(E) 投稿者:MIO
 大学生になったからって、一日中遊んでても良いわけじゃない。
 大学生には、アレだ、ホラ、レポートってのがある。

「ぐー・・・・すぅ・・・むにゃ」
  
 って、ワケで俺が久しぶりに、勉強にいそしんでいると、
 コンコン
「・・・ふが?」
 俺の部屋のドアを叩く音。
 
「ご主人様ぁ〜、ちょっとよろしいですかぁ〜?」

 なんだ、マルチか。
「おう、入れ入れ」
「失礼しますー」
 恭しくドアを開けたマルチは、
「えいっ!」
 と叫ぶや否や、ころり、と前転をして見せた。
 エヘヘと笑う。

「どうですか?」

 なにがだ。
「まあ、それはそれとして・・・マルチ」
「はい」
「なんか用か?」
 俺の問いに、マルチは『そうそれなんです、まさにそれ』と大げさに頷いた。
「実は私、お掃除の途中に、とっても格好良いポーズを考えたんです」
「ポーズだぁ?」
「そうなんですよ! それでぜひ、ご主人様にも見てもらおうと思って!」
 興奮を隠し切れない様子のマルチは、俺の返事も聞かずに、二三歩下がった。
 どうやら、その『格好良いポーズ』ってのをやるらしい。
「お、おい・・・」
「では行きますよ! やーーーーーーーーーーーーーーっ!」
「!?」

 ずびぃしぃぃぃぃぃっ!!! ずぎゃずっぎゃ、ずごがぁぁぁぁぁぁんんっ!

「お、おぉ・・・」
 なんだ、この震えは!?
 心の底から湧き上がる、魂の震え!
 鳥肌が立つ!
 胸が熱くなる!
 涙が溢れて止まらない!


「どうですか、ご主人様?」

「くっ・・・」
 ちくしょうっ! ちくしょうちくしょうちくしょぅっ!!!!!
 スゲェ、カッコイイじゃねぇかっ!!!

 カッコよすぎるっ!!!


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 その格好良さと言ったら、アンタ、もう・・・
 とても文章ではっ!
 とてもじゃないが、文章などではっ!!!