瑞穂の細腕三畳紀  投稿者:MIO


 藍原瑞穂  社会人一年生の過激少女。
 大庭詠美  不死身のタフガイにして、常に頭上に死兆星を輝かせる女。
 太田香奈子 現在も雫商事でスパイ活動中。
 保科智子  大暴れ委員長。おさげを自在に操る。槍の名手。
 月島拓也  元悪徳商事社員、現在来栖川に捕まっている。
 坂下好恵  社員研修において、瑞穂の教官だった。
 セリオ   メタルスです。ごっつんこ。
 柏木初音  マンモスホテル鶴来屋のマスコット。
 宮内レミィ 来栖川電工アジスアベバ支部支部長。裏世界との繋がりがある。
 アーノルド・リー・バーク 実在の人物。ヒマな人は、調べてみるも一興。

【前回までのあらすじ】
 詠美の頭上に輝きつづける死兆星!
 瑞穂は、彼女の運命に絶望しながらも、最後の戦いへと赴く!
 場所はハルピン血涙島!
 敵は最強七原種!!
 しかし、ヤツらのパワーは、瑞穂の予想をはるかに超えていた!
 次々と倒れる中間達!
 爆破される秘密基地!
 炎上する京都!
 そして、最悪の合体破り!!!!
 最後の切り札であるファイナル瑞穂モードへのフュージョンを封じられた今!
 瑞穂に勝ち目はないのか!!!????
 そんな中! ついに敵の拡散波動砲が、瑞穂を捕らえる!
「なんてこった! 古代くん、君の責任だぁ!!!」
 絶叫する瑞穂! その時!
「ジャストモーメンッ!! ちょほぉっとまったぁ!!!!」
 瑞穂のピンチに、歴代ヒロインが大集合!
 瑞穂よ立ち上がれ!! 今こそ反撃のときだっ!!
「よぉぉっし!!! チェンジ! 瑞穂カイザーーーーッ!」

【ポルナレフ前回までのあらすじ】
 亀のポルナレフは、日光浴が大好き。
 今日もおひさまを体いっぱいに浴びて、のんびり甲羅干しです。
 おやおや?
 むこうから、かたつむりのハリーがやってきたよ。
 なんだかトラブルの予感。
 そうだ、二人の様子をちょっと覗いてみようか。

 『ぽるなれふと、ちょこれーと王子』の巻


【本編】

 其はとこしえに横たわる死者にあらねど
 測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるものなり


 そもそも太田香奈子は、悪徳商事にヘッドハンティングされるまで、『アーカム』と呼
ばれる超国家組織に属しており、最強のスプリガンであった。
 そんな彼女が、組織に命じられアーノルド・リー・バークの遺産である、『エレミヤ3
3・ファイル』を追ってNASAの最奥部に侵入したのは、二年前の12月24日のこと
である。
 そこで彼女は、いかなる運命の悪戯か、四人の男女と運命的な出会いをすることとなっ
た。
 一人は屈強な男であり、もう一人は美しい女、そして、あまり顔の似ていない兄と妹だ。
 この出会いは、すぐさま二つの物語を紡ぎ出す事になる。
 藤原という頬に火傷を負った男と、柏木という冷たい瞳をした女と、それに太田香奈子
を加えた物語は、あまりにも辛辣で哀しい喜劇だった。
 しかしそれは、本筋とはあまり関係が無い事である、よってその物語の結末は、また別
の機会に譲ることにしよう。
 さて―――
 今回は、月島という姓でくくられた一組の兄妹と、太田香奈子との物語について話そう。
 
