揮発直前の記憶  投稿者:MIO


 夕日が赤い・・・
「ふっ、目に染みるぜ・・・」
 じゅっ!

「ぎゃーーーーーーーーーーーーーっ!」

「濃硫酸の目薬・・・」
「目が! 目が! 目がぁっ!!!」
 ゴロゴロゴロゴロ・・・
「目がぁーーーーーーーー!!!」
「・・・」
「ハァハァハァ・・・危なく失明するところだった!」
「・・・相変わらず不死身だね」
「神岸さん! 俺は負けません! 貴女への愛ゆえにっ!!!!」
「・・・いつか・・・」
「え?」
 じゅっ!

「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーす!!」




 ―――閑話休題―――


「神岸さん! いままで黙っていたのですが―――」
「永久に黙っていれば良かったのに」
「そうもいきません! 今日は、俺の誕生日なのですよ!!!!」
「うん」
「へ?」
 待て待て! なんかおかしいぞ!?
 俺の予想してた神岸さんの反応は、『じゃあ、生まれた日に死ね!』とか言って、
俺を車道に蹴飛ばすっていう・・・
「今日って、矢島君の誕生日なんでしょ?」
「え・・・ええ」
「知ってたよ」
「・・・」
「・・・」
 し、知って!?
「・・・や」
「?」



「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


 神岸さんが、俺の誕生日を憶えて―――
「じゃあ私帰るね。バイバイ、矢島君。また明日」(←社交辞令)
「あ、さようなら・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ハッ!?」
 まさか・・・
「・・・」
 お
 お 
 お
「お―――」



「憶えてただけ! ってオチかっ!?」



 今年も一人サ!

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 ロクに設定のないキャラは、誕生日すら好き勝手にできるなぁ・・・