瑞穂の細腕弥生土器 投稿者:MIO 投稿日:7月25日(火)16時53分
 注意!
 以降、展開されるストーリーは、おそらく・・・

 MIOのSS史上、もっとも下品で下劣な内容――

 となっております。
 世界初「読まないほうがシアワセだったかもしれない」SSです。
 読まなくても、瑞穂のシリーズに影響しません。
 ここから先は下品地獄。進むことを躊躇するのは、ただしい本能。
 しかし、それでも進みたい人に問う。

 汝の名は冒険者か?

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                     『店長五輪大武会』開催のお知らせ。


 
  拝啓  盛夏の候、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
  さて、このたび『店長五輪大武会』が開催されることになりました。
  今期の大会は、以前に行われていた大会とは、ルール上の変更点こそござい
ませんが、初参加の方も、そして参加経験のある方も、念のため、下記の連絡
事項に目を通してくださいますようお願いします。
  これも大会の成功と、地域住民に密着した経営を旨とする、全てのLeaf
企業の未来を考えてのことですので、なにとぞご協力ください。
                                                               敬具


                                      記


    開会日時  ・・・このメールが届いた瞬間から
    閉会予定日・・・優勝者が決定されるまで
    開催場所  ・・・参加選手が行動可能な全範囲

    正式ルール・・・参加者以外の殺傷は禁止
    勝敗の決定・・・審判員の判定、ギブアップ、もしくは戦闘の続行不可
    
    奇襲可。
    武器、毒物、爆発物の使用も可。
    仲間をつれて、集団で襲うも可。
    動物等の使用も可。
    逃走も可。
    裏切りもまた可。

    
   ※ 参加者を殺傷、または、器物損壊。それらは大会期間中にのみ、原則と
   して罪には問われません。
     また、服役中の参加者も、期間中に限って、懲罰施設からの監視員なし
   の外出が許可されます。

        
    ☆優勝者には、豪華な景品が用意されています!!

   10憶7千800万円の賞金。
    各企業は、優勝者に株式の8割を譲渡。
    各企業、各組織の機密の全てを、優勝者へ公開。
    『Leaf OF  Leaf』 の称号を授与。
 (注意! これらの景品は、優勝者個人へと与えられるものです)    

   大会コンセプト
  『みんなで入って、出るのは一人』

                                                                以上
        
    
   瑞穂の細腕弥生土器


「おっはー!!」
  朝です、朝ですよマイマザー!!
 夕べは老人と殴り合ったり、歓迎会とかいって、浴びるほどビール呑まされ
たり、千沙ちぃが布団にもぐりこんでモゾモゾしたりと・・・
 いろんなことがありましたッ!
 しかし、今日からリアンは、バッツンバッツン働くでス!
 この細腕と、つるぺたボディと、そして眼鏡!
 それらが、労働を欲して大発汗です!!
 
 労働の喜び、そしてぬかるみッ!!

 まぁ、それはそれとして・・・
 リアンは今、五月雨製鉄の社員寮にいるでスよー。
 既婚者は社宅を格安で借りれるンでスが、リアンはあいにく、不可侵がウリ
のワガママボディの持ち主ッ!
 まだまだ、ピィチピチのプリリンプリンというノリでス!
 だってだって、リアンの貞操は、すべからく香奈子ちゃんのモノですもの。
 香奈子ちゃんLOVEッ!!
「さぁ、気合いれて本日最初のおトイレとまぃりますかぁッ!」
 しかもデカイ方をッ!
 ・・・
 そう・・・
 リアンはやっぱり、アダルトなキャラなのでス!!
 他のギャルには許されない行為が、許されるッ!!
 とき●モなんぞには真似できない、超越した表現が可能なのでスよッ!!
 そこが強みなのでス!!
  
 リビドーに従順なオタクの願望をベースに組み上げられた、アダルトの牙城!

 それ故、わたくしリアンは朝っぱらから、顔も洗わず共同トイレに足を向け
るという行為が可能なのでスよ。
「これぞ、人生の醍醐味ッ!!」
 生きるチカラ!!
 リアンは、幸福の笑みを顔に漲らせ、小汚い共同トイレのドアを開けました。
「かんばり入道ホトトギス〜♪」
 ・・・
 ・・・
 トイレで唱える幸せの呪文が、ゆるやかな薫風に押しもどされまス。
 見えました。
 ええ、見えましたとも。
 見えるはずのない臭気。

 悪夢。


(※BGMにボレロを流そう)


「ごぶぅっ!?」
 指の間からタパタパと守れ出るアレに構わず、リアンは扉を閉めました。
 悪魔の臭気と、謎のBGMを強制カット!
 しかし、その超常現象は、リアンの肉体に深刻なダメージを与えていたのです!
「おぶっ・・・おぶぶっ・・・!?」
(あ、あれは一体なんでスかッ!?)
「・・・くっ」
 リアンは、意を決して、もう一度トワイライトへ続く扉をオープンしまス!


