マルチとセリオ、二人のメイドロボが座っている。 小さいけれど、可愛い喫茶店の隅の席で、向かい合って座っている。 マルチはニコニコ、セリオは無表情、そんな風に座っている。 やがて・・・ 「お待たせしました」 二人の前に、プリンが置かれる。 黄色く震えている。 白いクリームが乗っている。 チェリーが添えてある。 「セリオさん、ここのお店のプリンは、美味しいって評判なんですよー」 「そのようですね」 「食べてみましょー!」 「はい」 ぱく 「セリオさん、美味しいですかぁ?」 ぱく 「わかりません。マルチさんはどうですか?」 ぱく 「はい、私もわからないんですよぉ」 ぱく 「・・・」 ぱくぱくぱくぱく・・・・ 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「でも・・・」 マルチはにっこり笑って言った。 「ちょっとだけ、美味しい気がします!」 セリオも頷く。 「私も・・・ちょっとだけ、美味しい気がします」 ぱくぱくぱくぱく・・・