僕は長瀬祐介。 電波が使える以外は、いたって根暗な高校生だ。 「どこへ行った!・・・・あっちだ!」 僕は今、謎の組織に追われていた。 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・。こ、ここで、ほとぼりが冷めるのを待つか・・・」 捕まれば、僕の命はない。 「ゆーーーーーくん!」 「うわっ!」 び、びっくりした・・・ 「なによー、私はこーんなに可愛いのに、なんでオバケに会ったみたいな顔するわけ?」 「沙織ちゃん、何でここに!?」 「なんでって・・・、私たち付き合ってるわけだし・・・」 答えになってない。 「とにかく沙織ちゃん!今は静かに」 僕が言うと、沙織ちゃんは、頬を、ぷう、と膨らませた。 「静かになんてできないよー!私たちが付き合い始めて、かれこれ一年になるのに、だーれも私たちが付き合 ってる事知らないんだよ!これは異常だよ!私思ったんだけどね、原因はひとえに、祐くんの淡白な性質にあ ると思うの!だって絶対変だもん!日曜日はデートしてるし、一緒にお昼も食べてるよね!?放課後も、祐くん が、バレー部終わるまで待ってるし、しかもその後一緒に帰るんだよ!」 「あ、あの・・・・」 「そうそう、手をつないで廊下を歩いたこともあったよね!それでもまったく効果無し、コレどういう事!?ねえ? どういう事なのー!!」 「さ、さあ・・・」 「もう!イライラする!そーいうハッキリしないところが、男としてダメダメなの!もちろん私にも責任はあるかも しれないよ!私の責任・・・・そうか!そうだよ!これは二人の問題なんだよね!二人の―――愛!!」 そこで、沙織ちゃんはホワーっとした表情になった。 「そうだよねー!私たち二人のLOVEのパワーで、どんな困難もガチンコだよ!うひゃっほー!」 「と、とにかく、静かにしてくれないかな・・・・」 「って言うか、私たちの付き合い方も改善しなくちゃね!もっとこう・・・・立体的かつ鋭角的に、まったりと、そし てとろけるように・・・。それでいて秋風のそよぐ、バラの花園・・・・。きゃーーーーーっ!いいよ!これすごくいい よ!ね?そう思うでしょ?うん、思うよね!じゃあ明日から、なんかそんな感じで頑張ろうよ!エイエイ、オーー ーーーーーッ!ついでに、ジャーーーーーーーンプ!アターーーーーーーーーーーーック!」 チャキッ 「見つけたぞ長瀬祐介!!」 「どわっ!?」 「ねぇねぇ祐くん、そのひと誰?」 「に、逃げるよ沙織ちゃん!」 「?」 僕は、一目散に駆け出した。 置いていくわけにもいかないので、沙織ちゃんを引っ張って走る! 「でねでね!祐くん!あのね!駅前にできたアイスクリーム・ショップがねー・・・・」 「頼むから、ちったぁ黙れっ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 秋休みなので、二週間ほど休みます。 よろしくー そういやー えのもとかなこって、ふぁてぃまたいけーだよねー