はるかと三分だけ散文的に三歩の散歩 投稿者: MIO
 季節は秋、散歩するにはちょうどいい季節だ・・・
 俺は空を眺めて、ぼんやりと歩いていた。
 ふと、見知った背中を見つける。
「はるかだ」
 逃げよう。
 あいつといると、最近ろくな事がない気がする。
 俺はくるりとUターンして・・・
「ん」
「わあっ!」
 目の前にはるかがいた!?
 なんで?どうして?
「い、いまさっきお前、むこうに・・・」
「ん、あれ、双子の妹・・・」
「嘘吐け!」
「じゃ、死んだ兄」
「うっ・・・」
 そういう嫌なことを、平気で・・・
「今日は・・・私、犬の散歩」
「別に聞いてないぞ」
「私の犬の名前、知ってる?」
「あ?」
「冬弥」
「犬につけるな!」
「猫ならいい?」
「動物につけるなと言ってる!」
「どうして?」
「お前だって『はるか、お手!』とかいわれたら嫌だろ!」
「あははははは」
「なんで笑う!」
「想像した」
「するな!」
「冬弥は、犬っていうより・・・」
「話をすりかえるなよ!」
「猿」
「お前なぁ!」
「えっ、いや?どうして?」
「真顔で聞くな!」
「何が気に食わないのか・・・」
「犬の名前が『冬弥』だって事だ!!」
「じゃ、彰にする」
「あ、あのなぁ・・・」
「ちなみに、彼が人間の彰」
「やあ、冬弥」
 いたのか・・・・
「お前も何とか言ってくれよ!はるかが犬にお前の名前をつけたんだぞ!」
「はるか、そうなの?」
「ん」
「あはははははは」
「ええい、彰まで笑うな!」
「私、やっぱり冬弥がいい」
「僕もそう思う」
「なんでだよ!」
「「面白いから」」
「あああああああっ!」
 二人とも俺で遊んでやがる・・・・
 ちくしょう。
「お前ら、あんまり俺をなめ・・・」
「冬弥、最近、発情期」
「そうなの、冬弥?」
「何で俺に聞く!!」
 犬のほうに決まってるじゃないか!
「人間のほうも発情期」
「お前なぁ!」
「冬弥、発情期なんだ」
「彰もあっさり信用するな!」
「犬の話だよ」
 ・・・・・・
「ん、メスなら誰でもいいみたい」
「冬弥、そうなの?」
「犬だぞ!」
「冬弥が?」
 ・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・
「お前らぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「キレた」
「どうしてだろ?」
「大っ嫌いだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


数日後、由綺とはるか

「ええっ!冬弥君が発情期で、その上、子供を孕ませてまわってる!?」
「ん」