社会の底辺 投稿者: MIO
「上のタイトルに異議あり!!」
 理緒ちゃんが叫んだ。
「貧乏だからって、私という人間の価値が決まるかというとそうでもないわ!」
 理緒ちゃんはちょっと考えて。
「決まるかもしれないけど!私は多分大丈夫!!・・・・・・・・・かな?」
「いや、大丈夫だよ」
「よね!!藤田君もそう思うよね!!」
「でも、あのタイトルが理緒ちゃんのことかどうかはわからないだろ?」
「わたしのことよ!決まってる!」
「そんなことないって・・・」
 理緒ちゃんの貧乏は、理緒ちゃん自身が一番気にしてるんだよな。
「そうよ!そうに決まってるわ!馬鹿にすんなよコラ!」
「おいおい・・・・」

「あ、ちょうど良かった・・・・」

 あれ?綾香だ。
「雛山さん?」
「なに?」
「今日セバスチャン休みでさあ、荷物持ってくれない?」
「馬鹿にしないで!!私は貧しくても、人間としてのプライドはかろうじてキープしてあるのよ!」
「バイト代だすから、時給五百円」
「ゴミとお呼び下さい!!」
 な、なにぃ!
「おいおい!理緒ちゃん」
 しかし、理緒ちゃんは俺を無視する。
「悪いわね雛山さん」
「げへっへっへ、気になさらないで下さいお嬢様。私は社会の底辺でございますよ」

 守銭奴の雛山理緒は今日もゆく。
「綾香お嬢様ぁ〜!これからもよろしくお願いしますぜぇ」
「そうね、考えとくわ」
「うへえ〜、有り難き幸せだぁ〜」

 こんなの理緒ちゃんじゃないやい。