 彼と彼女は出会った。

 それは、ある意味運命的であったし、何者かの作意があったような気配もある。
 どちらにしろ、二人の間に起こったことは、避けようが無かった。
 だが、ラブロマンスというやつには、いつだって障害がつきまとう。
 最大の問題は・・・
 それは彼の責任ではないにしろ、彼は歪んでしまっていたということ。
 それに対して、彼女の愛は純粋で・・・、哀しいかな、献身を伴うほどに強い想いだっ
たということ。
 当時同僚であった亀のポルナレフの忠告も聞かず、香奈子は信じた。
 彼の愛を信じた。
 だが・・・歪みは、ついに解消されることはなかったのである・・・
 歪みは連鎖的に膨らんで、さまざまな人々を巻き込み、破局へと向かい続けた。
 太田香奈子がその歪みの原因を知ることになるのは、全てが崩壊した後の事である。
「くすくすくすくすくす・・・」
 歪みの名は、月島瑠璃子といった。
「ねぇ香奈子ちゃん・・・アンテナ三本立ってる?」
 彼の妹にして、当時NASAの職員から―――


 『エレミヤの寵児』と呼ばれていた少女である。

 

 瑞穂の細腕三畳紀
 ――鶴来屋の陰謀編――
 第18795会『藍原瑞穂の人生でポン』


「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ど、どうかしましたかっ!? いきなり無茶なアバンタイトルから入ったんで、ビビリ
まくりですか!? 今後の展開読めませんか? 大丈夫です瑞穂も読めません、読めませ
んが心の一メガは、野鳥の会の如くすばやく、且つ、神経質にカウントしつづけておりま
す!」カチカチカチカチカチカチ・・・
 眼鏡っコを愛する偏執的な人々は、社会から爪弾きにされるかも知れませんが、なにか
と存在を忘れられがちな『雫』のヒロイン藍原瑞穂は、彼等を確保する事で今日まで生き
長らえてきたのです! 栄養補給の日々!
 辛かった日々、忘れ得ぬ日々、苦痛を伴う強化人間への手術! やたらでっかくて黒い
MSで、愛する人と戦わなければならない運命! 苦労して倒した相手が実は、B級妖怪
であったという衝撃の展開! 人面岩から出現した謎の巨大ロボット! そして、ついに
現れる、脳みそむき出しの黒い人造人間! 
 ああ、黄金の夜明けナントカっていうメガネ信仰団体がなけりゃ、わたし今ごろは網走
の塀の中で雪中行軍です! 冬の八甲田には魔物がいるです!
 な、おがた!

◆
「ふぇっ・・・くしゅっ!」
「兄さん風邪?」
「・・・いや、誰か俺の噂をしているらしいな」
「・・・」
「・・・」
「あの『おがた』って、兄さん事を言ってるんじゃないのよ!?」
「えっ、うそっ!?」(がびーん)
◆

 う・・・なんか雑音が混じりましたね。
「あたしが、いきかええってるぅぅぅっ! こんなてんかい、あたしのマンガじゃぜぇっ
たいやらないんだから! こぉんなエキセントリックなてんかい、あやあやしかおもいつ
かないんだからぁぁぁぁっ! むむぅぅぅ、これは温泉パンダのきょーあくないんぼーに
違いないわぁぁぁっ!」
「なんか『すず』なみにひらがなばっかりですよっ! もっと漢字を勉強してください! 
漢字を勉強するにはやはり三国志ですね、三国一の三国志、三国れんたろーもビックリで
す!  熱海バナナワニ園の誓いってやつです! 敵は曹操軍百万です!」
「ひゃ、ひゃくまん? ふみゅぅ、勝てるかなぁ? かずきてつだってくれるかなぁ?」
「大丈夫です詠美さん、古来より人の恋路を邪魔すヤツァ、馬キックの刑―――」

