瑞穂の細腕誕生日  投稿者:MIO


とってもおかしな人物紹介
 藍原瑞穂  ゆかいな社会人一年生。弱気だが横柄。
 柳川さん  冷酷無情な殺人鬼。瑞穂のコーチ。
 太田さん  瑞穂の親友。極度のサディスト。
 おネギ夫人 病気。
 ポルナレフ 生体理工学など数々の博士号を取得している天才亀。
       オルゴンエネルギーの発見、ディーンドライブの完成などでノーベル
       賞を授与された経験もある。
       また、ミリオンセラーを記録した著書『甲羅の隙間に6セント』や、
       数々の特許により、その年収は買主をはるかに上回る。


前回までのあらすじ
 
「来栖川グループの産業スパイの座、あなたみたいなヒヨッ子には、わたしません
ことよっ!!!!」
「だあれっ!?」
「む? 貴様は―――おネギ夫人?」
「ね、ねぎっ!?」


 真 瑞穂の細腕シリーズ‘99
 ―――旅情編―――
第?怪『君が未来に託すもの・・・』


 億千万のホタルたちと戯れながら、その女性は現れた。
「おほほほほほほほほほほほほほっ!」
 日本アルプスに響き渡る、高慢ちき極まりない高笑い。
 とっても耳障り。
 もぉ、瑞穂の耳は水○一郎しか受け付けないんだから!
 とは言え、やっぱり気になります、このもったいぶった登場、MIOが半分寝こ
けながら思い付いたダサダサのニックネーム・・・
 おネギ夫人と呼ばれるその人の正体は!?

「ちょお女帝、大庭詠美のとうじょーなぁのぉだぁぁぁぁ」

「お、大庭詠美!?」
「ふあぁ〜・・・ねむぅい」
 やる気ナッシング!?
「藍原瑞穂! 紹介しよう」
「すんな」
「聞け」
 柳川さんがとっても怖い顔をしました。
 ブチ切れモードの○ッツみたいです。デビ○マンって言ったほうが解りやすいか
しら?
 いいえ、う○おを食べ損なったと○の表情にも似てなくも無いです。
 似て無いです。
 っていうか、どうでもいよね、テヘッ☆
「大庭詠美・・・貴様と同じ新入社員だ」
「ワリに偉そうっスね」
「女帝だもぉん」
 かぁ〜っ、マジでやる気ナッシングJAN
「彼女は本来なら、こみっくパーティーに入社するはずだったのだが・・・」
「こみっくパーティー!? こみっくパーティー!? あいや こみっくパーティ!?」
「何故繰り返す」
「俺の歌を聴いて欲しいからです。ぜんと○ーでぃにもめると○んでぃーにもま○
どぅーくにもぷろと○びるんにも、そして銀河にも!」
「サブカルチャー!」
「ご主人、それ違うっス」
 まー、別にいいの! だって、みずピーの歌は、香奈子ちゃんだけに聞こえてい
ればいいんだもの。香奈子ちゃぁん。
「瑞穂、左頬を出す」
「うん」
 ぱん!
「あン、とっても痛い!」
 さ、滞りまくっていた説明の続き!
 某、東洋人という以外は全てが謎の凄腕暗殺者シリーズみたいに、バカみたいに
むやみに長い説明だから、読みたくない人は読まないでいいです。
 その代わり、貴方の夢枕に河島はるかさんのお兄さんの亡霊が立ちます!
 ラッキー!
 さて、『こみっくパーティー』ってのは、世界征服を掲げる変人社長のもと、業
界制覇を目指して爆進する大手出版社!!
 有能ならば学歴を問わずにガンガン採用するけれど、その反面、採用試験がめち
ゃくちゃ厳しいという面倒くさい会社なの! ふぅ〜、やれやれだぜ。
 初夏の段階で行われた第一次就職活動において、生還率が0.00001%をき
ったといわれる魔の戦場! ハンターになるくらい大変! 
 まさに、就職戦線のスマトラ!! 
 実力者のみが生き残れる就職のジャングル!!
「そんな『こみパ』を蹴って、こんな悪徳商事に!?」
「こんなとはなんだ」
「ふんふんふ〜んだ! あたしはねぇ、『こみパ』なんか行かなくても、ちょおエ
リートなんだから、ちょお仕事できるんだからぁ。だいたいあたし、温泉パンダな
んかといっしょのオフィスいらんないもぉ〜ん」
「あのあのあのあの、みずピー疑問に思ったんですけど。ひらがなばっか使ってる
と、登場のときと矛盾が生じるのでは?」
「やぁっぱアマアマちゃんねぇ〜。いいのよ、そんなの、どおとでもなんだから。
だいたい、このSSでつじつま合わせとか考えるほーがヘンなのよぉ」
「実は学科試験で『こみパ』に落ちましたってオチが、今からバレバレでもいいん
でしょおか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「とっ、とにかく!」
 詠美さんは、私に向かって唾をガンガン飛ばします。このまま唾をかぶり、べと
べとになって家に帰り、シャワーを浴びようとすると、血のつながらない妹の入浴
シーンを見ることが出来ますが、私は女の子だから必要無いです。香奈子ちゃんの
入浴シーなら見たいです。
「てっぺっぺ!」
 そーらんあれま、迫り来る唾液の弾丸!!
「零式鉄Q 防弾形態!!! と見せかけて、ぷぷぷっ!!」
 私は、飛んできた全ての唾を、スイカの種で打ち落としました。
 ああ、朝ご飯が時期はずれのスイカで良かった。
「不毛だな・・・」
 柳川部長の言うとおりです、なんて無意味な攻防戦だろう。それでも、詠美さん
は私の事をライバルと認めたようでした。
「勝負よみずぴぃ!」
「はぁ」
「漫画よ!」
「産業スパイと漫画にどんな関係があるんでしょうか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ふみぃ」
「・・・」
「では、勝負の方法は俺が決めてやろう・・・・安産勝負でどうだ?」
 ラマーズ!?
「・・・え、ええっと、誰の子を孕めば良いのでしょうか?」
「やだやだやだやだぁっ!」
「あの、みずピーとしては、香奈子ちゃんか祐介さんがいいです。柳川部長はちょっ
とキビシイです」
「やだやだやだやだやだやだやだやだっ!!!!!!!」
「香奈子ちゃんと、おっきなホテルのスゥイートで仕込むのがベストだと提案しち
ゃいます! みずピー、香奈子ちゃんが好き好きです!!」
「やだぁやだやだやだやだやだやだやだやだっ!! ど、どどどどど、どうせなら
・・・パ、パンダがいいもぉん! パンダだめ? ふみぃ・・・じゃ、かずきでいい」


