三人が同じ男を 投稿者:MIO
 ども、太田よ。
 今日は、珍しく四人で帰ってるの。
 アタシと瑞穂は言うまでもなく、新城さんと月島瑠璃子さんも一緒。
 別に、どうでもいいけどね。

「香奈子ちゃん、みんなで帰ると楽しいね」
「そうね、瑞穂」
 瑞穂の言葉に、適当に頷いた。
 私は別にどうでもいいの・・・
 まぁ、瑞穂が楽しいって言うなら、それはそれでいいことよね。
「ねぇねぇ、みんなでヤック行こうよ! るりるりもいくっしょ?」
「そうかもしれないね」
 この二人は、相変わらずだ。
 ところで・・・
 私は、ずっと前から気になっている事があった。
 この三人についてだ。
「ねぇ、あなたたちって・・・好きな人、同じなんでしょ?」
 よくもまぁ、そんなに仲良く―――
「えっ!? ウソ!」
 そう言ったのは新城さん。
 なんだ、知らなかったの・・・?
 正直、意外だ・・・だけど、もっと意外な事があった。
「そ、それは本当なの、香奈子ちゃん!」
 瑞穂まで・・・
「あ、あんたたち、本当に知らないの? 同じ人を好きなのに?」
 いままで、あんなに仲良くしてたじゃない。
 普通は、好きな人の話くらい、すると思うけどな・・・
「そうなのみずピー!? そうだったの!?」
「さ、さささ、沙織さん!?」
「あ、蝶々だよ」
 このコたちって・・・
「・・・」
「・・・」
「・・・」
 あら? 三人とも黙っちゃった。
 と、思ったら・・・
「ねぇ、せーので好きな人の名前を言おうよ!」
「は、はい。せーので、好きな人の名前を言いましょう!」
「フルネームね」
「はい、フルネームです」
「イモ虫発見」
「瑠璃子さんも、せーので言ってくださいね」
「そうかもしれないね」
 三人は、お互いの顔をちらちら見ながら・・・
「「「せ〜のぉ!」」」

「長瀬祐介!」
「な、長瀬祐介!」
「ツインテール」

 三人は、一斉に叫ぶと「やっぱり」と顔を見合わせた。
「うひぃ〜! 今あかされる驚愕の新事実ぅ!」
「ど、どどど、どうしよう・・・沙織さんや月島さんがライバルなんて・・・」
「蝶々まてまて、蝶々まてまて・・・」
「そんなことない! みずピーだって可愛いよ!」
「そ、そんな・・・でも、沙織さんだって美人だし・・・」
「えっ? えへへ、そうかなぁ?」
「あ、電波だ・・・」
「でも、これからも仲良くしようね!」
「はい! お互いがんばりましょう」
「そうかもしれないね・・・」

 結局、この三人の仲が変わる事はなかった。
 ただ・・・

 一人だけ、ツインテールって言ったコがいる。