瑞穂の細腕囲碁将棋 投稿者:MIO
いや、なんとなく続けようかなぁって・・・
でも、ちくしょう! 冬眠が近い!

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登場人物紹介

『雫商事のゆかいな面々』

藍原瑞穂   希望に燃えるピチピチの新入社員。でも辞めた。
月島瑠璃子  仕事が出来て美人で奇天烈。人間電波発振器。
長瀬祐介   前回、受付であることが判明。親類にまともな人間がいない。
太田香奈子  クールでドライな瑞穂の親友。実は産業スパイ。
新城沙織   自称瑞穂のライバルで、同僚のOL。デカパイ。
ポルナレフ  亀。
  
【部長と社員と瑞穂の誤算】

 私は藍原瑞穂。
「あはははっ、ダメねポルナレフ、もう3連敗よ」
「シルバ―――っ」
「ホントに神経衰弱が下手なんだから」
「チャリオッ!」
 会社を辞めた私は、毎日を遊んで暮らしていました。
 楽しくて、楽チンだけど・・・なんだか・・・
「アブゥドゥ―――っ」
「そうね・・・ポルナレフの言うとおりだわ・・・」
 でも・・・私はもう、やっていく自信が・・・
 その時です!
 バンッ
 ドアの破壊をもくろんだとしか思えないような勢いで、私の部屋のドアが開け放たれま
した!
 立っていたのはレッド・ヘアーのデビルでした!
「ちょっと、みずピーッ!!」
「・・・さ、沙織さん?」
 新城沙織さん(デカパイ)は、怒り心頭と言った様子です。怒髪天を衝くとはこのこと
ですな。おでこで目玉焼きが焼けそうです。
「聞いたわよっ!」
「何をですか?」
「だから、会社を辞めるって話をよっ!」
「えっ、誰か辞めるんですか!?」
「・・・」
「・・・」
「くああああぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
 沙織さん(デカパイ)は、喉の奥から異様な怪鳥音を発して、部屋の硝子を割ります。
頭をバリバリ掻きむしって、あんたはどうしてそうボケボケしてるのよ、みたいなこと
を叫んで、もう一度、
「くえええっ!」
 と叫びました。すると、沙織さんの目がグルンと裏返り、白目をむいたかと思うと、泡
を吹いて倒れてしまいました。
 どさっ・・・
 300万Hzの超音波メスで、人類を苦しめ続けた悪鬼サオリーンは、ついに北方の大
地に倒れたのです!
 んでも。
「・・・・何しに来たんだろう」
 とりあえず、沙織さんをベットに寝かして介抱していると・・・
「うぅ・・・」
「沙織さん!? 目が覚めたんですか!?」
 沙織さんは、ゆっくりと瞼を開くと、弱々しい声で呟きます。
 その声はかすれてしまって、まるで老婆のようでした。
「辞表は・・・・」
「沙織さん・・・」
 私は、そこでやっと理解しました。
 沙織さんは、私に仕事を辞めるなと・・・そう言いに来たんです。
 こんなに傷ついてまで・・・
「辞めるちゃダメ・・・」
「分かりました沙織さん、私もう一度頑張ります!」
 私の言葉に、沙織さんは涙目で、ウンウンと何度も頷きました。
 震える手が、私の頬を撫でます。
「辞表は、まだ、受理されて・・・な、ないの・・・」
「受理されていないっ!? 本当ですか!?」
「ほ、本当よ・・・部長は、明日の午後5時まで待ってくれるって」
「さ、沙織さん、もう喋らないで!」
 しかし、沙織さんは首を横に振ります。
「私はもうダメ・・・、だから・・・」
 だから・・・
 そう言った沙織さんの身体が、金色の光に包まれました。
「合体よっ!」
「合体!?」


 その時、月島瑠璃子は夕焼けを眺めながら、歌を歌っていた。
「か〜ら〜す〜、なぜなくの〜」
くすくすくすくすくすくす・・・・・
手には、瑞穂の辞表を持っている。


 次回予告!!
 9回裏! ツーアウトという状況下で、塁に出た人間は一人もいなかった!!
 しかも100点差!!
 チーム『みずピーズ』は、この圧倒的な状況を覆せるのか!!??
 全てに絶望しながらも、バッターボックスへ向かう満身創痍の瑞穂!!
 その時、監督月島瑠璃子が立ち上がった!!
「バッター交代!! 代打、ポルナレフ!!!」
 極限状態のチームを救うため、今、たった一匹のカメが立ち上がる!!
 最強のライバルチーム『エルクゥズ』を倒せるのか!?
 秘策『ダイヤモンド打法』とは!?
 そして、瑞穂の兄は生きているのか!!?
 すべての謎が今開かされる!!!
 ついに、『頑張れ! 熱血みずピーズ!!』感動の最終回!
 明日はどっちだ!?

次回【逆境社員】

太田「あたしは、負けると思うなぁ」