昨日、街へ出かけた私は、新しい靴を買いました。 可愛くて、尖った靴です。 私は、今日の藤田さんとのデートに、この可愛い靴を履いていく事にしました。 藤田さん・・・気に入ってくれるといいな。 「おはよう、琴音ちゃん!」 「あ、藤田さん・・・」 「ごめん、約束の時間に、ちょっと遅れちまった・・・」 時計をちらりと見ると、約束の10時から十分過ぎていました。 いいです、これくらい・・・ 私、藤田さんと一緒に入れるだけで、十分幸せですから・・・ 「いいんです、でも、なにかあったんですか?」 「え、ああ・・・」 藤田さんは、恥ずかしそうに頭を掻くと――― 「あかりのヤツが、俺を起こすのに手間取って・・・」 ドスッ! 「ぐあっ!」 藤田さんの体が、くの字に折れ曲がります。 彼のみぞおちには、私の尖った靴がめり込んでいました。 「藤田さん、私、新しい靴を買ったんです」 「へ、へぇ・・・可愛いじゃん・・・・尖ってるし」 「そうなんです」 ドスッ! 「ぐはぁっ!」 藤田さんの奥歯が、折れて宙を舞いました。 「藤田さん、今日はどこに連れていってくれるんですか?」 「う、うん・・・遊園地とか」 「わぁ・・・嬉しいな」 藤田さんはヨロヨロと立ち上がると、私の手を取って歩き出しました。 手を握られただけで、私の頬は上気していしまいます。 付き合い始めて一ヶ月・・・、でも、やっぱり恥ずかしいんです。 「あ、ところで藤田さん・・・今日はどうして遅れたんですか?」 「あかりが―――」 ドスッ! 「おぐっ!?」 「・・・どうして遅れたんですか?」 「ははは、寝坊しちゃって!」 もう、藤田さんって、とってもお寝坊さん♪