矢島の死 投稿者: MIO
 矢島が死んだ・・・

 死因は交通事故だった。
 クラスの人気者は、そんなくだらない事故で、実にあっけなくいってしま
った。
 最近矢島と交流があった俺は、突然の訃報に驚愕し、混乱し、そして泣いた。

 そして今日、俺は矢島の葬式に参列していた。
「うう、矢島君・・・」
 あかりが泣いている・・・
 俺の友人の中では、一番に矢島と接点があったあかりだ、無理もない。
 なぜか矢島とあかりは仲がよかった。
 矢島は普段から『俺はあかりさんが好きだ』と連呼していたから、よほど強
い友情で結ばれていたのだろう。
 なんか一方的な気がしないでもなかったが・・・

 矢島の葬式には、クラス全員が参列していた。
 矢島・・・、おまえは本当に人気者だったんだなあ・・・
 俺がそう思っていると、玄関の方から騒々しい音が・・・

 がららららっ!!
 ドスドスドスドスドス!

 荒々しい足音は、やがてこの部屋で立ち止まり。
 
 がらっ!

「人の葬式を『ごっこ』であげるなぁっ!!!」
 ちっ、矢島か!?
 もう嗅ぎ付けやがったのか!
「藤田は何処だ!首謀者はあいつだろう!」
 俺は委員長に目配せする。
 委員長は小さく頷く。
「だいたいクラス全員が参加するのはどうして・・・・」
 矢島の怒声を遮って、委員長が叫ぶ。

「撤収ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

 委員長の声に、蜘蛛の子を散らすように逃げていくみんな。
「な、なんだ!?」
「わははははっ!!さらばだ矢島!!」
「藤田!お前!」
「次は散骨式で会おう!」
「だから勝手にに殺すな!!」
「わははははははははは、矢島君!君の敵はクラス全員だ!」
「ちくしょーーーーーーーーっ!一番我慢ならんのは、あかりさんも参加して
たことだーーーーーーーーーーーーーーっ!」

 ざまあ見ろ。