さおりんの野望 投稿者: MIO
「ねえねえ、長瀬君って最近明るくなったよね」
「うんうん、それでさ、彼って意外とカッコイイんだよね」
「うん、今まで気づかなかったけど、ルックスはよかったりするよね」
「そういや、沙織ってさ」
「私?」
「長瀬君と仲よかったよね?」
「へ?あ、あの・・・」
「友達なんでしょ?紹介してよ長瀬君」
「・・・・・」


「ってことがあったの」
 『ってことがあったの』って言われてもなあ・・・
「へ、へえ」
 とりあえず、あいまいな返事をする僕。
 僕への評価が上がったのは、単純に喜んでもいいけど、だからって取り立ててどうということは・・・・・
「よかったねえ、ゆーくんモテモテだ」
「え?あ、あー、そうだね」
「・・・・・・」
 あれ?沙織ちゃん怒ってる?なんで?
「『そーだね』っじゃ、なああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーいっっっ!!!!!!」
「うわっ!?ちょっ、沙織ちゃん、落ち着いてっ!」
 僕は必死でなだめようとするが、佐織ちゃんはおさまる様子がない。
「ぬがあああああっ!!」
「うっわあああああっ!」

1時間後

「ハァハァハァ・・・・」
「ふぅふぅふぅ・・・・・」
「いったいどうしたのさ、沙織ちゃん?」
「わからない?」
「なにが?」
「私たちって毎日一緒にいるよねえ?」
「そうだね」
「デートもしてるわけじゃない?」
「まあね」
「なのに!」
「?」
「私たちがつき合ってるのを、誰も知らないとはどーいうことじゃああああああああぁぁぁいっ!!」
「そ、それは・・・、あんまり、その、目立つことしてないし・・・・」
「こーなりゃ、ゆーくん!」
「は、はい」
「なにがなんでも公認のカップルになるわよっ」
「う、うん」

1.さおりんの野望に荷担する
2.説得する
3.電波で黙らせる
4.電波でみんなをいじり、晴れて公認の仲になる

「4よっ!!」
「沙織ちゃん、それはまずいって・・・・」


 結局僕は、3を選択したのだった。

おわり