初音ちゃんの寝癖はすごい。 いつも鋭く、天に向かって構えられた刃のごとくそそり立っている。 いつも同じ位置。 いつも同じ高さ。 それが初音ちゃんの寝癖。 だが・・・ その日はさらに凄かった。 「おはよう、耕一お兄ちゃん」 ふらふらよろよろ・・・・ 俺は現れた初音ちゃんに絶句した。 じゃきぃぃーーーーーーーーーーーーん! でかい! かるく3メートルはあるぞ! しかも鋭い! 初音ちゃんが首を動かす度に、柱や壁が両断される。 ずばっ! 「うわっ!」 「ごめーーん」 危ない、命を落とすところだった。 寝癖カッターおそるべし!! 「おっ、初音、今日の寝癖はすごいなあ」 「あ、梓お姉ちゃん、おはよう」 うわっ、梓はスゲー普通!? 「おはよう初音」 「おはよう楓お姉ちゃん」 楓ちゃんもかっ!? ぶぅんっ!! 危ない楓ちゃん!! びしっ! 「気をつけて初音」 「そーりー」 か、楓ちゃんが真剣白刃取り。 今日はよくわからん日だ。 「おはようございます耕一さん」 あっ!千鶴さん! 「どうしました、そんなにあわてて」 あれあれあれあれっ!! 初音ちゃんの寝癖が!! 「まあ」 まあ? 「今日の寝癖はすごいわね初音」 「えへへ・・・」 「明日はきっと雪ね」 雪!? 次の日 「わーい、雪だーーー!」 ホントに降ってるしーーーっ!?