「間違えた・・・暗算勝負だ」
 

「柳川部長、ナイスおちゃめ!」
「ヘイ! ナイスおちゃめワン!」
「ナイスおちゃめワン! ヘイヘイヘイヘ〜イ!!!」
「しまってこ〜!」
 というわけで、私と詠美さんは、コンビを組んで来栖川に乗りこむ事になったのです。
 絶体絶命のピンチの中、ついに発進する『みずピーマシン』!!
 人の命は尽きるとも、不滅のちから『みずピーバスター』!!!
 香奈子ちゃん、私に世界を革命するちからを!!!!
 ってなわけで、次回は来栖川で神岸さんと亜光速戦闘です、おたのしみに!


 その頃のポルナレフ

 前回、かたつむりのハリーの放った凶弾に倒れた俺の後輩、ジョニー・A・パー
コフは、本人の生前からの希望により青山墓地に埋葬された。
 小雨の降りしきる中、神父の唱える不自然な読経が、暗く響いている。
「いつまで、こんな事が続くんだろう・・・」
 三郎の言葉に、神父は思わず読経を中断する。そして、皆と同じように深くうな
だれた。
 元傭兵のカネギン神父はキリンである。うなだれたその顔は、神父と棺をはさん
で正反対の場所にいた俺の、すぐ目の前にあった。
「カネギン神父、読経を続けてくれ。それがジョニーの望みだ」
「あ、ああ・・・すまなかったポルナレフ」
 再開された読経を聞き流しながら、俺は空を見上げる。
(まったくだ、いつまでこんな事が続くんだろう・・・)
 止まない雨は無いじゃない、はかないGパンは無いじゃない・・・誰の言葉だっ
たか。
 いつか終るのか・・・それは、いつなのか? いったい何人死ねば終るんだ?
 誰かが幕を引くまでは・・・続くってことなのか。
 それなら・・・
「ポルナレフ」
 葬式だというのに、真っ赤なドレスを着たミシェルが、不安げな表情で俺に寄り
添った。
 今日の葬式では、ミシェルとジョニーの家族だけが、人類ヒト科だ。
「・・・ミシェル、俺は・・・」
 俺は、彼女の顔から目をそらす。そらした視線の先には、ジョニーの眠る大きな棺があった。

 ―――ポルーナレーフさーん、ハリーは、可哀相な蝸牛ネー・・・

 そうだな・・・そうだなジョニー。
 もうこれ以上逃げるわけにはいかない、俺のためにも、ヤツのためにも!

「ミシェル、俺はハリーを殺す!」



 次回『戦慄! 黒いみずピー!』に、ご期待下さい!