(※BGMにボレロを流そう)


「ごばッ!?」
 いかん、危険だッ! 魂のリミットがコンマでデットゾーン!?
 リアンの右手に埋め込まれた制御金属球に、ピシリとヒビが入りましたッ!
 おぅッ!?
 マジでピンチ!
 リアンは、慌ててトイレのドアを閉じまス!

 バタン!!

「い、命的にヤバかったッ!?」
 ・・・
 ・・・
「くッ! なんとかせねばッ!!」
 結花ポンとなつみんが、この共同トイレに接近する前に、なんとかせねばな
らないでス! それが使命! 

 五月雨製鉄の新入社員、わたくしリアンに課せられた重任!!

 希望に燃える新入社員は、会社の悪種を自爆で破壊するのが主任務なのでスよ!
 レッツ、シミュレート!
 眼下に広がるデジタルワールドで、リアンの脳髄はすさまじい計算を開始。
 ワイヤーフレームに絡め取られた秘密の感性で、世界の果てに触れます。
 ・・・
(すきすきすきすき、すきっすき☆ いっきゅうぅぅ・・・)
 ピコーン!
「閃いた!」
 現状打開策その一ッ!

 とりあえず、アレの所有権を持つ人間にミ●メイ・アタック!!

 リアンは、脳内にドーパミンをドクドク出して廊下をダッシュ、黒い廊下に
右、左と足がめり込むのも構わず、自室の隣、204号室へと殴り込みました。
「おぼえてい〜まスかぁ〜♪ 目と目があった〜ときぅをぉ〜♪」

 あいらーびゅー、サーッ!!!(訳:愛しています上官殿!)


「あ、リアンおはよー」

 ミキミキミキィ!!
 鎬紅葉を凌駕する超肉体の上にのっかった、ロリロリフェイス!!

 我が姉、スフィー!!

「姉さんッ! スフィー姉さんッ!!!」
 あなたがッ!
 巨大な太股を折り曲げ、正座しているあなたがッ!
 ちゃぶ台の上に、てんこ盛り白飯と、メザシと、味噌汁と、海苔をならべて、
幸せそうな顔で手を合わせているあなたがッ!
 さりげなく、合わせた指先で箸を挟んでいるあなたがッ!!
 貴女が―――

「犯人だったのですね」

「ん?」
 ん? じゃないでスよ!!
「許されざる罪ッ! リアンは龍眼の導きにより、しかと知ったのです! 共
同トイレに隠された、いや、生来隠匿されるべき出生の秘密をかかえた、なん
か、そんなかんじのアレをッ!!」
「?」
 むぅ、姉さん! 顔は可愛いのに、超兄貴みたいな肉体でスね!
「知らないとは言わせませんよッ!」
「だ、だからナニ? なんのこと?」
「とぼけないでください、トイレにそそりたつ、あの―――」


 ビック・ベンをッ!!

(※BGMはボレロだ!)

「巨大な尖塔を見た時、リアンは哀しいやら、切ないやら!」
 仮にも、有名ブランド新作アダルトゲームの看板をまかされたヒロインが、
トイレでなんてことをしでかしまスか!?
「え!? 流れてなかった!?」
「ああいったモノが流れるギミックなんぞ、普通はついてないンでスよ!!!」
「トイレなのに?」
「常人のソレとは、量と質がケタ違いじゃないでスかッ!」

 超越者!

「む〜〜っ、なんだか難しいね」
 難しいね、じゃないでスよ〜〜ぅ!
 リアン泣きそうでス!
 やっとペースが戻ったと思ったら、スフィー姉さん、あなたなんてことをし
てくれるんでスか!?
 リアン、もぉ、この業界から追放決定でスよ!
 思えば、あのプー太郎SS書きが毎日胡乱気な日記書き始めてから、怪しい
とは思っていたのでスよ。そうです、あいつぁ、近々壊れて扉の向こうのドロ
ドロした世界にフォールダウンするってコトくらい、リアン、予測済だったの
でスよ!
 しかし、こうも速いとは!
 しかも巻き込まれッ!?
 おお、おお、おおおおおぅッ!? よりにもよって、こんなクレイジーな展
開を用意していたなんてッ!
 リアン、今、いろんな意味で史上最悪のピンチなのではッ!?
「あはははっ、最近、便秘だったからね〜」
 ぎゃー!
「姉さん、あなたの腸は四次元ポケットですか!? ああいったものが、共同
トイレで我が物顔でのさばっているというのは、避けねばならない事態でス!
ていうか、あまりに不自然な事態! 超常現象に近いでスよ。これはもぉ、な
んとかしなきゃ! なんとかして・・・なんとかしてもとの状態へッ!」
「う〜ん、とりあえず、どんなもんか見てみよう」
「出した時点で、自分がいかに非常識だったかくらい、確認してくださいよぅ」
 姉さん・・・
 貴女の罪は、初期の浦安鉄筋●族を思わせる現象を、リアルで巻き起こしてし
まった事なのでス!
 しかし!