「おんどりゃ仕事せんかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいいっ!!!」

 炸裂音と共に、薬莢が中を舞います。
 火薬によって押し出された『おさげ』が、わたしと詠美さんの顔面を強かに打ちつけま
した。
「くっ! レッドショルダー!?」
 ちくちくしてとっても激痛です。
 瑞穂は、その甘い嫉妬の感情にも似た痛みに、きゅっと耐えました!
 この激痛に耐える事によって、瑞穂はカエル越しに岩を叩き割る事が可能になるので
す!! 修行によって、瑞穂の霊気は大充実! おばあさんの状態から、ヘルメットをか
ぶったサルの状態までゲッチュするのです!
 そして、超能力探偵に「きみは猿だ!」とかいわれるのです!
 ひどいやエノさん!
「ええから、仕事しぃ」
「仕事といわれましても・・・、みずピーなにしたらいいんですか?」
「営業やろがい」
「はいはいはーーーい、ちょお女帝のえいみちゃんはなにしたらいーでーすーかぁ〜」
「コピー機が壊れたから、コピー機の代わりな」
「みゅん」
 さらば詠美さん! そのまま南太平洋はルルイエに消えるがよいです。
 不定形の触手の餌食になるがよいのです。
「今、触手という単語に反応してしまったアナタ! アナタはもうだめです! 今後幸せ
な恋愛が出来そうにありません! でも努力次第です! 足りない分はガッツで補いまし
ょう! 緑の石は、あなたをヨグソトートの元へ導くでしょう!」
「なんでやねん」
「なんでですかねぇ?」
「無責任な発言すなやっ!」
 すぱんっ!
 いずこから取り出したものか、ケント紙仕立ての白いハリセンが、保科部長の手に握ら
れていました。
 瑞ピーは、ハリセンでチョップ食らったのです。ハイ。
「痛いです! 香奈子ちゃんのビンタと違って、全然まったく愛が無いです!」
「ふん、六甲おろし仕込みのハリセンチョップにゃ、愛なんぞこもっとらんわい!」
「・・・ちっ、このデカパイ神戸牛が!」
「・・・あぁん!?」
「うっ! 保科部長、スゴイ殺気です!」
「・・・」
「ま、またハリセンチョップですか?」
 YES! YES! YES! YES!
「よ、良かった! ・・・大阪名物パチパチなんとかじゃないだけマシ―――」
 NO! NO! NO! NO! NO! NO! NO! NO!
「え? あっ・・・う、うそ・・・」
「・・・」
「も、もしかして・・・」
「・・・」
「もしかして、両方ですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」


 YES! YES! YES! YES! YES! YES! YES! YES!


「ドララララララララララララララララララララララララララララララララッ!!」
 スパパパパパパパパパパパパパパパパッ!
 ペコパコペコパコペコパコペコパコペコパコッ!
「いててててててててっててててててぇててててててっててててててっ!!!」
 保科部長は、散々わたしを叩いて「ふぅ〜ヤレヤレだぜ」とため息を吐きました。
「ほな、藍原さん? 携帯の番号教えといて、社からTEL入れることがあるさかいな」
 カーロ○・リベラ(ベネズエラ出身)にサンドバックにされた気分です・・・
 と・・・携帯電話?
「はい! みずピーは携帯を持っていません! ピッチもです! 日進月歩というよりも、
あわただしく魔術書を綴る、余命幾ばくも無い狂えるアラビア人の如く進んでいく昨今の
技術! その大河の流れに逆らうかのごとく、人生を一歩一歩確かに歩んでいる瑞穂に、
携帯電話という、糸電話の未来形態は似合わないんじゃないかと思います! それはつま
り、瑞穂の身体に流れる緑色の血と、やたらにデカイバックルのついた秘密の変身ベルト
故のミクロ決死圏であります! 打倒アク○イヤー! ハイル・イルパラ―――」
「なんや、社会人にもなって携帯ひとつ持ってへんの?」
「正直言うと、前の会社って、異常に携帯電話が繋がらなかったんです! それに会社の
連絡は個人の意志が無線で(さらに言及するなら無断で)上司に伝播されるという、画期
的なシステムのもとに・・・」
「あーわかった、わかった・・・ほなな・・・どーしようか・・・。そやな、セリオ一体
連れて行きぃ」
「なるほど、流行のイリジウムですね!?」
「ま、そんなとこやな、秘書課のヤツ以外なら、どれでも連れて外出してええで」
「さんきゅーでぇす!」

