瑞穂の細腕倦怠期  投稿者:MIO


―――人物紹介。

藍原瑞穂     モジ子。
大庭詠美     覇界大帝。
太田香奈子    暗躍者。
神岸あかり    熊博士。
藤田浩之     女体博士。
保科智子     槍の名手。
姫川琴音GX   リミピッド・チャンネル。
マルチ      メタルスに超進化。
セリオ      同じくメタルスに超進化。
ポルナレフ    亀。
グリーン     アルプス鳴きウサギ。
ブラインド・ベル 白人男性の死体。


「よぉ、君がウワサの派遣社員か? えーと・・・」
「藍原瑞穂です、みずピーって呼ぶことを正式に承認します」
「サンキュ、で、みずピー? そっちのコは・・・」
「はい、大庭詠美さんです。えっと、死に掛けてますけど生きてます、生きてるからには
殺人罪は発生しません!」
「そっか、でも殺人未遂にはなるんじゃねぇの」
「正当防衛と信じます。裁判官には、良識と慈悲のある、清い精神の保有を望みます! 神
の名においてこれを鈍器でどつく、我に罪なし!」
「なるほどね、よぉっく解ったぜ」


 真・瑞穂の細腕シリーズ
  瑞穂の細腕倦怠期
 ――久遠の皇女編――


 はいはいどーーーーーーーーーーもっ!
 全国一億五千万とんで二十四トンの眼鏡っ娘ファンのみなさん! おまたせしました!
 今日本で一番な女の子! 瑞穂の登場です!!!!!!
 え、なにが一番なのかって?
「そりゃ、香奈子ちゃんへの愛情―――」
「瑞穂、蚊がいるっ!」
 パンッ!
「あン!」
 音速で炸裂した香奈子ちゃんの平手打ちが、瑞穂の顔面にめり込みます!
「ぐふっ!!」
 ザ○とは違うのだよ! ○クとはっ!
 ってなワケで今日も叩かれちゃいました! でも平気です、何故なら香奈子ちゃんのび
んたにはエネルゴンがあふれているから! だから、瑞穂の体内に流れる緑色の血は、香
奈子ちゃんにぶたれるたびに赤い色へと近づいていくのです! それがめくるめく愛憎の
日々への第一歩!
 香奈子ちゃんのびんたエネルギー万々歳! 東方先生万々歳! まんせー!!!
 この喜び、香奈子ちゃんにも分けてあげたいナ!
「食らえ! 香奈子ちゃん! 25年ぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーんち!」
 25年パンチ! それは、自らの寿命25年分を消費して繰り出す、地上最大の爆発
力!! たいそーくんもよーしくんも、てつぎゅーくんもだいさくんもぎんれいくんも、
ろじゃーもどろしーも、みぃんな諸刃の剣なのです! 食らえ空飛ぶ大怪獣Qよ!!!!
 背中の星型のあざは、光り輝く人間爆弾の証也! 肉弾幸なり!
「もぉ、これ以上の犠牲は、沢山だぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 ―――なら、もうやめて! 兄様ぁ!