 罪を憎んで、モノを憎まず! それがリアンの大馬神!!!
 
 
 リアンは、スフィー姉さんとともに、再び共同トイレへ向かいました。
 狭い廊下を、超肉体を有したスフィー姉さんが、のしのし歩きます。
 後ろからの絶え間ない圧迫感に、リアンは気が狂いそうでスよ。
「ここでス」
「そんなにスゴイの?」
「んな、他人事みたいに・・・」
「だって〜・・・」
「いいから見てほしいでスな」
「どれどれ―――」
 かちゃ・・・


(※BGMはボレロ)


 トイレの小窓から、漏れ出る朝日。
 逆光。
 見上げるほどの、尖塔。
「・・・」
「・・・増えてる?」

 バタンッ!

「な、なにあれ・・・!?」
「出した本人が、なに顔色悪くしてまスかッ!」
「あ、ある意味、奇跡だよね・・・自画自賛だけど」
「奇怪な評価をしないでください!」

 そこへ・・・

「ねぇ・・・なに、やってるの?」
 おふッ!?
「な、ななななっ、なつみん!?」
「ヘンなニックネームつけないで」
「なつみさん。な、なにゆえこんな場所へッ!?」
「なにゆえ・・・って―――」
 なつみさんは、怒ったような、呆れたような、表情で言います。
「トイレいくのに理由がいるの?」

 
 ――ヒトを助けるのに、理由がいるのかい?


 はッ!
 リアンの脳髄にこだまする、真摯な微笑み!!
 前髪の横ンところがクルクルしているこの娘サンは!
 もしや、某四角い会社の大作RPG最新作の主人公、猿少年の生まれ変わり
なのでスか!?
 そういえば、その風貌は近似・・・してませんね!
 してませんけど、別にいいのです!
 さぁ、角少女を、角少女を出すのです!
「角少女を!」
「は?」
「なんでもないでスよ、スィートガール」
 リアン、朝からアドレナリン出し過ぎですね!
「なつみさん、そこまでして・・・あんたトイレに行きたいのかッ!」
「逆ギレ!?」
「似たようなものです。確かな証拠もなしに、今、この奇跡の小部屋への入室
を許可するわけにはいきませんッ! なつみさん、あんた、なぜにトイレへ!」
「ここは、社員寮唯一のおトイレ・・・だし。朝だし、そりゃあ、わたしだっ
って、ホラ・・・その・・・」
 恥じらい!
 リアンにはないソレが、この不良娘には備わっているのでスか!?
 ニュータイプか畜生!
「って、だからトイレだっていってるじゃない! いいからソコ、どいてよ」
「ダメです! ダメダメ! リアン、死んでもここをどかないッ! だって、
リアンの死守するこの扉の向こうには、地獄の業火が広がっているからッ!
死のイナゴが群れをなして、なつみんの入室を待っているから!!」
「はぁ?」
「天指しそびえるビック・ベン! 時を告げるは誰のため! 誰のためぇ!」
「もぉ、いいからのいてよ」
 グイッ!
「あン!」
 非力なリアンは、雷帝の強力の前になす術もありません!
「ダ、ダメェェェェェェェェェェ!!!!!!」

 あけちゃだめ! あけないで!

 ――そこには、人類の暴挙が生み出した、史上最大の悪夢がまっている!

「解けない呪いもあるのでス!!!!」
「なに言ってンだか」
 なつみんは、あたりまえのように、共同トイレの扉を―― 

 かちゃ・・・

「・・・」
「・・・」
「・・・アレ?」

 なにも・・・なにもない?

 幻だったって言うの!?

 リアンがみた、怪獣の子供は、幻だったの?

「ちょっと・・・いつまで覗いてるの。あっちいってよ。いまからするんだか
ら。・・・音も聞かないでね」
「あ、そ、そうですね・・・ごめんなさい」
 ・・・
 ?
 これはいったい・・・
「ふぅ、なんとか間に合ったよ〜☆」
 姉さん!?
 振り返ったリアンの前には、いつものチンチクリンの姉さんが・・・
 
 ロリロリの姉さんがッ!

「姉さん!? 身体が・・・」
 あ、そうか!!!
 リアン、大納得!!!

 ――リアーン、コレガ、ミラクルダァヨー!

