「あっ、あれは、セリオさんですぅ〜〜」 「マルチ、セリオタイプはたくさんいるんだぜ」 「間違いありません、絶対、一緒に学校に通ったセリオさんですぅ〜〜。セリオさ〜〜〜ん」 「藤田様、マルチ様、お久しぶりです」 「ほんとにあの時のセリオなんだな。でも、今、どうしてるんだ?」 「はい、来栖川家で綾香様の専属メイドをさせて頂いております」 「そうか。でも、こんなところで何してるんだ?」 「綾香様を待っております」 「綾香?この辺にいるのか?」 「はい、デパートに行ったのですが、人込みの中で、はぐれてしまいました。ですが、御心配には及び ません。はぐれた場合はここで待つよう指示されております」 「・・・・いつから待ってるんだ?」 「はい、昨日の午後3時からです」 「・・・今、朝の9時半だぞ」 「存じております。正確には、9時32分26秒です」 「な、なあ、綾香、もう家に帰ってるんじゃないのか?」 「その様です。サテライトシステムで調べましたところ、昨日の午後5時19分ジャストに来栖川邸にお 帰りになっておられます。現在は・・・確認しました。まだ御寝みの様です」 「ちょっと、俺、電話をかけてくるから・・・」 「はい、行ってらっしゃいませ」 「綾香ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁっ!起きろぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」 「綾香、もうすぐ来るはずだから・・・」 「はい、かしこまりました」 「セリオさん、偉いですねぇ〜〜」 「・・・・・・・・・・」 __________________________