「?」 学校から帰る途中、道に迷った私は、変な看板を見つけました。 そもそも、私ことHMX−12マルチが道に迷ったのは――― 『よぉマルチ! バス停までの近道教えてやるよ!』 『え? あ・・・でも私、道とか覚えるの苦手なんですー』 『いいからいいから! 俺が案内してやるって』 そして・・・ は、はぐれてしまいましたーーーーっ! 私が藪のカマキリに見とれている間に、浩之さんは消えてしまったんですーっ! ううっ・・・浩之さぁん・・・置いていかないでくださぁい! 「うっ、うっ・・・ヒック・・・ぷえっ! うえうぅ・・・」 散々泣いた私は、さすがに泣いてばかりもいられないと、勇気を振 り絞って歩き出した・・・は、いいんですが。 「こ、ここどこなんですかぁーーーーっ!?」 わ、わかりませーーーーーーんっ! その時です、とっても困っている私の眼前に、一枚の看板が現れたのは! 『香坂に注意!!』 どういう意味でしょうか? ・・・も、もしかしたら、近くに看板を立てた人がいるかもしれません! そうですね! そうに決まってます! よかったぁ、電話も出来ないから、とっても困ってたんです! これで、やぁっと、家に帰れますー!! うふふ、自然に顔がほころんでしまいますね。 私は、とっても楽しい気持ちで、薮の中を進みました。 「らららら、るりるら、らららら〜♪」 ガサッ! 「らら・・・えっ!?」 ガサガサガサガサーーーーーーーーーッ! バッ!! 「葵ーーーーーーーーーーっ! エクストリームなんかやめて、空手部に来な さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーいっっっっ!!!」 「ぅきゃあっ!!!??」 突然の恐怖には、私は硬直し、そして・・・ 「うえ・・・・」 謎の女性(?)は、私に顔を近づけて、吠え続けます。 「綾香ぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 ううっ! コワイですーーーっ!! 「ひ、ひぇ・・・ゆ、許してくださぁーーーーいっ!」 「空手の破壊力はぁーーーーーーーーーーーーーっ!!?」 「・・・うう、ヒック・・・び、びえええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーんっ!」 「世界一ぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 「ひ、浩之ざぁーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!」 「のがぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 「うわーーーーんっ!」 「葵、カムバーーーーーーーーーーーーーック!!!」