愛に生きる 投稿者:MIO
「こほっ、こほっ・・・」
 むむっ!?
「神岸さん!もしや風邪では?」
「う、うん。そう言えば少し熱っぽいかも・・・」
 これは・・・これは大変だ!!

 神岸あかりが風邪→悪性の可能性、無きにしも有らず→こじらすとヤバイかも→神岸あかり死す!?

「どうやら・・・俺の出番のようだ!」
「矢島君?」
「ここで待っていてください、神岸さ・・・否!あかりさんっ!!」
「?」

 俺はまず、オカルト部に飛び込んだ!
 バカ藤田のつてで知り合った来栖川先輩に、頭を下げる。
 先輩なら、何かパパッと風邪を治す方法を知っているはずだ!
「・・・・・」
「万病に効く薬がある、でも今は切らしている?どこにあるんですか!?俺が取ってきます!」
「・・・・・」
 俺は先輩に場所を聞くと、その足で羽田に向かい、機上の人となった。
 飛行機を乗り継ぐこと18時間。船に揺られること5時間の長旅である。
 俺は現地でガイドを雇い、険しい森林へ分け入った。
 ピラニアの川を渡り。大蛇の住む沼を越え。切り立った岩山を登った。
 途中、ガイドが
「この先は、悪魔の森だ、私は死にたくないから帰る」
 と言い出した。
 ひどくおびえるので、食料と水を受け取り、俺は一人で進むことにした。
 全ては、あかりさんのためだ!
 俺は進んだ!
 途中、首狩族に襲われる小さな村を発見。
 正義感の強い俺は、戦うことを決意。
 村人を説得し、首狩族にゲリラ戦を挑んで、これに勝利した。
 俺は、村の英雄と崇められた。
 そして・・・
 
 俺は、村長の娘と恋に落ちた・・・・

 だが、俺は涙を飲んで、結婚の話を断った!
 俺には!俺には待っている女性がいるのだっ!!

 俺は、必ずまた来ると約束し、村を後にした・・・
 さらにこの後、復讐に来た首狩族の酋長と一騎打ちをしたり。
 この森が『悪魔の森』と呼ばれる所以である、巨大な爬虫類と戦ったりした。
 熱病に冒され、生死の境をさ迷ったこともあった。
 だが俺は、すべてに勝利した!
 全ては、あかりさんのためだ!
 そしてついに・・・

 俺は、万病に効くという、伝説の薬草を手に入れた!!

「あかりさん・・・、今帰ります!貴女のもとへ!!!」
 俺は日本へ帰国した。
 家族に会いたいという衝動を我慢し、俺は一路あかりさんの元へ向かった!

「あかりさーん!」
「あ、矢島くん?どこ行ってたの?皆心配してたよ?」
 ああ、あかりさん!なんて愛らしいんだ!
 しかも、俺の心配までっ!!
「そーだぞ矢島。あんまり欠席してるとダブるぞ」
 黙れバカ藤田!
「そういえば!あかりさん!体調はどうですか!?俺は、風邪に効く薬草を採りに・・・」
 あかりさんは、俺の言葉に首をかしげた。
「風邪?」
「ホラ、一週間ぐらい前。お前、熱っぽいとか・・・」
「あ、そういえば・・・」
「大丈夫ですか、あかりさん!寝てなくていいんですか!?」
「て言うかさ。ありゃ一週間前だぞ、矢島」
 お前には聞いてない!
「あかりさん!」
「ああ、あの風邪はね―――」
 あかりさんは、可愛らしく微笑んだ。

「―――ウソウソ、仮病」

「え・・・・」
 仮病!?き、聞き間違いじゃないよな!?
「あかりのやつ、俺に心配して欲しくて、風邪ひいた振りしただってよ」
「だってー」
「あははははは」
「うふふふふふ」

 ・・・・・何?
「あ、矢島じゃん。アンタ今までどこに行ってたのよ?」
 長岡さん・・・・・
「あれは・・・、あの二人は・・・」
 長岡さんは、あかりさんとクソ藤田を見て、ああ、アレ?と言った。

「―――見りゃ解るでしょーが。付き合ってるのよ」

「付き合って・・・・・」
 そんな馬鹿な!!
「人間変われば変わるもんよねー。あのヒロが、昼真っからノロケるんだから」
 嘘だ!デタラメだっ!
「うううう・・・」
 俺の口からは、呻き声が漏れるばかりだ。
 混乱して、思考がまとまらない。
「いつから・・・」
「あん?」
 やめろ、そんなこと聞く必要は―――
「いつからあの二人は付き合って・・・・」
 なんて間抜けな質問だ。やっぱり、俺は混乱している。
「いつからって―――」
 混乱している俺を無視して、長岡さんは、当たり前のように言った。

「知らなかったの?一ヶ月前からよん」

 一ヶ月前!
 俺が、旅に出る前からじゃないか!!!
 俺は・・・・俺は何のために!?
 い、いかん・・・、なんだか意識がもうろうと・・・・
 長旅の疲れと、精神的ショックが一気に来て、俺は気を失った。

 薄れ行く意識の中で、やけに嬉しそうな長岡さんの声が聞こえる・・・・


「アハハ、今気づいたけど、矢島。アンタ『なすび』みたいな顔ねー」


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 ガサラキ見れない。
 それは別にいいが・・・
 雷電アーマー可愛いな、お腹がプックリしてて、とてもプリティーだ!
 それと・・・、ヒロインの髪型!!ありゃ絶対、散髪に失敗したんだな!!
 MIOも昔、親父に髪を切られたときに、あんな前髪になったぞ!
 あははははは、変だ!ありゃ変だ!(笑)
 ちくしょうっ!(怒)