流石は金持ち。 来栖川の豪邸ってのは、なんでもかんでも本物だ。 あのキレイな絵も、壺も、みぃんな名のある代物だろう。 みぃんな、本物だ。 スゲェな。 「ときに綾香・・・」 「ん、なに?」 「あれは―――」 あれはなんだ。 綾香は、「ああ、あれ?」と言って、ため息を漏らし・・・ 「ベイブ・ルースよ」 「なにっ!?」 俺の声が聞こえたのか、肥り気味の外人が、ゆっくりとこちらを向く。 「・・・」(ゴクリ) 目が合った。 外人の口がモゴモゴと動き、それは――― (ユーには・・・ミーより多くホームランが打てるかなァ?) 「・・・っ!?」 「ちょっと・・・、どうしたの?」 「・・・」 「浩之? ちょっと、大丈夫!?」 「・・・やか・・・だ・・・」 「え? なに? 聞こえな―――」 「綾香!!!!」 「は、はい!?」 「とりあえず缶コーヒーだっ!!!」 ===================================== カキーーーーーン! 「ク、クレイジー・・・!」 http://www.interq.or.jp/black/chemical/