 ってワケで、わたくし瑞穂は、リリンがほこる現代文明の構築せしめた文化の極み、メ
イドロボを連れて歩くのです。
 わたしは、緑の髪で三刀流のマルチタイプと、ぎんぎらボディが熱いセリオタイプのど
ちらにしようか迷いましたが、良く考えたら軟体人間でも海賊でもないわたしには、緑の
髪のマルチは不釣り合い。
 ここはいっちょ、ナイスバディかつぎんぎらボディでさりげない、セリオタイプにしま
しょう。
 嗚呼、この胸のまろやかな膨らみが、香奈子ちゃんを思い出します。
「瑞穂」
「あ、香奈子ちゃん、わたしね今日は初めての営業―――」
 パン!
「あっ!」
 香奈子ちゃんのビンタ! 愛が溢れてる! 愛が溢れてるよっ!
 香奈子ちゃんのためなら、わたしは東京大学をめざせる! 目指して、落ちて、浪人生
になって温泉つきの女子寮に住むんです! 
「藍原さん」
 パン
「あぅっ!?」
 カルシウムの不足した瑞穂の頭蓋骨が、不穏な音を立てて金色に光ります。
「な、なにをするんですか! セリオさん!」
「いえ、廊下の真ん中で身悶えていると、お客様の迷惑になるかと思い、ごっつんこ」
「お客だぁ!? それより、セリオさん! あなたアイザック・アシモフの三原則を知ら
ないんですか? 実は手塚治虫の方が先に考えていたって俗説もあるんですが、それにつ
いての信憑性云々は、一体どうお考えになっていらっしゃるんですか?」
「もっともですごっつんこ、それは―――」


「わたし、お兄ちゃんが大好きだよぅ」


「!?」
「!?」
 なんつー無意味な、それでいて男心(だんしん)を、ぐぐっとフィッシュする台詞!?
 振り返ったわたしの前に立っていたのは、頭頂部に死兆星を貫かんばかりにそそり立つ
金色のスライディング・サーベルを装備した、謎の美少女でした。
 その青い瞳は、きっとわたしのクランブル・ポイントをサーチしているにちがいありま
せん!
 わたしはすばやく白い布をかぶりました!
 こうすると放射能をカットできると、アメリカ空軍にいる頃、上官殿に教わったのであ
ります! あの上官、今ではポ○モンカードのために児童虐待を行い、全国指名手配だと
か! 人間どうなるかわからないもんですね! 
 いや、全然関係ないですがね!
「鶴来屋の宣伝部長、柏木初音さんです、ごっつんこ」
 柏木初音?
 なるほど、それならばこのどう見ても小学生にしか見えない体躯と、日本人場慣れした
金色の髪の色もうなずけるというもの。
 突然変異! 
 彼女がウワサの、映画にでまくるちびっこ女優にして、マンモスホテル鶴来屋のマスコ
ット兼宣伝部長、柏木初音ですか? 表の顔はアイドルで、裏の顔は殺し屋ってくらい不
自然な設定です! それいったら、考古学者で保険調査員で、元特殊部隊の教官ってーの
も、かなり不自然ですね! 足でピアノ弾くくらい不自然です!
 ちなみに、香奈子ちゃんは弾けます!
 香奈子ちゃんは、足で『アマデウス』を弾く事が出来る、ビックリ人間です!
 は〜ビックリビックリ。

「もぉ、お兄ちゃんのえっち!」

 うぐぅ!? なんという破壊力抜群の台詞ですか!?
 にっこり、ヒマワリさんの如く微笑む美少女の魅力炸裂です!
 どーして赤いランドセルを背負ってますか?
 ちなみに、瑞穂は小学校のころ、オレンジ色のランドセルを背負っていたのでいじめら
れました! 超能力で仕返ししましたが!!!

◆
「兄さん、頭が痛いよ!」
「理奈! しっかりしろ! ほら、バ○ァリンだ!」
「半額にしろぉぉっ!」
「わっ!? 誰だ君は!」
◆

 負けませんよっ! 瑞穂だってヒロイン!
 小動物ごときに、ヒロイン・オブ・リーフの座を渡してなるものですか!
 くらえ、坂下師匠直伝!

