女の一念 投稿者:MIO 投稿日:5月9日(火)00時53分
 由綺が、俺に見せたいものがあると言う。

「はぁっ!!!」

 おおっ!!!
 ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ
 由綺が・・・
 ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ

 由綺が分身しているっ!!!

「ねぇ、冬弥君っ! スゴイでしょ! バルタンみたいでしょ!」

 分身した由綺が、得意満面の笑顔で俺に問う。
 無邪気な様子の由綺に、俺も頬を緩めて頷いた。

「ああ! スゴイぞ!」

 ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ

 しかし、いったいどこまで増えるんだろうか・・・
「ねぇ、冬弥君っ!」
「なんだ?」
「わたし、ニンジャの修行したの!」
「ああ、見ればわかる!」
「すごいよね! 習得しちゃった! すごいよね!」
 すごいすごい。
 でも―――
「どうしてまた、ニンジャの修行なんかしたんだ?」



「浮気野郎を、ぶっ殺すためだよ」


 そうか。
 俺をか。

 11人の由綺が、いっせいに刀を抜き放ち・・・
 俺は・・・


 静かにまぶたを閉じた。

http://www.interq.or.jp/black/chemical/