石燕 百鬼徒然袋 巻之下「瀬戸大将」 投稿者: MIO
 今日は理緒ちゃんの誕生日だ。
 しかし、何故か俺の家で誕生日パーティーが開かれていた・・・

 俺は、理緒ちゃんの家にお邪魔しようと思っていたのだが、
「藤田君が来ると、定員オーバーで壊れるから」
 と、言われて断られた。
 よくわからんが、理緒ちゃんの家はギリギリらしい。

「ハッピー・バースデー!理緒ちゃん!はい、プレゼント」
 俺は買っておいた、プレゼントを渡した。
 陶器の貯金箱。
 実用品がいいだろうとふんで、チョイスした。
 結構洒落たデザインで、叩き割って中身を出すタイプではない。
「わぁ、高かったでしょう」
「ははは、正直言うとね」

「小銭も重かったでしょう?」

 小銭?
「お買い物って、小銭が重くて大変」
「こ、小銭でしか買い物しないのか?」
 俺が少々狼狽して言うと、理緒ちゃんは
「だって、ほら、生活費以外の自由になるお金って、月30円でしょう」
 少し泣けた・・・
 ていうか、それが常識だと思い込んでるあたり

 不憫だ。