私はセリオ。 今はお使いの途中である。 商店街を、目的の本屋に向かって歩く。 『ああっ!買い忘れてたわ!・・・・セリオちょっと買いに行ってきてくれる?』 格闘技専門誌『月刊 漢の拳』と『週刊 肉体の彫像』 私は千円札一枚握り締め、本屋へ・・・ 「セリオさーん!」 マルチさんの声だ。 振り替えると、マルチさんがパタパタと駆け寄ってくる。 「きゃっ」 転んだ。 私は駆け寄り、助け起こす。 大丈夫ですか? 「ううっ、すみませーん」 げらげらげら ? マルチさんは涙目だが、マルチさんから笑い声が聞こえる。 「また、転んでしまいましたー」 あっひゃっひゃ ? 何がおかしいのですか? 「はいー?」 マルチさん、何故笑っているのですか?本当に大丈夫ですか? 「?・・・ああ!」 マルチさんは、ポケットから小さな袋を取り出しました。 どうやら、笑い声の発生源は、その袋のようです。 「笑い袋ですー」 笑い袋・・・・ 「ご主人様の話によると、巷で大流行のオモチャで、持ってるだけで家内安全なんだそうですー」 袋を押すと・・・ げらげらげらげら おお・・・ 「防犯、痴漢撃退、憑き物落し、持ってるだけで幸せになれるうえ、UFOとの遭遇率も増すという・・・・」 もう一回押してみる。 ぐっ ゲララララララララララ おおう 「楽しいですよねー」 マルチさん 「はいー?」 これをどこで? 「はい、そこのおもちゃやさんで、ご主人様に買ってもらいましたー」 ・・・・・・・・ 「あっ!私、買い物の途中だったんです、さようならー」 ・・・・・・・・ 笑い・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ 袋・・・・・・・ 欲しい 「ありがとうございましたー」 ・・・・・・ 「で、私の頼んだ本も買わずに、笑い袋買ってきたわけ?」 はい 「・・・・・・」 ・・・・・・ 「一応言っておくけど・・・・・」 ? なんでしょうか 「家内安全とかUFOとの遭遇率がアップとかいうのは、間違いなく浩之のウソね」 ええっ? 「こ、こう言っちゃなんだけど、あなた本当に最新型?」 ・・・・・・・ ・・・・・・・でも くいっ ぎゃははははははははははっ ・・・・・・ これはこれで・・・・いいかもしれない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 最近になって やっと 京極夏彦様の『塗仏の宴 −宴の支度−』を読むことができた。 『宴の始末』が出るまで読むまいと誓っていたのだが、やっと読めた。 でも なんであの女性が死ななきゃならん・・・・ なんで敦っちゃんが殴られにゃいかん・・・・ いや、それよりも・・・・ もうちょっとしっかりしろよ、関口ぃ!!!