なにが欲しいって、そりゃアンタ、チョコでしょ? 投稿者: MIO
私、雛山理緒っていいます。
家は貧乏だけど、清く正しく美しくをモットーにハングリーな生活を送っている
の。
こんな私にも、好きな人が出来ました。
藤田浩之君。
ぶっきらぼうだけど、貧乏人の人権を認める素敵な彼に、チョコレートを送りた
い!
というわけで、なけなしのお金をはたいて、チョコを買いました。
それはもう、素敵な・・・
「あ、あれっ!?」
チョコが、チョコがないわっ!?
どうして、ちゃんとここに・・・
「どうした、リオネーチャン?」
そう言って、良太がニカッと笑ったの。
純真で、なーんも考えてません、って感じの微笑み、そして・・・・
口の周りに、大量のチョコがべっとり。
「・・・」
「・・・」
「りょおおおおおぉぉぉったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」



鮮血の海に沈みゆく実の弟・・・
それは、凄惨で哀しいけれど、とっても美しい光景・・・でも、かまっ
ている暇はないわ!
どうしよう、どうしよう、どうしよう!?
「そうだっ!]


「藤田君! お金貸して!!」
「いいけどさ、なんにつかうんだ?」
「チョコ買うの!」
「チョコ? バレンタインの?」
「うん」
「・・・」
「・・・」
「買ったチョコ、誰にあげるんだ?」
「ええっと・・・あのね、そのぉ・・・藤田君なの」
「・・・俺のチョコを買うために、俺に金を借りるの?」
「うん、そのつもり」
「で? 借りた金はいつ返すつもり?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「しゅ、出世払ということで・・・」
「結局、俺は自分で買ったチョコを、自分で食べるんだな?」
「そういうことになるね」
「・・・」
「・・・」
「じゃ、いいや。 チョコ要らない」

「がーーーーーんっ!?」

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理緒ちゃん! 愛だよ! 愛のトッピングだ!
それでOKだから!
うん!
とりあえず、俺にチョコくれ!
な? とりあえずでいいからさぁ・・・