香ぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁっ、殺ぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉス!!」 「な、何よ、何なのよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」 _______________________________________