かえでちゃんウロウロ 投稿者: MIO
「ふあ〜ぁ・・・」
 ねみぃ。
 柏木家で休日を過ごすのはいいけど、1人で留守番ってのはヒマだな。
 千鶴さんはお仕事。
 梓は学校。
 楓ちゃんも、初音ちゃんも、学校だ。

「そういや・・・楓ちゃんは、早く帰るって言ってたな」
 理由は忘れたケド・・・なんか、早く帰ってくるらしい。
 そだ。
 帰ってきたら楓ちゃんと遊ぼう。
 トランプも人生ゲームも、楓ちゃんの方が強いから・・・街に繰り出すってのはどうだ?
 うん。いいな、それ・・・
 とか、考えているうちに・・・

「ぐー」
 
 俺は眠っていた・・・ 



 ガラララララッ・・・

 ただいま・・・・

 ガララララッ・・・ピシャ

 トコトコトコトコ・・・

 あ、耕一さんが寝ている。
「ぐかー」
 熟睡している。
 かわいい寝顔。
 ・・・・・
 ・・・・・
 なでなで・・・・・
「ん・・・・」
 なでてみた。
 楽しい。
 ・・・・
「くかーーーっ」
 起こそうかな。
「むごーっ」
 やめようかな。
「ぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・かーーーーっ」
 やめよう。
 おやつあるかな。
 
 トコトコトコトコ

 あった。
 羊羹。
 
『楓へ 耕一さんと分けて食べてください 千鶴より』

 ・・・・
 耕一さん。
「ぐーっ」
 私一人で食べよう。
 もぐもぐ・・・
 おいしい。
 耕一さん、私1人で食べたことは、秘密ですよ。
「ぐーっ・・・」
 よかった。
 ・・・・・
「くっかーーー」
 ・・・・
 なんだかつまらない。
 寝顔を見るのも、飽きてしまった。
 耕一さんで遊ぼう。
 ・・・・
 鼻をつまみます。
「むぎ・・・ふご・・・・ふがーーっ」
 たのしい。
 口をふさぎます。
「ぐ・・・・・・・・・う・・・・・・うえ・・・・・うぐ・・・・・」
 手を放します。
「ぷあっ・・・・はー、はー・・・」
 ちょっとドキドキしました。
 耕一さん、死なないで。
「ぐかーーっ」
 ・・・・
 次は・・・
「ぐーっ」
 台所に行こう。
 
 トコトコ
 
 
 あっ、コンニャクがある。
「ぐーっ」
 耕一さん、耕一さん、コンニャクを食べますか?
「くかーーーっ」
 そうですか。
 では、どうぞ。
「おぶ、むぐ、むげげっ・・・」
 さ、どうぞ。
「ぷえ、おえ、あげぇっ」
 遠慮なさらず。
「うごうご、るーがっ、むごふごー」
 あら、楽しい。
 まあ、楽しい。
 それそれそれそれ・・・・

「か、楓お姉ちゃん!?」
 あ、初音だ・・・
 見られちゃった。
「な、なにやってるの!?」
 それは、ほら、ええっと・・・
「耕一お兄ちゃんに、何してたの?」
 何って・・・

 コンニャクを・・・
 

 おわり