「神岸さん、俺、あなたのことが好きです!」 「私は、嫌いだよ」 「あなたのことを考えると、夜も眠れません!!」 「矢島くんがストーカーしてるんじゃないかって思うと、安眠もできないわ」 「あなたのことを考えると、メシも喉を通らないありさま!!」 「矢島くんのことを考えると、ご飯が不味くなるの。すごく迷惑よ」 「俺の頭の中は、あなたのことでいっぱいだ!」 「私の頭の中は、浩之ちゃんのことでいっぱいなの」 「俺は、君の優しいところが好きだ」 「私は、矢島くんに不用意に優しくしたことを、後悔してるわ」 「君の家庭的なところも好きだ!」 「別に、矢島くんのために家庭的なわけじゃないの」 「君は、思いやりのある、とてもいい人だ!」 「私は、矢島くんに重い槍を突き刺したい。矢島くんは私にとって、どうでもいい人なの」 「君は、よく気が付く人だ!」 「矢島くんは、少し鈍感すぎるよね」 「とても可愛い!」 「うん、浩之ちゃんもそう言ってくれるよ」 「だから好きだ!」 「何度でも言うけど、嫌い」 「・・・・」 「・・・・」 「僕のどこがダメなんだ!」 「矢島だから」 「もっと具体的に!」 「矢島っぽいところ」 「矢島っぽい・・・というと?」 「矢島くんが、矢島くんである限り、私は、未来永劫あなたのことを好きにならないわ。っていうか、私、 浩之ちゃんと付き合ってます」 「・・・」 「・・・」 「今すぐ、矢島っぽさを直すよ!そうしたら、つきあってくれ!」 「だからさ、そういう所が嫌いなの」 「じゃあ、どうすればいいんだ!」 「諦めれば?」 「ヤだ!」 最初に戻る。