「ジエメイ!?」
 しまった! 一瞬の隙は命と等価!!!
「打突の瞬間に気を取られるとは何事か! 太田さんバニシング・フィスト!!」
 ほんの一刹那だけ動きを止めた私の隙を突きに突きまくり、五分間の無呼吸運動が可能
なのだよ的な、香奈子ちゃんの一撃が突き刺さります!
「ぐぁっ! デ、デカルチャ・・・」
「先に抜いたのは、お前ぇさんだぜ・・・」
 香奈子ちゃんのキメ台詞を耳にしながら、私は大地に倒れ伏しました。
 ドサッ
「ってわけでぇ、復活したちょお女帝のえいみちゃんが、つかえないアマアマメガネっ娘
の代わりに、現在のじょーきょーをせつめいするわ!」
 おっ、復活しましたね、大庭詠美こと悪魔将軍さん! 前回あれだけ叩かれて生きてる
なんて、なんだか知的生命体としての常識を張るかに超えてますが、良く考えたら全然知
的生命体じゃないですね。胸が大きいのはその証拠ですが、これは偏見に満ちた現代社会
の落とし穴! 目に見えるものだけが全てではありません、そうよねモルダ?  
 コントロールメタルを破壊しなかったのは慈悲! 生きているのは瑞穂のおかげ!  
 ありがたく思うにょ!
「ったく、落ち着きのないヤツらだなぁ」
「こいつ! この目の前にいる、やぶにらみのざこけー男性キャラはふじたひろゆき! 
わたしたちのどーりょーよ、そいからね、そいから―――」
「だらだら説明してちゃいけません! 瑞穂の瑞は、瑞々しいの瑞! 穂は稲穂の穂!!
お百姓さんありがとう、瑞穂はちゃんと八十八回ご飯を噛みます! ちゃいるど万最秘
奥! 我は放つ、エスメラルダ・スプラッシュ&ウンテン!!! まうんてぇぇぇん!」
「ふっふっふぅ〜! やっぱあまあまちゃ〜ん!」
「余裕の態度!?」
 詠美さんの額に埋め込まれた金属球が、スリットから光を放ちました。
 出現したアラブの巨人が詠美さんを包み込みます、呼ばれて飛び出てパパラパァ!
「ゲキガンティック! くわえてぇぇぇ!!!! ハイメガスマッシャーーーーッ!!」  
 迸る閃光!!!
 女海賊が一生懸命投げる、エメラルドの嵐が勝つか!?
 それとも、木製トカゲを一瞬にして消滅させる、波動の力が勝つのかしら!?
 二人の幽波モン的なアレが今! 最大出力でぇぇぇっ!


「浩之ちゃ〜ん、お弁当だよぅ〜♪」


「!?」
「!?」
 すさまじい殺気に、瑞穂は思わず動きを止めました!
 そしてそれは、詠美さんも同じだったのです! 質量すら持って迫る極限の波動! 殺
意のエネルギー! 瑞穂の首筋に刻まれた生け贄の烙印が、途方もない激痛を発しまし
た! パターンレッド!? これは使徒どころの話じゃないです、まさか・・・神の手!? 
 振り返った私たちが見たものは!
「く、熊のスタンド!? あ・・・新たなスタンド使いですよ、詠美さん!」
「っていうか、かなりだっせんしてるような気がしないでもないけど、そうねみずピ
ー!!」
 私たちは見詰め合い、そして頷き合います。
 思いは一つ! 

「倒せ鬼畜べーえーーーーー!!!」

「やかましいわっ!」
 ビシッ!
 茶色のヘビのようなものが、私の腕に巻きつきました。なあに、この術! 蛇使い達は
忍者軍団に始末させたはずなのに! 
「あ・・・部長!?」
 すると、私の腕に巻きついているこれは・・・
「おさげ!」
「そうや!」
「保科智子部長・・・来栖川グループ十傑衆の一人! 保科智子こと、大暴れ委員長!」
「・・・そのとおり」
 ふふん、と鼻で笑う保科部長。
「止めないでください! 瑞穂は、来栖川の科学力が世界で一番であることを証明しなけ
れば成らず―――」
「相手の力量も読めんと、よぉそんなことが言えるな!」
「え!」
「見てみぃ! あれは幽波モンなんて生易しいモンやない!」
 保科部長が、びしっと指差した先には、藤田さんに手作りのお弁当を手渡す神岸係長の
姿、そして―――
「やーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 両腕をくるくる回しながら神岸係長に向かっていく詠美さん!
 いけない! 詠美さんは私が出遅れていることを知りません!
 そして・・・
「出たでぇっ!」
「あ、あれは・・・」
 詠美さんの接近を察した神岸係長は、懐から松ぼっくりを取り出すと、がつがつと食ら
いました!

