緒方英二 投稿者: MA
警告 下記の文章はホワイトアルバムのネタバレを含みます。

「結局、予想通りか・・・」
俺はそう呟いて先程の光景を思い出した。
彼女の見せた涙。
それが全てを物語っていた。
返事は明日の音楽祭の後で聞くと言ったものの、答えはもう分かっていた。
由綺は俺ではなくあの青年を選んだのだ。

クリスマスイブのコンサートの頃は由綺とあの青年を見守っていくつもりだった。
それがスタジオでいっしょに過ごす時間が多くなっていくにつれ、俺は由綺に惹かれていった。
由綺がTV局で迷子になった日、屋上であの青年と二人でいるところを見たとき、俺は気付いた。
由綺を愛している事に。
そして、由綺が愛しているのはあの青年だという事も。

俺は予想通りふられてしまった。
由綺は今頃あの青年のところに電話をかけている頃だろう。
そして、今夜の出来事はあの二人の絆をいっそう強くする事になるだろう。
その結果、由綺は明日の音楽祭で今まで以上の力を発揮するだろう。
「これで良かったんだよな。」
俺は自分に言い聞かせる様に呟いてから、車を発進させた。

<END>

初投稿です。
今回の拙文は、WAの由綺シナリオで緒方英二が音楽祭前日にした告白の直後の場面です。
分かりにくい文章で申し訳ありません。
主人公は英二の告白について本気かトリックかどちらだろうと考えていましたが、今回は半分は本気で残りの半分はふられる事を予想した上で音楽祭のための効果を狙って行った事として考えてみました。
詳細はおぼえていないのですがゲーム中の英二との会話で「ラブソングを書くには自分の脂ぎった感情をドライに処理する必要がある」等という発言があったので、本人はそんな事は出来ないと否定していたようでしたが、きっとそういう事も出来るのだろうと勝手に決めて書いてしまいました。
最後に全国の緒方英二ファンの皆さん怒らないでください、お願いします。