しまった!オチがない! 投稿者: NTTT
「ああ、お帰り。今日は遅かったやないの、って、あんたかいな」
「やっほー、志保ちゃんよー、って、ヒロ、まだ帰ってないの?」
「ああ、まだや。あんた、いつ日本に帰ってきたん?」
「昨日。あかり達に会ってきて、今さっき神戸に帰ってきたのよ」
「来る時は電話ぐらいしいや。全く、いつも言うてるやろ」
「いいじゃない。ほら、浩志ちゃんと智美ちゃん、こっちいらっしゃい。おーみやーげよー!」
「また、けったいな物を・・・」
「ほら、浩志ちゃんにはこのお面。智美ちゃんは女の子だから首飾りね。これねー、人食い人種の酋長
さんからもらったのよ。もう少しで志保ちゃん釜茹でにされて食べられそうになったんだから」
「子供に嘘教えなや。この前、学校でこの子らが喋って、えらい恥かいたんやから」
「いいって、いいって、今の子供達には夢のあるお話が必要なのよ」
「独身のあんたに言われとうないわ。ところで、神岸さんらは、どうしてるん」
「ああ、相変わらずよ。元気にしてるわ。それで、これ、あんた達にも、お土産」
「高そうやな」
「免税店で買ったのよ。ほら、グラス、グラス」
「さっき、『あんた達』って、言わんかったか?」
「あたしがせっかく遊びに来たのに帰ってないヒロが悪いのよ。ほら、早く。客を待たせる気?」
「しゃあないなあ。ほら、あんたらももう寝る時間やろ。ほらほら」
「おやすみー、また今度お話したげるからねー」
「ほれ、飲みや」
「あんたもほら、かんぱーい!ねえ、この肉ジャガ、もらっていい?」
「あかんて、もうすぐ帰ってくるんやから」
「だーいじょうぶだって、こんなにあるんだから、一口ぐらい。うん、やっぱ、関西系の味はおいしいわ」
「もう、あとで怒られてまうわ」
「あと、これもね」
「それはあかんて、二切れしかないのに」
「もう食べちゃったー」
「ああ、もう」





「ねえ、ところであんた達、もう一人ぐらい、作んないの?」
「・・・うちはもう一人ぐらい、欲しいんやけどな・・・」
「ヒロ、稼ぎ少ないもんね」
「そういう問題もあるんやけどな・・・なんや、子供二人にかかりきりやったから、拗ねてもうてな・・・」
「ひゃー、ヒロ、そうなんだ」
「まあ、それはそれで嬉しいんやけどな・・・」
「ねえねえ、じゃあ、今、月何回くらいしてるの?」
「そんなこと聞いてどうするつもりや!」
「だって、知りたいんだもん。いいじゃない、教えて、教えてー」
「もう、人には喋らんといてや・・・・・・・・・・・・・」
「2回も!まだしてるんだー!いいわねー、仲良くてさ」
「もう、からかわんといて」
「あーあ、失敗したなー」
「何がや?」
「あたしもさー、ヒロのこと、好きだったのよー。知らなかったでしょ」
「知っとったわ」
「え!?マジ!?」
「あの頃、時々黙って見とる時の目が、うちのと一緒やったからな。バレバレや」
「げ、バレバレだったの?」
「そうや」
「あーあ、なおさら失敗したわー。あの頃、あかりもヒロのこと好きだったから、遠慮したのよー。まさか
横からかっさらわれるとは、思ってなかったしねー」
「人をトンビみたいに言いなや」
「なーんか、気が抜けちゃったし、帰るわ。あーあ、どっかに家事のできるいい男、いないもんかしら
ねー」
「あ・・・長岡はん」
「ん、何」
「あのな・・・また、遊びに・・来てや」
「あったりまえでしょー!こっちは、家庭料理に飢えてんだからねー。さあて、コンビニのおべんとでも
買って帰りますか。じゃあねー!」
「ああ、さいなら・・・さて、また洗い物せんと・・・ああ、やっと帰って来たんか。お帰り」
「おう、ただいま。さっき、そこで志保と会ったぞ」
「さっきまで来とったんや」
「全く、人ん家に来てはメシ食っていきやがって、早く結婚しろってんだ。そういえば、さっき会った時、
変なことしてたぞ。Vサイン出して、ニタニタ笑ってやんの。ありゃ、どういう意味だ」
「さあ・・・知らんわ」
「おい、ちょっと、子供がまだ起きてんじゃないのか?ん?どうした、泣いてるのか?」
「なんでもない。なんでもないから・・もうちょっと・・このまま・・こうしとって」