 ◆
 一方その頃、姫川琴音GX 
「来る・・・来るよ・・・来るよ・・・エレミヤ!」
 ◆

 ドギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
「!?」
 神岸係長の体から膨大な量の巫力が溢れ出る!
 VoVoVoVoVoVoVoVoVo!
 フィフィフィフィフィフィフィフィフィ!
 こ、これは・・・イレイザーの音色! し、しかしこんな音は聞いたことが在りません! 
 轟音と突風が吹き荒れる中、保科部長は叫びました。
「見るんや藍原さん! あれが! あれがスコットランド・ヤードを一晩で壊滅させた、神岸係長の持ち霊にして、極秘最強のG・F―――」



―――破裂の熊人形


 頭震!!
 閃光!
 爆音! 
 衝撃波!
 滅びの呪文と共に開放される、秘石青水のチカラ!
「眼が、眼がぁぁぁぁ!」
 詠美さんの絶叫!
「詠美さぁぁぁぁぁぁぁん!?」
 そして後に残されたのは・・・
「え、詠美さん・・・そんな・・・」
 塩の柱と化した詠美さんの姿なのでした。
 カラン・・・
 詠美さんのコントロールメタルが、私の足元に転がります。
「つ、強い・・・」
 いいえ! 強いなんてものじゃない!
「あんな・・・あんなものが人間であるはずがないです!」
 VoVoVoVoVoVoVoと、未だに大地を震わせるイレーザーエンジンの鼓動! 
係長のそばにいたばっかりに、巻き添えを食って塩の柱と化した藤田浩之さん! おいお
いと泣き叫ぶ係長! 泣くくらいならやらなきゃいいのに? そんなことはありません! 
血を流す、涙を流す、それを知った上で、あえて踏み出す者たちがいるのです! そうい
った者は、人間を、ゲノムの鎖を越える可能性を持つ!
 ですが!
「あの強さは、三只眼並じゃないですか・・・非常識すぎる!」
「そうや、神岸あかり係長はな、ただの人間やない! AF計画の犠牲者なんや!」
「AF! あ、あかりファイヤー計画の・・・そうか、改造人間なんですね!」
 か、改造人間! まさか本物に会えるなんて! 後でサインをGETだぜ!
 かいわれまきまき!

・ ・・初めてライダーショーを見たときの、藤岡弘な興奮で瑞穂は興奮していました。
 ですから、保科部長の呟いた言葉を、私は聞き逃してしまったのです。
 それは、大変重要な言葉だったのですが―――


「・・・エレミヤの後継・・・か」


 一方その頃のポルナレフ!

「グリーン! どういうことなんだ! ハリーが操られているって、そりゃあ・・・」
 取り乱した俺に、グリーンは、
「全部は話せねぇ、命があぶねぇからな。その代わり、ブラインド・ベルが教えてくれる
だろうよ」
 ヤツは顎で、俺の足元を指す。
 視線を落とすと、いつのまにか足元に、20代の白人男性の死体が転がっていた。
「久しぶりだな、ポルナレフ」
「ブラインド・ベル・・・」
 ブラインド・ベル、通称B・B。凄腕の隠し屋だ。
 隠し屋、それは、依頼人に日常生活を送らせながらも、特定の人物の目から依頼人を隠
し続けることを生業とする裏の世界の仕事人のことだ。
 ただ、これほど困難な仕事もなく、業界で隠し屋を名乗れる人間は、スコットランドの
トーマス、北京の劉晋、そして、秋葉原のブラインド・ベルくらいのものである。
 CIAに命を狙われているグリーンが、こうしてのんびりと店を営んでいられるのも、
ブラインド・ベルの手腕によるところが大きい。
 確かにこの男なら、命に関わるような危機に教われようとも、怖いものはないはずだっ
た、CIAを欺ける手腕もそうだが、この男、既に死んでいるのである。
 死人は、それ以上殺しようがない。
「しばらく見ないうちに、老けたなポルナレフ」
「亀は長生きだからな、気にしないさ・・・、そういうお前こそ、腐敗が進んでるぜ」
「仕事が忙しくてよ、防腐剤を浴びるヒマもねぇや。それより―――」
 ブラインド・ベルは声を落とした。死人なので表情はわからないが、声はかなり緊張し
ているようである。死後硬直が解け、ぐったりとした白色の体からも、緊迫した雰囲気が
感じ取れた。
「ここじゃまずい。グリーンの手前、愚は冒せねぇ・・・」
「わかった、それじゃ近くの喫茶店にでも」
「ダメだ、公園にしよう。喫茶店で死体はマズイだろう」
「・・・それもそうだな」
 俺とブラインド・ベルは、二人して店を出た。
 道すがら俺達は一言も喋らなかった、普段はおしゃべりなベルがだんまりを決め込んで
いると、多少の不安が持ち上がってくる。
 この凄腕の隠し屋が慎重になる黒幕というのは、一体誰なのか・・・
 そして、もし本当にハリーが操られているというのなら、俺はハリーとどう対峙すれば
いい? ヤツが俺の同僚を抹殺した事実は、変わることがないんだ・・・

