由綺が、俺に見せたいものがあると言う。 「はぁっ!!!」 おおっ!!! ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ 由綺が・・・ ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ 由綺が分身しているっ!!! 「ねぇ、冬弥君っ! スゴイでしょ! バルタンみたいでしょ!」 分身した由綺が、得意満面の笑顔で俺に問う。 無邪気な様子の由綺に、俺も頬を緩めて頷いた。 「ああ! スゴイぞ!」 ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ しかし、いったいどこまで増えるんだろうか・・・ 「ねぇ、冬弥君っ!」 「なんだ?」 「わたし、ニンジャの修行したの!」 「ああ、見ればわかる!」 「すごいよね! 習得しちゃった! すごいよね!」 すごいすごい。 でも――― 「どうしてまた、ニンジャの修行なんかしたんだ?」 「浮気野郎を、ぶっ殺すためだよ」 そうか。 俺をか。 11人の由綺が、いっせいに刀を抜き放ち・・・ 俺は・・・ 静かにまぶたを閉じた。http://www.interq.or.jp/black/chemical/