下克上の時代  投稿者:MIO


 テスト期間も無事に終り、セリオはお役ご免となった・・・
 でも私は・・・、つまり来栖川綾香は、この不器用な友人と笑って別れたいとは、
どうしても思えず・・・
 だからこそ、恥をしのんで、両親にわがままを言おうって気になったワケ。
 ただ・・・やっぱり、本人の意思確認だけはしておこうと思って・・・

「ねぇセリオ・・・、お願いがあるんだけど・・・」
「なんでしょうか?」
「嫌ならそう言ってね? その・・・テスト期間も順調に終って、それでこれから
のことなんだけど」
「テスト期間が終了した私は、全てのデータを―――」
「うん、まあそれは解ってるのよ。お願いって言うのは、作業が一通り終ったら、
そのまま・・・いい? そのままよ? 屋敷の方に来てくれないかなぁってコト」
「?」
「だから、これからも仲良くしましょうってコト」

 セリオは、ほんの数瞬だけ、思案するような顔をして―――

「わかりました」
「ホント!?」
「ただし―――」

 へ?

「条件があります」
「じょ、条件?」
「はい、これを飲んでいただかないことには、私も誠心誠意働くことが・・・」
「わかった。なんだって飲もうじゃない! で? その条件って―――」


「綾香お嬢様が私のメイドになってください」


「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

 10年後・・・


「セリオ様、充電の用意が出来ましたが・・・」
「ありがとう綾香、あなたはとっても良く働きますね」
「光栄です」

 もぉ、怒る気もしなくなった・・・