それは、俺がまだ小さかったころの話だ・・・ ”ボス家だいだい之はか” 「うぅ・・・ボスが死じまったよ」 愛犬の死に、みっともなく身を震わせる俺。 でも、隣にいたあかりは俺以上に悲しそうな顔で、 「浩之ちゃん・・・」 俺の手をキュッと握る。 「あかり・・・」 あかりは、俺の手を握ったまま、泣きそうだった顔を無理にほころばせ・・・ 「昔のヒトはね、赤犬の肉をよく食べたんだって」 「なぜ、今その話をする」