「もぉ、香奈子ちゃんのえっち!」

 きゅっ、くいっ、ぼいーん!
「うふふふ、師匠が毎晩鏡の前でやってる技を盗んだのです! これで香奈子ちゃんも瑞
穂にメロメロ―――」

「瑞穂!」

 激痛

「痛い! じゃあこれ夢じゃないんだね!」
「45%値下げ!」
「なにが?」
「・・・」
「・・・」
「瑞穂のあかんたれ!」
 ズバンッ!
「ぎゃっ!」


 そんないつもの風景を、忌々しい表情で見つめる、一人の少女がいた。
「あのガール・・・、ついに来栖川にきーたデースかー」
 来栖川電工アジスアベバ支部支部長、宮内レミィその人である。



『一方その頃、ポルナレフの周辺事情!!!』

 ポルナレフと別れたブラインド・ベルは、グリーンの元に戻った。
 重要な用件とは言え、依頼主の元を離れることは本意ではない。グリーンからの指示が
なかったら、原則としてこんな事は絶対にしないのだ。
(とはいえ、たかだが十五分だからな・・・)
 彼の隠蔽工作は完璧だった。
 CIAが最新の技術を駆使し、全力でかかっても、グリーンの居場所を発見するのに三
日はかかるだろう・・・。なによりグリーン自身が腕の良い元KGB諜報員なのだから心
配などしてはいなかった。プロ意識の問題なのである。
 だが・・・
「!?」
 グリーンのジャンクショップ、『ハイジ』の扉を開けるベル、その鼻孔に飛び込んでき
たのは、陰惨な血の香りだったのである。
「くそっ!」
 慌てて銃を構えたベルは、ゆっくりと辺りを見回し、ソレを見つけた。
 血にまみれた毛皮・・・
 苦悶の表情を浮かべた、アルプス鳴きウサギの死体だった・・・
「っ!」
(グリーン!)
 竹馬の友であり、依頼者だった男の無残な姿が、ベルの目に焼き付いて離れない。
(誰がやりやがった! ちくしょう! CIAの黒服か!? NASAの六部衆か!?)
 どれも違うはずだ、やつらの技術でこの場所が見つかるはずが―――
 そこまで考えて、ベルは思い至った。
(一人だけいる)
 CIAでもNASAでも出来ない事を、やってのけれる女が、一人だけ・・・
 そうだ、こんなことが可能なヤツは、アイツしかいない!

「貴様が―――ブラインド・ベルか」

 ぞっとするほど冷たい女の声が、背後から投げかけられた。
「貴様が・・・貴様がやりやがったんだな」
 ベルは銃を握り締める。グリーンを殺した女は、真後ろだ・・・
「やっぱりテメェが出てきたか、お―――」
「プリンセス・エレミヤの秘密・・・ポルナレフに渡ったのなら、貴様らに用はない」
「まさか・・・お、俺達を利用したってのか!?」
「そうだ」
「くっ!」
 振り向きざま、ベルは発砲した。サイレンサーの効果でプシュッという間の抜けた音だ
けが響く・・・・が、
「いない!?」
「ここだ」
 背後!?
「―――死ね」
「けっ! 俺は死体だ! これ以上殺せるはずが・・・」

 ―――吾式王子八面頬之使役ス、此レ招カ不ノ六道、山ミサキヲ食フ者哉

「なっ!?」

 ブラインド・ベルは・・・死体であることすら許されなかった。



 次回!
 瑞穂がかっぽかっぽして、セリオがガッポガッポする急展開!
 見逃すな!
 次回『踊る炎の大捜査線! レッツ男心(だんしん)!』のウワサ!
 来週も、世界平和だっ!


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 う・・・今回長いですよね。
 ごめんなさい。



http://www.interq.or.jp/black/chemical/