「そろそろ教えてくれてもいいだろう・・・」
 俺の問いに答えず、ベルは煙草を要求した。
 俺は黙って、ベルの冷たい唇に煙草を押し込むと、火を着けてやる。
 ゆらゆらと紫煙が漂った。
「そうだな・・・、後悔、しないか?」
「するはずがない。俺は・・・後悔しないと決めて、ここに来た」
 そうだったな、とベルは頷き、そして話し始めた。
「今回のハリーの暴走は、ミーランの死にある。愛人を殺されたハリーは逆上し、愛人を
陥れたヤツらに復讐を誓った―――ポルナレフ、おまえと愉快な中間たちのことだ」
「それは―――」
「そう、誤解なんだろう。だがな、ヤツは友情より、誰かの入れ知恵の方をを信じこんじ
まったのさ」
「入れ知恵? ・・・誰に? そいつが黒幕なのか?」
「落ち着けよ。いいか、ミーランの死は自業自得だったんだ」
「自業自得?」
「NASAの職員だったミーランは、ある極秘の計画に従事していた。おまえも知ってい
るはずだ、南極の秘密基地、そしてエリア51において推し進められていた―――」
「プロジェクトコード『プリンセス・エレミヤ』か・・・」
 『久遠の皇女計画』。それは、NASAが全力を傾けていた極秘の計画の一つだ。
 だが、それは計画の中核たる―――
「まさか!!!」
「そうだ。ミーランは『ディスク』と『プリンセス』を強奪し、行方をくらました。」
「強奪犯はヤツだったのか・・・しかし、逃げ切れるものじゃない・・・」
「そうだ、ミーランはNASA六部衆によって、カレーを千杯食わされて死んだ。だが、『ディスク』も『プリンセス』も、既にミーランの手を離れていた。事の拡大を恐れた当
局は、関係者の抹殺を図った」
「そこでミーランの愛人、ハリーに目を付ける。ハリーは体よく利用されたってワケか」
 黒幕は・・・NASAだって言うのか。
 まさに灯台下暗し、足元をすくわれた気分だぜ。
「ポルナレフ、実はな、それだけじゃねぇんだ・・・ホラ、おまえの主人で、今来栖川を
産業スパイしてる・・・なんて言ったっけ」
「藍原みずピー」
「そう、そいつ、ヤバイかもしれねぇぜ?」
「なに?」
「ミーランが強奪した『ディスク』と『プリンセス』・・・どうなったと思う?」
「どうなったって・・・そりゃ、どこかの国に・・・」
「それが違うんだよ。『ディスク』と『プリンセス』は、それぞれ―――」
 ベルの言葉は、俺を混乱させるには十分すぎた。


 ―――それぞれ、来栖川と悪徳商事に渡ったんだよ。



次回! 『藍原瑞穂の人生でポン』
  君んちに、宇宙人いる?


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 長いっス。
 hp作ったのになんでカキコしているのか? ってカンジです。
 ちなみに、物語がシリアスになることは考え難いです。
 ぶらぼー。
http://www..interq.or.jp/black/chemical/