 チューヤンの微笑が、リアンの心ではじけます!
「魔法ですね! 魔法を使ったンですね、姉さん!」
「その通り!」
 たしかに、魔法をつかえば、あの恐ろしい魔空物体Xも、た易く処理できる
のでスよね! リアン、感激でス!
「姉さん!」
「リアン!」

 がすぃ!!!

 ラヴ! ラヴでスよ姉さん!!
 リアン、姉さんのつるぺたボディに、心臓がポンプとしての役割を暴走させ
てまス!
 それは喜び、それは切ない、魂の喜びでス!
 ああン、童女特有のモチモチ感がたまらないッ!
「それはそれとして、姉さん―――」
「うん、なぁに?」
「例のものはどうなったんでスか? 魔法で小さくしたとか・・・」
「あ、違う違う。違うよ。転移させたの」
「転移? どこへでスか?」


「グエンディーナ」



 で、グエンディーナ。
 同時刻、グエンディーナ王は謁見の間にいた。
 傷だらけで駆け込んできた他国の使者。
「お・・・恐れ多くも、グエンディーナ王に申し上げ・・・ます・・・」
 全身に傷を負い、這いずるようにして王城へ駆け込んだ使者の姿に、長らく
平和に甘んじていた王城の宦官たちは狼狽した。
(いったいなにが起こっているというのか!?)
「我が祖国、バイストンなんとかは、消滅。オ、オオタ・・・オオタカナコが!」
 彼は、グエンディーナに迫る、未曾有の危機を知らせるためにやってきたの
だった。
 恐るべき闇のチカラが、世界を滅ぼすために暗躍しているという。
「して、その敵”オオタカナコ”とは、いったいどのような―――」
 その時だ。

 パァァ・・・

 暖かな光が、謁見の間に溢れる。
「国王!」
 慌てる部下を、王は鷹揚に制した。
「慌てずともよい。これは転移魔法の光・・・」
 おそらくは、異世界へ行った愛娘、スフィーの仕業だろう。
 向こうから、何かをこちらへ飛ばしたらしい。
(ふむ、そういえば・・・)
 国王は、見たことも無い異世界へ行くというのに、天真爛漫そのものの笑みをうか
べて、意気揚揚と出かけた愛娘、スフィーのことを思い返す。
 そういえば、むこうの世界へ行く際、スフィーは、
「お土産、送ってあげるからねー!」
 と、言っていた。
 おそらく、その、お土産というやつであろう。
 父としては、お土産よりも、愛娘達の健康の方が気になるが・・・
 まぁ、こんなものを送ってくるのだから、悪いということもないだろう。
 しかし――
(・・・あいかわらずタイミングの悪いヤツだ)
 思わず苦笑する。
 事態が事態だけに、笑っている場合でもないのだが・・・
「本当に大丈夫なのですか、国王!?」
 若輩の宦官は、まだ動揺している。
 国王は苦笑して、言った。
「ふふ、これはな、スフィーのお土産で―――」

 暖かな光の内側から、何かが出現した。

(※しつこいようだが、BGMは、ボレロだ)


 ふぁぁぁ・・・・

 光につつまれ、重力に逆らって、ソレは浮いていた。
 美しい。
 そう・・・言いたくはないのだが・・・
 それは・・・、その光景は、美しくすら、あった。
 いや、正確には――

 魔術の燐光が、そう錯覚させていた。

 誰もが、息を呑む。
 息も絶え絶えだった他国からの使者も、思わず、その重大な使命を忘れた。
 みんな、「一体、どんなにスゴイお土産なのだろう」と、本気で思っていた。
 心には、感動するための準備がととのっていた。
 だが―――
 現実とは無情なものである。
「ッ!?」
 『ソレ』が一体なにかを確認した瞬間、その場にいた全員が硬直した。

 一応・・・

 国王が気にしていた、愛娘の健康状態を、容易に知ることが出来る―――

 そんな物体だった。

 それは・・・
 それは、スフィーが、五月雨製鉄社員寮の共同トイレから、転移させたもの
である。
 トイレから・・・グエンディーナへ。
 
 娘から、父へ。

 お土産といえば―――
 まぁ、お土産なのかもしれなかった。


「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」


 ドスンッ!


 スゴイ音がした。
 着地したらしい。
 国王は、茫然自失の状態だったので、何も見えていなかった。
 数秒後には気絶してしまう。
 最後に聞いたのは、もっとも信頼していた部下の、
「あれが・・・お土産?」
 の一言である。


 掃除は、大変の一言につきた。    

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 よ、読んじゃいました?
 そうですか。
 ごめんなさい。
 苦情はメールでのみ、受け付けます。(汗)

http://www.interq.or.jp/black/chemical/